間違ってはいないけど、っていう話

「飲みいきましょうよ。最近、すごい安くて美味しい焼き鳥屋さん見つけたんですよ」
昔バイト帰りで一緒になった女の子に言われたことがある。
期待をしてついていってみると、見慣れた黄色い看板の鳥貴族だった。

間違いではない。
間違いではないが、その言い方のニュアンスで行くところなのか。という思いが頭をぐるぐる回った。

「なんか、どのラーメン屋も1回行ったら別にいいかなーって感じなんすよね」
電車の中でおそらく先輩後輩のサラリーマン2人がラーメンの話をし、後輩は相当なラーメン好きそうなテンションで話す。
先輩が「おすすめのラーメン屋ある?」と聞くと
「せい屋、っていうラーメン屋があるんですけど」と後輩は言う。

めちゃくちゃチェーン店やん。
せい屋も美味いけどさ、その「俺ラーメンめっちゃ好きっス」みたいなテンションで言う感じの店じゃないじゃん。
と盗み聞きしながら思う。

最近読んだ
燃え殻「すべて忘れてしまうから」という本に
おもちゃ屋みたいな本屋が下北にある、とビレッジバンガードに連れていかれた話を読んで

おれにもあった似たようなエピソードが、自分の中ではトホホ案件だったのだけど
この本では「当たり前だと思ってたことを特別にしてしまう」という表現にしていて
とても良いなぁと思う。

友人で音楽がものすごい好きな人がいる。
音楽の話をすると8割ぐらい何を言ってるのかわからないのだが
「知らないの?」と、自分の知っているマニアックな音楽があたかもヒットソングぐらいのテンションて言ってくる。

この人は「特別なことを当たり前にしてしまう」という人なんだなと。
そんな人もいる。

世の中は見方によっていろいろ、っていう話。

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