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懐かしい夏は好き

YouTubeを眺めていたら、懐かしい歌が見つかった。

高校のころ、因幡晃をよく聞いていた。
因幡晃というと、若い方々は知らない人が多いかもしれない。フォークソングからニューミュージックへの過渡期にいたような印象がある。
シャンソンが好きで民謡もうまいという、その声が素晴らしかった。

でも、歌は失恋ソングが多くて、くらくかなしい。せつない。
女性目線の詞が多く、その頃全盛だった演歌にも通じる感じだった。
私は演歌が苦手だったので「いや、シャンソン。日本版シャンソンだから」と思うようにして聞いていた。(当時シャンソンがどういうものかも知らなかったですけどね)

高校生だったから聞けたのかも知れない。背伸びして、空想の恋愛物語を想像しながら。もっと大人になっていたら、歌詞にいちいち抵抗感を覚えたかも知れない。

そんな重めの歌のなかに、ちょろっと挟まっていた「夏」。
ほんのエピソード程度の、風が通り過ぎたような、小品。

これがとても好きだったのだが、ついさっき、たまたま眺めたYouTubeで
ダメ元で検索したら、なんと出てきた。YouTubeありがたい!

ゆっくりした曲と何気ない歌詞。始まったと思ったらすぐ終わる。
でもこの中に、昔の夏まっさかりの空気が詰まっていて
再生すると、当時の暑さや蝉の声や赤いタチアオイの花などが
一緒に再生された。

昭和の歌としてはちょっとスマートでおしゃれな動画だけど、イメージが壊れるというほどでもない。

連日の猛暑のなかで思う昭和の夏は

異国情緒さえ漂っているみたいで、優しくて懐かしい。


曲名:夏
アーティスト:因幡晃







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