無題の日#7

「ここのところずっとね、家に帰るたびね、エレベーターで十階まであがるんだけどさ、こわいの、じぶんの部屋にはいるまで、こわいんだ」
　お酒はあまり強くないけどどうしようもなくたくさん飲んで酔っ払った先週末、たぶん相当に酔ってたんだと思う、帰りのタクシーで泣きじゃくりながら友達に電話していた。他にも大泣きしながらなにかをうったえてた気がする、助けて、助けてって、きっとそれがいま一番強く思ってることなんだと思う。
　ここ二、三日で仕事が本気で頭が回らなくなってきて、じぶんでなに話してるか相手がなに話してるかもあんまりわからない状態になってきて、昨日から体調も崩れて頭は痛いしお腹痛いし吐き気もするわでなにも食べられなくなってきて、いわゆる寝込んでるっていう状態になってる。おかげで体重減ってて嬉しいんだけど健康的じゃないよね、筋肉おちて胃の中がからっぽになってるだけだからね。
　支えてくれるまわりのひとがいるから生きていられるけど、助けてもらうなんてことは本当に生きていてありえない話で、支えてもらうのと助けてもらうのでは天と地ほどの差があるよね。結局ここから環境を変えたりなにかしら努力したりで這い上がるのはじぶんの力でしかないって残酷だよ、そんなことわかりきってるのに助けてだなんて思ってるのはもうほんとに休みなさい。よく休みなさい。
　久々に親に電話して、元気ないむりって言ったら、ご飯は食べてるのかとか病院には行ったのかまるで母親みたいなことを聞かれて、なんとなく救われた気がしたかもしれない、かまって欲しかったんだろうね、よしよし。なんの解決にもならないけどだれかと話してたかったんだと思う。よく考えたらぼくめったに体調崩さないし、体調崩してるのって基本的に精神状態最悪のときだから、そっちの方を手当てして欲しかったんでしょう。
　ビデオ通話がしたいというので渋々ビデオ通話したらね、じぶんの顔がかわいすぎてちょっと元気でました。待ってもうアラサーのおっさんなのにこんなかわいいことある？？！？最高すぎではって親と盛り上がりました。別にぼくは客観的に見たら顔がかわいいとは程遠い存在なんだけどね、顔もかわいくなければ性格も生意気だし、体型はずんぐりむっくりだし、でもなんとなく愛着があるからね、本当はコンプレックスだけど、じぶんの顔好きでよかった。
　そういえばなんかずっと心に残ってる言葉があって、なんか胡散臭い無料カウセリング受けたときに、いまはもう心が風邪をひいている状態なので、いまの不安定な状態、仕事がうまくまわせない状態のことを責めないであげてください、あなたそのものの人格や能力がおかしくなったわけじゃない、いまはちょっと調子が悪いだけです、治療をしましょうって言われて、胡散臭かったけどなんとなく安心した。半年とか一年とかかかるのかもしれないけど、薬飲んでその場しのぎで終わらせるんじゃなくて、環境変えてちゃんと治そうかな。
　仕事、一番の踏ん張りどきだったんだよね。いや一番の踏ん張りどきが二ヶ月も続いてて、さらにこっから三ヶ月も続くから、ずっと踏ん張ってなきゃいけなかったんだけどね、まあね、そうね。
　最近雑草が明るい緑になってきましたね。桜も咲いてきて、ようやく好きな感じの季節になってきました。去年まではあんまり春が好きじゃなかったのにね、写真の勉強をはじめてからちょっと春が好きになりました。写真撮りたい。先々週も楽しかったし、今週も、来週も、再来週もぜんぶ楽しみです。
　そろそろ寝れるかな、おやすみなさい。