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10minutes diaries/160

令和4年3月27日(日)

あぁ、そうだった。
春であることを忘れてた。
あったかいし、寒かったんだ。
厚手のコートを着てる人もいるし、Tシャツの人もいる。
きっと、みんな家を出る前に、窓を開けて、外の温度を確かめて、鏡の前で、これで合ってるかなぁなんて思って、でも、外に出て、やっぱり寒かったなぁなんて思って、でも、それも全部春のせいにして、道端に咲いている桜を見て、時の速さを感じて、昨年を思い出して、それでもどこか胸は踊って。

カラカラとなるおもちゃを思い出した。
あれは、春と関係あるのだろうか。
カラカラと音が鳴って、何回振ったらこの音は消えるのかと思って、ずっと振っているんだけど、どうらやその音は鳴り止みそうになくて、いつのまにか、反響音もあったりして、「そうだ、僕はかつて音だったんだ」なんて、だいぶ遠い記憶を思い出して、それも全部春のせいにして、憂いて、朦朧として、夢の狭間を右に左にふらふらしている。

目が覚めたら、そこは電車の中で、やっぱり春で、吊り革広告と、窓からわずかに映った桜の境界線が消えた瞬間を見て、もう一度目を閉じてみたりしている。

見ていただけたことが、何よりも嬉しいです!