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少しづつ少しづつ

長男が入所して3ヶ月が過ぎ、その間にほぼ週イチで面会に行った。
本人や同室の人の発熱、濃厚接触者が出た、などで面会できない時が3回あった。
初めての面会は、入所後1週間目。
コロナ禍までは、本人の居室まで入れたのが、今は「家族室」という、病棟から少し離れたところにある待機室での面会になっている。
時間は30分に制限されている。

*つい先週末、再々の感染拡大のため、面会の中止が決まった。
しばらくの間、会いに行くことができなくなっている。

その、入所後1回目の面会の時、顔を合わせるとニッと笑った。
私はそれだけで幸せになるが、本人はもしかしたら「家に帰るの?」と思ってのことかもしれない。いつものショートステイの迎えに来たのかと。

それからずっと、いつ面会に行っても、仏頂面だった。
目も合わせてくれない。仕方なく付き合ってくれている感じ。
好きな音楽をスマホのYouTubeで流して、30分が終わっていた。
手を握るのは、受け入れてくれた。

夫は勤めの都合もあり、月1回しか行けない。初めて2人で行ったときも、長男はぶす~~っとしていて、目も合わせず、夫は少し寂しそうだった。
ところが先日、また2人で行ったとき、顔を合わせるや満面の笑み。小鼻をひくひく、腕をパタパタさせて、得意のハイテンションなのだ。
30分の間、ずっと機嫌がよく、夫は狭い部屋の中をぐるぐると車いすを押して、下から見上げてくる長男の笑顔に感激していた。

帰りの車で、きっと長男は何か判断したんだね、という話になった。
両親は今まで自分を守ってくれていた。これからは、ここの職員さんたちが自分を守って世話をしてくれるのだ。
そんな感じに判断したのかなと、勝手ながら、2人納得した。

その少し前に、車イスの修理で立ち合いに行ったときに、私にしきりに笑いかけ、職員さんやPTの先生にも笑いかけ、そわそわした様子だったのも、彼にとっては授業参観日みたいな気持ちだったのかもしれなかった。
彼が僕の先生だよ、この人は仲良しの職員さんだよ、と言うように。

まあ、勝手な想像でしかないけれど。本人が話せたら、まったく違う理由なのかも知れないけれど。

面会の帰りにお互い笑顔で手を振れるのがありがたくて、うれしくて、それからしばらくは安心して過ごす。

前述したように今週から面会は中止になっているが、オンラインでの面会はできるそうなので、さっそく予約しなくちゃ。
知り合いのお子さんは、スマホ画面でお母さんと会った時、なぜそんなところにいるのか、なぜそばに来ないのか、しばらく怒ってしまったそうだ。
でも回数を重ねて、納得できたらしい。

長男も、きっと最初は画面を見ないかも知れない。でも何度も見せていたら、きっとわかる。
面会が再開されるまで長丁場になりそうだし、しつこくオンラインでアプローチしようと思う。

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