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10minutes diaries/334

令和4年9月17日(土)

今日もカフェに来ていて、本を読んでいたのだけど、目の前に座った男が、パソコンを開いて、テレビ電話をし始めた。
広告の営業か、コンサルかはわからないけど、ありきたりな話ばかりをしていて、僕が広告の営業をしていた15年前と何も変わってないなぁと思った。
でも、カフェの中でこの声を聞くのは、やっぱりすごく不愉快なもので、一気に音楽のボリュームを上げて誤魔化してみようとする。

それにしても、これって何で、こんなに不愉快なんだろうって思って、もしかしたら僕だけなのかなぁとも思ったけど、そういえば、かつて、全く同じテーマで自分がやってたラジオで話したことがあったことを思い出した。

カフェに行けば、当然おしゃべりをしている人もいて、あまりにも大きな声でしゃべってたらあれだけど、基本的には、気にはならず、黙々と自分の時間を過ごしているわけだし、僕もまた友達とかと行くことはよくある。
じゃあ、おしゃべりしている人と、電話している人の間には、一体何の違いがあるのだろうか。
一つには、一方の会話しか聞こえないということがあるだろう。
こちら側で話している人の声しか聞こえず、会話として耳に入ってこないから、それが不自然で嫌な気分になる。
でも、思う。
パソコンから、相手の声が聞こえたら、嫌じゃないのか。
いや、たぶん、今以上に嫌な気分になると思う。
だとするなら、この電子機器を通して聞こえる会話が不自然に感じるということなのか。
でも、もし、そこから聞こえてくる声が、英語たったり、フランス語だったりしたら、どうだろうか。
おそらく、今ほどは、嫌に感じないと思うし、であれば、言葉が理解できてしまうということが、影響しているのか。

みたいなことを、ラジオの中で、独り言のように話していたら、一緒にやっていたメンバーがこう言った。
「TPOじゃない?」

たしかにと思った。
もし、このテレビ電話が、晴れた日の公園の昼下がりのベンチで行われていたら、きっと何も思わないだろうし、むしろ「お仕事ご苦労様」ぐらいに思うのだと思う。
とするならば、無意識のうちに、カフェではテレビ電話をするものではないというのが僕の中にあったということになる。
そんなこと全く考えたことはないけれど、理屈から行けば、そうなってしまう。
だから、おそらく、みんながみんなこの状況を嫌だと思っているわけでもなくて、「僕の場合は」ということになるのかもしれない。

こんなふうに、日常において、いろんなことを無意識の中で判断しているのだろうし、それが時に思い込みになるのだろうし、イライラするのに、そんなことを考えるきっかけをもらってしまったことは事実であって、切り離すのであれば、そこのところだけは彼に感謝せねばならないのかもしれない。

見ていただけたことが、何よりも嬉しいです!