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勧誘電話に荒ぶる

火曜日のピリカさんの荒ぶりエッセイ。
荒ぶるピリカさんには申し訳ありませぬが、毎週楽しませてもらっています。

今日は火曜日ではないけど、私もいっちょ書いてみた。
なにかと「荒ぶる」ことはあるが、せっかちな私は自分に心当たりがあるので、「いやいや、おまえもな」と自分に戻る。
しかし、この時のにーちゃんはあまりにもあんまりだと思ったのだ。


「電話料金が安くなるプランをご紹介したく」
「電気料金が安くなるプランをご紹介したく」
という電話は、しょっちゅうかかってくる。
私はいろんな手続きや時間調整など、過去の経験を思い出し、相手が「手続きは簡単です」「お客様は何もしなくてよろしいんです(何もしないでいいってことは、ハナクソほじっているうちにすべてが終わっているって意味なの、私としては)」なんて言ってもものともせず、「そういうご用件はすべてお断りしていますので」と、通話を終える。

勧誘の電話には何かきっと技術があって、会話の初期では終わらないような話法を習得しているのかなと思う。
だから反対にこちらは、なるべく初期で終わるように話す。
それに、断る前提なので、あちらの時間を短縮するためにも早く終わらせたくもある。さんざん説明させておいて、「でも結構です」というのは、言う方だっていい気持ではない。

先日、夜の9時近くなってから、電話料金の見直しを勧める電話が来た。
もう片付けもあらかた終わっていて、私も少し気が緩んでいたので、先方の話のキリがいいところまでと思いながら、聞いていた。しかしなかなか早口かつ切れ目がない。
「お客様は、〇〇社と契約をされていますが、〇〇社と、私どもでは、どう違いますか?〇〇社はどういう点で気に入っていらっしゃいますか?」

うーむ。
もう5年くらいは同じ会社だし、契約内容だってちゃんとは理解していないし(すんません)、とにかく「こちらがお安いです」って言われて乗った、それだけだよ。だってどこでも似たり寄ったりじゃん。この会社はここが利点だ、ここが気に入っている、なんて、ハッキリと自覚しながら使ってはいませんよ。
と思っていたので、質問にどう答えていいのかわからず、あーうー言っていたら、突然、無言で切られてしまった。あーうー時間はものの1分とかかっていないはず。
えっ!?と驚き、それから、軽くあしらわれたんだ、とわかった。

「まったくこのおばさん、無知」
「回りくどいことばっかり言って」
「これだから年寄りは」
「そろそろ9時になるな」
「このおばさんで、今日は最後か」
「どうせ断るんだろうし、はい終了!」

という彼の心の声が聞こえるような「無言でプツン」だった。

私はいつもは、勧誘とわかれば断る習慣だし、フリーダイヤルの番号には出ない。これはフリーダイヤルではなかったが、あまりなじみのない数字が並んでいた。
やっぱりやめときゃよかった。ちょっとした心の隙で不快な思いをした。

それにしても、こんな時間まで仕事をしているのか。
一日、勧誘の電話かけているのかな。
この頃こういう電話が来ると、息子や娘に置き換えてしまう。
「大変だなぁ。こんな時間まで」という気持ちが先に来てしまう。
その甘さも災いしたか。


しかしこの彼のばあいは、そんな同情は湧いてこなかった。
声には、気持ちが乗るもんだ。
年寄りを軽く見て、面倒そうに時間ばかり気にしている様子が想像できた。
こんどこそ、ぜったいに、料金プランの勧誘は速攻で断る!
と、心に誓ったのだ。

毎日頑張ってノルマをこなしている皆さん、ごめんなさい。
悪いのはこの無礼なにーちゃんだから!


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