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フライングバクゼン!

前回つぶやいたように、長男のこのたびの施設入所の選は、結局もれた。

長男よりも緊急な状況の方が、ずっとショート利用で待機していたとのこと。以前から耳にしてはいたので、その人もご家族も、落ち着くことが出来るかなと、安堵した。

コロナが流行しはじめた昨年3月にも、打診はあった。その時は、感染防止のため面会が一時禁止になっていた。顔も見に行けないし、実家への外泊もできなくなっているとのこと。入所したてでこれでは、本人のストレスも大きいだろうと、そのお話はパスさせてもらったのだった。

1年たって、流行収束の兆しもないまま、感染者数は増えたり減ったり。いつまで待機になるかわからないので、3月の段階で、「いつでもお受けします」と連絡はしていた。

なのに、こないだのように、今回の空きに入所希望しますか?の連絡が来ると、覚悟はしていたにも関わらず、どきどきどきっ!不整脈が出そうだった。「心臓が口から飛び出しそう」という形容がまるきりそのままだった。

「ほかの待機者と調整して、またご連絡します」という返事に、なんとも煮え切らない、どう過ごしていいかわからない半日を過ごした。
さすがに、空きベッドは早く埋めないといけないので、その日の夕方には返事がきて、「今回は残念ですが、見送りということで」と。

ほっとしたし、かすかに落胆もした。

かなり覚悟してしまって、小さい頃の楽しい思い出ばっかり浮かんで来て、時々うるうるしていた。不思議なもんで、あれだけ戦った?相手なのに、笑顔しか思い出さなかった。
ふと気を取り直して「よし、入所したら、まずは整体だ!」「ちゃんと先生から言われたことをやろう。やれる環境になるんだから」なんて意気込んだりした。

反対に、いいのかな、ここで決めていいのかな、今までで一番楽しくすごせているじゃないか、長男も今が一番笑顔になれているじゃないか、突然それを奪っていいのかな。朝出かけて、日中活動をし、また夕方帰宅する。家族の顔を見る。日課らしきものもないゆるい時間枠で過ごす日常。これをうばっていいのかな。

でもどの思いもみんな、入所すると決めてから何年も、自分に確認し続けたことばかりだった。

長男の笑顔が増え、話しかけると受け止めてくれるような表情が出て来て、意思疎通できているような気がしてきて。
そういう嬉しい変化の裏では、自分の老化が進んでいく。あちこち痛い。すぐに疲れる。ひとりじゃ移動させられない。力はすでに長男には勝てなくなった。夜中の吸引やオムツ替え、体位の変換。どれも、ひと様にお願いしたくなっている。

遅かれ早かれ、来るのだ。打診が来たときに夫いわく「もう、断る理由も見つからないしねぇ。」その胸中がわかりすぎる。
ここを乗り越えれば、また違うステージで、長男と笑い合えるとわかっている。これは必要な別れなんだ・・・


と、踏ん張ったところに「今回は見送りということで」。

ふゎ、ふゎ、ふゎ、ふゎ、ふゎゎ~~~~(しぼむ音的な効果音)。

あれま。うん。
でもなんか、息を吹き返したみたいな気がする(笑)
時間が動き出した。

またデコボコやっていく。お声がかかるまで。



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