12月

 私は祝福の花を大切な人に配り歩いていて、それが私の示せる愛だった。でもここのところ、果たしてこれが愛かしら、とおもう。寂しくなるのは愛かしら、とおもう。悲しくなるのは?

 大切にされたい、と脳が揺れるとき私はなんて卑しい人間なのだろうと、がく然とする。最初からそのつもりだったら、なにが祝福なのか。

 語るまでもない。相手に求める道理はない。同じものを同じだけなんて、望むべくもない。のに。

 じゃあ、興味が失せるまでの地獄かしら。すべてから手放されたとき私は幸せか?

 もうなにも思い出せないことだけは思い出せる。

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