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10minutes diaries/157

令和4年3月24日(木)

もう、コロナ禍と言われる生活も2年近くが経ち、それ以前の生活を、もはや忘れかけている。
マスクなど気にせずに、夜のごはんの時間を気にせずに、アクリル板に囲まれることなく、ワクチンがどうとか、消毒がどうとか、ディスタンスとか、密とか、そんなことがなかった日々が、静かに記憶から薄れゆく。

はじめは楽しかった。
作ったことのないパンを作って、味噌を作って、音楽をやって、本を書いて、絵を描いて、そんな今までなかった時間を堪能した。
でも、いつからか、そんな家にいる時間が長くなる生活が当たり前になった。
どこか虚無だった。
何を目指せばいいのかもわからなかったし、好きだった彼女はいなくなったし、成長らしきものは何も感じない。
ただ、前よりも少し多く眠り、少し多く楽しいだけの動画を見て、少し家で飲むお酒が増えた。

このまま、僕は終わっていくのかもしれない。

まん防があけた。
夜が長くなった。
僕は、あの頃を思い出すことができるのだろうか。
何か、大きな感情で埋め尽くされていた、あの頃を思い出すことができるのだろうか。

見ていただけたことが、何よりも嬉しいです!