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ドウデュース 馬名の由来について考える

今週はダービー。なので何か、ダービーに関連したことを書いてみる。

ということで過去90回のダービーの歴史の中で最速タイムで勝っている、2022年のダービー馬ドウデュース。この馬名について考えてみたい。


●申し訳ないが「いい名前」ですか??

ダービーのレコードタイム保持者であり、
昨冬は大けがから復帰した武豊と共に有馬記念で復活V。
その馬名が「ドウデュース」。

でもこの名前、失礼ながら・・・

  •  そういう単語や文法、慣用句はなく、造語である

  •  パッと見、何の意味も連想できない

  •  読みやすいわけでもない

  •  覚えやすくもない

  •  かっこよくもない

  •  かわいくもない


どう言ったらいいかな。
たとえば競馬ファンが、そうじゃない人に「有馬記念、なんて馬が勝った(勝つ)の?」 
と聞かれて「ドウデュース」って答えるのがなんか恥ずかしいというか。
「言っても通じないだろうな」
「聞き取ってさえもらえないのでは」
「自分でも意味が分からないままその名を発するのが気持ち悪い」
そんな感覚。(伝わります?このかんじ)

JRA70年の歴史の中にしっかりその名を刻んでおり、
もしかしたら今秋、日本馬初の凱旋門賞制覇を達成して歴史を変えるかもしれない名馬。
その名前が、よりにもよって(?)なぜこんな意味不明な馬名なのか・・・。
余計なお世話かもしれないが、気になって仕方がない。

あえて言えば、こうして考えさせられている時点で人の印象に残っているとも言えるわけで「だったらいい名前じゃん」とも考えられるが、そういう屁理屈をこねなくてももっとストレートに「いい名前」と思える名馬が過去には山ほどいる。それに比べると(まあ比べる必要じたい無いんだけど)
ドウにも引っかかってしまうのが「ドウデュース」という馬名なのだ。

●公式に明かされている馬名由来

多くの方が既にご存知である通り、
JRA公式ホームページを見れば、馬主が届け出ている馬名の由来が記載されている。
ドウデュースの由来を見たことがある方も多いでしょう。

JRA公式HPより

「する+テニス用語(勝利目前の意味)」
つまり、
「Do + Deuce」だというのだ。

ん-。。。

  •  でもそれなら「ドゥ」デュースか「ドゥー」デュースでは?
     なぜ「ドウ」?

  •  デュースって、どちらかが2連続でポイントとらないと、
     延々とデュースだよね。ぜんぜん「勝利目前」じゃないよね。

  •  むしろデュースに「された」側からしたら、あと1本とればゲームを
     とれたところから、かなり後退させられてるよね。

  •  「Deuce」と「Do」を組み合わせる必要ある?(そんな文法ないよね)

この馬名の厄介なところは、由来を聞いて尚、いやむしろ由来を聞いてしまった後のほうが「?」が増えることなのだ。

オーナーはキーファーズ。
3-12歳にわたって58頭の馬がJRAに登録されたが、
テニス関係の馬名はドウデュースのみ。
キーファーズ=松島正昭=彼とその一族が運営する「インゼルレーシング」の3-4歳馬38頭の中で見ても、テニス関係の馬名はナシ。
それぞれ、既に「Target」に登録されている2歳馬まで見ても、テニス関連はナシ。
つまり、「オーナーがテニスがめちゃくちゃ好きでテニスに拘りたかった」という感じでもない

謎は深まるばかり・・・。

●私の仮説

  • パッと見ても/聞いてもわからない

  • 意味を聞いてもわからない

となるとこれは、もしかして「わかる人にだけわかる言葉」なのでは?
そこに後付けで馬名由来をでっちあげただけでは?

というのが私の仮説だ。

オーナーの松島正昭氏が馬主になったのは、武豊に誘われたからだ、
というのは競馬ファンの間では有名な話。
元々は京都の酒場でふつうに飲み友達としての人間関係が始まり、
そこから「馬主になってみては」と武豊が松島氏を勧誘。
松島氏も「武豊に凱旋門賞を勝たせる」を目標にすると決め、
ここに男の友情から始まる壮大なストーリーが幕を開け、
以来何十億(もっとか?)というお金をつぎ込んで
武豊のために馬を買い続ける松島氏の破天荒物語が繰り広げられる・・・
という、例の話だ。

「ドウデュース」はもしかして、松島氏と武豊騎手、この2人にしかわからない言葉なのではないだろうか?

いつか大レースを本気で狙えそうな馬に巡り合ったらこの名前を付けようと温めに温めていた、二人だけの秘密の言葉

そうだとすれば、我々がどんなに考えても意味が分からないのも当然だし、むしろそのほうがいい(二人の秘密、という感じが高まる)とも言える。

●ズバリ、口説き文句ではないか


ではその「秘密の言葉」に込められた「ほんとうの意味」とはなんだろうか。
わたしは、「どうですか」の変化形ではないかと思う。
つまり、

「松島さん、馬主になりませんか。どうですか」

という武豊の口説き文句。これが「ドウデュース」の真の由来ではないか。
そしてさらに妄想を膨らませると、
実際に武豊がこの言葉を口にしたとき、思わず

「どうでゅすか」

と噛んでしまった・・・。そしてその場が爆笑になった・・・。
爆笑の勢いで松島氏は「よっしゃ、馬主になったろか!!」と決めた・・・。

つまり「ドウデュース」は、「どうでゅすか」が語源だった説。

  • 二人だけの秘密の言葉

  • 言い間違いで生まれた言葉

  • だからそのままの由来は登録できない(恥ずかしいし)

  • そこに無理やり由来をこじつけたから、他人にはますますわからない

これでどうだ。(何が「どうだ」かわからないが)

●真の由来が明かされるのはいつか

もし私の仮説が正しいとした場合、1つ浮かび上がるのは、
「なんで今まで明かされていないのか」という問題だ。

武豊はジョーク大好きな人だし、メディア出演時に見受ける松島氏の印象も明るくてオープンな感じ。
それなら朝日杯、ダービー、凱旋門、有馬・・・今まで何度もメディア取材の機会があった中で、どこかでポロっと真の由来が語られてもいいようなものだが、なぜ今まで明かされずに来たのか。

私はこれについては、
「ヤバい、こんなに強い馬になると思ってなかった」説を唱えたい。
つまり、
ダービーをレコードで勝ち、フランスでも勝負になるかもしれない馬。
武豊と松島氏の夢を本当に叶えてしまうかもしれない馬。
日本競馬の歴史を変えるかもしれない馬。

もはや「言い間違いが名前の由来」とは言い出せなくなってしまったのではないか。そういう次元の馬ではなくなってしまったよと。

かくなるうえは凱旋門賞を本当に勝って、夢を叶えて歴史を変えて、
そのときこそ満を持して明かされる・・・それしかない。
と、二人は考えているのではないだろうか。

私はこの自説を熱烈に自分自身で支持し、この秋の凱旋門賞制覇を応援したいと考えている。シンエンペラーもレガレイラも魅力的だが、ドウデュースに勝ってもらいたいなと。


それにしても、

「ドウデュース」=「どうでゅすか」

こんなくだらないダジャレを言うためだけに3000字以上書いてしまった。
これもダービーの魔力か・・・。


●(余談)明日のダービーの狙い

本編自体が長ったらしい余談みたいな内容だったが、
ここからは本当の余談。
明日のダービーにも、ドウデュースにちょっと似たセンス(?)を感じる馬名の馬がいる。

それは6枠11番、シュガークン。

JRA公式で明かされている馬名の由来は以下の通り。

JRA公式HPより

「母名の一部+時(フィンランド語)」

ということだが・・・。
誰もが恐らく思うのは、「シュガー君かと思ってたー」だろう。

私はこの馬についてもまことに勝手ながら「シュガー君」が本当の由来ではないかと睨んでいる。
つまり牧場時代は「シュガーハートの仔」ということでまさしく「シュガー君」と呼ばれていたのではないか?
購入した辻子オーナーもそれが気に入ってそのまま馬名にしたのでは??


本馬は「そして、みんなの愛馬になった。」でおなじみ、キタサンブラックの弟。兄同様、そしてドウデュース同様、鞍上は武豊。

本稿を書こうと思い至ったのも何かの縁。
明日はシュガークンの単勝は少額でも必ず買ってみたい。


ということで、
勝手に他人の持ち馬の馬名由来にくだらない妄想を繰り広げただけの本稿を締めたいと思います。読んでくださった方、ありがとうございました。








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