見出し画像

休校期間にネット自習室を12日間運用して学んだ5+1の真実(高校生・受験生・保護者・教育関係者向け)


高校生・受験生向けのネット自習室をやりました。もちろん無料です。はじめの3月の休校期間中は50人くらいの参加者だったけど、だんたん人が増えてきて、今は1日200人くらいが参加してくれてます。述べ参加者は1500人を越えました。高校生・受験生のニーズの大きさを強く実感しています。実践する中で知見が溜まり伝えたいことも湧いてきたので、取り急ぎnoteにて共有します。気づきがあれば各自で活かしてもらい、必要な人に届くようにシェアしていただければ嬉しいです。

画像1

※ネット自習室とは、参加者がスマホやPCのカメラで手元を写しながらみんなで学習する環境のことです。

① ネット自習室、みんなマジで集中して自習する。

いちばん驚いたのは、ネット自習室への参加者から「こんなに集中できたのは人生ではじめて」という声がたくさんあがったことです。考えてみてください。彼ら彼女たちがいるのは自分の部屋なんです。親にも見られたくはないから、扉を閉めた自分の部屋の、自分の机で、すなわち世界でいちばんサボりやすい場所で、朝から勉強しようとしているわけです。なのに「自分がこんなに集中できるんだと初めて知った」という感想が出るんです。すごくないですか?

※ちなみにネット自習室で取ったアンケートでは以下のような結果が出ているので、やっぱり「自分の部屋がもっともサボれる場所」というのは間違いなさそうです。

画像2

②リアル自習室を超えるメリットがある。たとえば、音読し放題。

「ネット自習室にはリアル自習室を超えるメリットがある」というのは思わぬ発見でした。たとえば、英語の音読。今どき英語の勉強で音読が必須なのはだいたい皆が分かっているけど、教室や自習室では周りの迷惑になるからやれないわけです。かといって自分の部屋ではついサボってしまう。だから英語の音読はおろそかになりがちです。その点、ネット自習室では音読し放題。自分の声は他の人に聞こえないからです。ネット自習室には、こうしたリアル自習室を超えるメリットがたくさんあります。

③孤独感がなくなり、一体感が生まれる。

「でも、結局、手元を映し合うだけでしょ?飽きるんじゃない?」と思うじゃないですか。正直、僕もそう思ってました。違うんです。ネット自習室では休憩時間に「チャット」での双方向コミュニケーションができます。それによって場への参加感が生まれます。リアル自習室で200人がいっせいに喋ったら騒音でしかないけど、ネット自習室なら孤独感がなくなり、皆で一緒に頑張っている一体感すら生まれる。若者世代にとっては当たり前の感覚なんでしょうね。こういう楽しさがあるから、継続率もすごい。

④(ちゃんと対策していれば)トラブルは意外と起きない。

ネット自習室をはじめるにあたって、いちばん懸念したのは安全性です。不特定多数の未成年が参加するネット空間だからこそ、参加者の安全と安心の確保を最優先にする。そう決めて、できるかぎりの準備と対策を講じたものの、どうしても不安は拭えなかったため、「問題を防げなさそうなら即閉鎖する」という方針でスタートしました。が、蓋を開けてみたら、これといったトラブルは起きませんでした。参加者の意識とリテラシーの高さにも助けられ、今のところ安定した運営を継続できています。

⑤休校期間中の生活リズムを安定させるために最高。

学校が休校になると知った時点で、日本中の高校生の生活リズムは崩壊するだろうと感じていました。その対策とすべく、ネット自習室は学校のスケジュールに重ねて「朝8時45分集合、9時自習タイム開始」としました。そこから1限と2限の2本勝負。そうやって午前で弾みがつけば、その後の一日は各自で充実させられるはず。そう考えた結果、今では参加者からは毎日のように「ネット自習室があるから頑張って起きようと思える」という声をもらうようになり、生活リズム安定一助になれているなと感じています。

・・・

ということでネット自習室をやってみての学びを思いつくままに書いてみました。ネット自習室、マジですごくないですか?

先ほど載せた通り、僕たちが取ったアンケートでは、自宅学習の障壁は、①スマホ、②部屋の誘惑、③生活リズムの乱れ、です。こうした休校期間中の問題を、すべてとは言わないまでも、かなり解決することができるネット自習室。これはいま困っている高校生や受験生が活かすべき学習環境だと感じています。ぜひ、多くの人に伝わってほしいし、活用してもらえたらと願っています。

画像3

(↑YouTubeで紹介した参加者からの感想コメント)

その上でお伝えしたいのは、このネット自習室という取り組みを通じて、僕自身が感じた、この休校期間中に若者が自ら起こし、経験している変化についてです。それが最後の+1の僕がシェアしたい学びです。

⑥休校期間は危機だけれど、若者にとっての機会になる。ピンチではなく、チャンスにできる。そのために必要なのは、ささやかでも具体的な行動を起こすことだ。

ネット自習室なんて、別に参加しなくてもいいわけです。休んだって怒られるわけじゃない。でも、どうせ自宅でグダグダしているよりはいいなと思って、ちょっとの勇気を出して踏み出した高校生・受験生は「自分ってこんなに頑張れるんだとはじめて知った」とか「自分からやる勉強ってこんなに楽しいんだ」と感じています。

ここにポイントがあります。

これは、学校が休校にならなかったら彼ら彼女たちが決して経験しなかったであろうことです。塾や予備校も含めて「勉強ってやらされるものだ」という常識の枠組みから、普通の高校生は抜け出すことができない。でも、突然訪れた休校期間プラス外出自粛で自宅から出れなくなって、いくらでもサボることができる現状があり、サボっても仕方ないと思われている状況の中で、あえて自ら具体的な行動を起こしてみると、そこには見慣れた日常とは異なる世界が広がっていく。

おもしろいと思いませんか?

「与えられる勉強」を嫌々ながらやることが当たり前の高校生・受験生にとって、「自らやる学習」によって得られる経験は、ほとんど忘れかけていた感覚を呼び起こすはずです。僕は高校を中退して「学校にいかなくなっていい」という状況に陥ってはじめて、「与えられる勉強」から抜け出て、「自らやる学習」という世界で生きはじめました。

いまの社会は確かに危機です。でも、多くの若者にとって、危機を叫ぶテレビにかじりついていても意味がない。できることは、大切な人の命を守るために自分の家にいることと、大切な自分の未来を守るために具体的な行動を起こすこと。その行動は、ささやかでいいんです。ささやかであっても、具体的な行動を起こした分だけ、自分も、この世の中にも、変化は起こっていく。

そういう思いで僕は行動を起こし続けてきました。これからもやっていきます。こうした試みが、少しでも多くの人が具体的な行動を起こすきっかけになることを願います。

-----------

最後に、休校期間中の高校生・受験生に向けた我々の2つの取り組みを載せておきます。もし興味を持ったら一歩踏み出してみてください。

センセイプレイスのネット自習室
3週間限定、短期集中特訓コース

センプレのブログ https://blog.senseiplace.com/

この記事が参加している募集

#おうち時間を工夫で楽しく

95,466件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?