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ちょっと待って、なぜブラジルじゃなかったのか教えてくださる?

コントの内容に触れてますので配信を視聴してみてからどうぞ↓
※7/6(土)12:00まで販売中とのこと。


前置キ

男性ブランコ単独公演『駐車場』

シンプルななかにも近未来感漂う彼等の近影に、フォントの丸みと背景の淡くカラフルな色合いが目を惹く今回のキービジュアル。

そんな素敵ビジュアルを差し置いて、

「どえらいほどシンプルなタイトルになったな…」

というのが第一印象だった。

・またとない学校
・ねてもさめても宇宙人
・栗鼠のセンチメンタル
・ユニヴァーサル味噌汁
・視界がパープル
・てんどん記
・嗚呼、けろけろ
(干支シリーズまで書くとキリが無いので割愛)


こんな感じで2020年後半から彼等のコントライブを見てきた中で、一目見てから「…え?」と二度見してしまうようなタイトルをちょいちょい目にしてきたせいだと思うことにする。
そのせいもあってか、僅かながらさみしさを覚えた事も事実としてあるので記しておく(否定をしているわけでは全くない)

ただ、今回は東京(池袋/上野)・京都・福岡と公演規模が拡大した(前回は横浜と京都のみ)…ツアーだ。
規模拡大の事実を改めて見返し、前述したさみしさを吹き飛ばす。人生でこれほど嬉しいことはないくらいの喜びだった。『嗚呼、けろけろ』配信終了後に公開された公式アカウントによる速報ツイートの画像を見返すと…なるほど、車道に書かれた文字のような趣がある。

4ヶ所となると『何処で観るか』問題が発生する。基本的に遠征を積極的にするタイプではないのだが、今回は福岡で観劇することにした。関東に住んでおいてなんだが、開催場所が分かった瞬間、観に行く場所はもう一択だった。

生まれも育ちも北九州にある山の麓、博多や天神は専門学校時代を過ごした街であり、関東に移り住むまでの間、家族や友人と買い物などに出掛けることもあった20有余年。福岡という場所は自分にとって、今でも年に一度は足を運ぶ馴染み深い場所だ。

大きな括りで書いてしまっている自覚は大いにあるが、自分が生まれ育った故郷で彼等の単独が観られることは本当に嬉しい。


梅ヶ枝餅食べて帰って欲しい(黙らっしゃ)
…戯言はこの辺にして。

そんな訳で今回は帰省も兼ねている。
そしてもうひとつ。彼等を知ってから、実家の母親に彼等の存在を知ってもらい、彼等のコントを観てもらいたいという想いがずっとあった。
誰かに自分の好きなものを薦める事はあまりしない方なのだが、彼等は別だと思っていた為、まずは身内から…と、ずっと薦め続けていた。


普通に2年かかった。

それが功を奏してか、誘ってみると「観てみたい」と返事が返ってきた事もあり、今回それが叶う形となる。

(…いつも母の推し活に付き合ってる分、たまには違うお水も飲んでみてはどうよという考えはなきにしもあらず)

実はプレイガイドを確認し、チケットにまだ余裕があると判ったので、チケットを取り実家に帰る前に夜の公演を観劇した。
こ〜れは2公演チケットをとって正解だったかもしれない。語弊を恐れずに書くと、もう1度観たいという気持ちが終演直後に湧いてきたのも初めてかもしれない。
今までも終演後は「今回の単独も最高だ…!」と高揚し、その後はひとつひとつの場面を思い返しながらじっくり咀嚼していたのだが、今回はもう一度観たい・また観たいが何度となく訪れる単独だなと感じた。

とにかく本当に楽しかったのだ。
彼等の単独では時に涙が溢れてしまう事も過去にあったりする。極めつけは直近の世界情勢やら内政やらに辟易していた自分にとって、こんなに心から笑い楽しんだ単独は久しぶりだったからなのかもしれない。
あとは個人的に浦井さんのボケ役のコントが好きなこともあって、そんなコントが多かった印象もあったのかもしれない。
そんな色々もあるのかもしれないが、とにかく今回の単独は『楽しい』という気持ちが一番だった。

終演後、すぐさま母親に今からそちらへ帰りますの報告とともに「明日、楽しみにしてて」と伝えた。


会場入

翌日。
数年ぶりに会場近辺を散策してから西鉄ホールへ。開演までに注意事項だけは口酸っぱく伝え、劇場に入った後は(互いにマイペースな故に)、各々の時間を開演まで過ごす。

舞台を眺める。

舞台全景

直線と曲線と円で構成された、今にもコトコトと走り出しそうな「カタチタチ」。ひとつひとつのカタチに愛らしさの様な、くすぐられるものを感じるのは、丸みを帯びたその佇まいから来るものだろうか。

こういう展示ありそう
影さえもアート

前日、開演までの間に購入したパンフレットをパラパラと捲りながら、舞台上にある形は同じものだとふと気づく(基本なんも考えてないが故の今更感)

客席が埋まり、ざわめきのボリュームが増した事に気づいた時には、もう開演直前だった。ワクワクが始まる。


ほんのりと、うっすらと青く照された照明の中、上下の舞台袖から登場した彼等自身が、待機していたカタチタチをセンターにある駐車場のスペースへと誘う。
そこが今回のアクトスペースだ。カタチタチは椅子やランドマーク、はたまた作品にも…といった具合で姿を変えていくようだ。

パンフレットから察するに、使うカタチの種類は5種類。あれ?待てよ?いつも6本くらいコントやるから今回も6本だとしたら、最後とかどうなるんだ?といらんことを考えていたら、明転。

*****

風邪をひき、病院に行った時に起こった出来事を話す川上と、話を聞く友人・坂口のやりとりに思わずフフッと笑ってしまう【医者話】
彼等のコントに登場するキャラクター達には、その中で出てこずとも、ちゃんと名前がある所が毎度好きだったりする。その世界の中で同じように命があり生きているからなのだろうとも思う。
だから、今でもどこかでこういう風に会話してるんだろうなと思える。

川上から症状を聞く度に出る医者の「ちょっと待って」に、川上は面倒臭そうなお医者さんに当たってしまったのだなとわかる。
心臓に聴診器を当てた直後に「静か なんで?」は一度経験があるやつだなあと思いながらも笑う。実際、血管の付近に聴診器を当てると「ここはボイラー室か」と錯覚してしまうくらいのとんでもない音がする。

閑話休題。

暗転とともにカタチの周りを周回する…あれだけシンプルな動作で、回想から現実への場面転換をした事がわかる辺りがとても好きだ。
途中から回想がなくなるも、その話を「盛っていない」と川上は言い切る。
回想が無い部分に至っては「泥棒のはじまり?」と坂口が全く信じられてないのもそれはそうだよねと思うし、坂口同様に「盛った?」とこちらも虚言を疑わざるを得ない。けど戻りすぎないであげて坂口。

川上の話を聞いて、

「人って体内の血が無くなると一旦木綿みたいになるんやなあ〜」

…とはならんもんな…。
あとなんでカナダだったんだろう。

*****

毎度書いてる気がするが、今回の単独も映像と音楽が本当に好きだった。映画の劇盤よろしく、毎度サントラを作ってくれまいかと思ってしまう。
前回の『やってみたいことがあるのだけれど』では映像は無かったので(あれはあれで好きだった)、タイミングが合わず、なかなか会えなかった恋人に会えた時くらいの嬉しさも湧く(※イメージです)

幕間で流れる河内さんが手掛けたシュールな映像と、田中馨さんの音楽が妙にマッチしていてすごくクセになる(ドラムの音がすごく好きかもしれない)

公演が進んでいくにつれ、映像に登場する人物の年齢が若返っていき、最終的には動くカタチタチ(曰く『カタチくん』との事)だけになっていたのが不思議だった。
タクシー運転手は電話をかけ、高校生はスマホで写真を撮り、子どもは無邪気にカタチくんを追いかける。最終的にはカタチくんだけとなり、『そして誰もいなくなった』状態になった。
映像に関して、平井さんはインスタライブで「特に意図はない」と話していたが、実際のところ何か意図があったのかもしれないと掘り下げたくなってしまう、良くない。

あと、映像の最後に流れる駐車場の平面ジオラマに置かれるアイテムは、次のコントのキーワードだったり、キーアイテムか何かだろうと推察する。
その辺りはコントのタイトルとともに添えておこうと思う(【医者話】は注射器だと思われる)

*****

昔馴染みであろう農夫・五郎兵衛と領主・御察丸(いずれも漢字は推測)の交流を描いた【心中察】…心臓
振り返る浦井さんを見て、「おぉ、裸眼だ…」となる。時代設定の関係だろうとは思っていたけど、このコント中の浦井さんはコンタクトをしていなかったそうで、それを感じさせない自然な流れでコントの準備をしていたなあと、観た記憶の中で振り返る。

五郎兵衛のお米づくりに対する話を聞いて、そんなニュアンスひとつも込められてなかったのに心中察して「もう辞めたいと」はあまりに深読みすぎて笑ってしまうけれど、五郎兵衛の圧に危険を感じて田んぼを護ったりしたのを見るに、普段から領民のこと気にかけている領主なのだろうと想像する。
お察ししすぎて年貢を取り過ぎないあまり、着物もつぎはぎなのだけれど、着物の色合いがとても素敵で、そのつぎはぎ具合はちょっとお洒落に見えた。

剣術の稽古を、と徐に木の棒を渡す五郎兵衛。自分は短い棒を手にしたのは心の余裕か、はたまたやさしさか。動的な圧を放つ五郎兵衛に対し、御察丸は明鏡止水。
ここで明鏡止水の意味を改めて。

めいきょう-しすい【明鏡止水】

・邪念がなく、澄み切って落ち着いた心の形容。
・「明鏡」は一点の曇りもない鏡のこと、「止水」は止まって、静かにたたえている水のこと。
・「鏡」は「けい」とも読む。

『三省堂 新明解四字熟語辞典』より

落ち着いてるという意味では五郎兵衛も同じような気がして、その辺りは指南役だっただけあるなと思う…変な二つ名つけられてるの笑う。
ラストで御察丸が五郎兵衛の心中お察ししなかったの、五郎兵衛さんとともに心から旅をしたいという気持ちが溢れちゃったからなのだろうか。

*****

個人的にとても好きだった【待時間…懐中時計
浦井さんがやる変なキャラクターがものすごく好きだが、途中から話し方にアンドロイドの様な空気を感じていると、本当に彼は未来から来たお掃除ロボットだった。今まで観てきた中で自分の嗅覚が少し研ぎ澄まされてきたのかもしれないと自惚れかける(なに言ってるんです?)

「言っちまいました」とか「やらせてもらってます」といった言い回しに人間臭さは感じるものの、唐突の「しんみりしちゃいましたね」だったり、「はい」と言われたら「はい」を延々と返す辺りはロボットだなあと振り返る。

流石にモップ5本忘れて咽び泣いてたら覚えちゃうかもしれないし(未来ではロボットも泣くらしい)、お掃除に特化したロボットであるならば、それこそ『モップ男』と呼ばれるのは冥利に尽きるのかもしれない。
あとは風情さえ備えたら完璧。
ロボットにも好きな映画がある未来、すごくいいなと思った。あるアニメで男性が連れ添ったアンドロイドが最後に過去に観た映画のセリフを引用して「愛していた」と伝えていた話をふと思い出した。

「AIは阿呆に成長したのかも」
「それは人間も同じ」

最近、普通にそれを感じることが多々ある。
自分も含めて、人間は阿呆だと思う。

なので、途中お掃除ロボットが彼に「人間って何がいいんですか?」と問いかけてきたことが今も残っている。

こっちが聞きたいくらいだ。

*****

そんな【待時間】を経た上で人間の阿呆さ加減を目にし、ただただ笑わせてもらった【物物語…本
阿呆だ笑
その品が持つ物語の価値で買い取り額を決める店主(足めっっっっっちゃ遅…)と、お金に困っている為、持参した品々の査定を依頼する男のコント。
ウィッグを使わずとも、ああいう髪型の女性は居ると思うので、平井さんのあの髪型はやはり強みだなあと思う。

なぜサングラスだったんだろうなとふと考えて、店主は視力が(全く見えないわけではないけど)良い方ではないのかなと一瞬だけ思った。だから一般的なイメージの質屋や鑑定士のように、品そのものを見て目利きするのではなく、その物が持つ物語を聞いて目利きをしているのかなと感じた。ただ、瓶のことは瓶と判別できていたので、前述したように全く見えていないわけではないのだろう。

店主が登場する場面、割とすぐに目に入ってしまう位置だったので、ちゃんと出てくるまでは…と思ったが、堪えきれず笑ってしまった。アレずるすぎ。
男も男で、浦井さんの強みが効いていた。
真面目で勤勉そうなあの佇まいしておいて借りパク・万引き・ノンデリカシー・多重債務者というフルコースレベルのどクズっぷりを自覚あり且つ悪びれもせずサラッとぶっちゃけていて、人間的にめちゃくちゃ最低なのだけれど、話す物語とのギャップが大きすぎて笑わずにはいられない。
せっかく買い取ってもらえそうだったのに、買い取れない決め手を露呈してしまう辺り、そこは馬鹿正直なのねと思ってしまう。

あと座右の銘が嫌すぎる。

ノンデリな空気の時の「サラダめっちゃ食うじゃん…サラダめっちゃ食うじゃん…なんでぇ?」の言い方、腹立つけどめちゃ好きすぎて最高だった。
あとこのコントを観て久しぶりにこれが聴きたくなった…懐かしすぎるって…と思ってたら、コレ28年前だってさ。

そういえば、店主がかけていたサングラス、昨年の沖縄旅行の際に平井さん御本人がかけていた物だったのでは…と思っていたが、正にそのサングラスであると、ツアー終了直後のインスタライブで平井さんが言及されていた。

やっぱりそうかと笑ってしまった。

*****

額装職人・秦野と美大生・大隈との心の交流を感じさせるコント、【額装雨(がくそう-う)】…額装された絵画
素敵なコントだった。
秦野はもしかすると、マライア・キャリーよりも高い音域を出そうと思えば出せるのではないかと思う。
なぜ大隈は水彩で描いた絵を大雨の日に持参してしまったのだろう(雨で絵が滲んでいたのを見るに水彩画と推測)、少し急いでそうな空気を見て、秦野が片思いしていた相手であり、大隈の母親である節子のことが気になった。お誕生日プレゼントとかだったらいいのだけれど。
アクリル画や油彩画を選択していたら、秦野の前で絵を描くことなどなく、そこで別の話が展開していたかもしれない。秦野との心の交流が生まれたきっかけとなったと思うと、そういう運命というか、巡り合わせというか、そんなことを考えてしまう。

コント終盤、大隈と秦野がそれぞれに額越しに眺め「いい絵だ」と呟く場面がある。大隈の方はあったのかすらも把握できなかったのだが、自分が観ていた場所からは照明で額と秦野の姿が床に映し出されていた。それも含めてなんだか美しさを感じるコントだったように思う。この姿を大隈は見ていたんだろうなと思いながら注視していたら、秦野…アンタ…。

彼は案外スナフキンタイプなのかもしれない。
このコントの終わり方、「えっ終わった!?」と暗転の中で少しびっくりしたけれど、このあと大隈に温かいお茶をもてなしてくれているといいんだけどな…なんて思ってしまうような余白があって好きだった。

*****

少しサスペンスな空気が漂う【地域祭】…土
カタチタチの出番はなかったけれど、舞台上にはスコップがひとつ…サスライトが照らされた舞台で男がひとり語りだす。
男の語りを聞き、今話しているこの男は【医者話】の川上だと確信する。

コントとは思えない不穏なBGMも相まって、実際はそうじゃないのに吉田の「何をやったか知りませんが」が含み持ちすぎてこわい。
このコントを観て、【医者話】の中で川上が話していた“俺血パーティー”は、あながち虚言とも言い切れないのかもしれないとちょっと思う。現実で起こるには考えにくいとはいえ、あくまで彼の中では事実として体験している事柄なのかもしれない。
現実と仮想現実の境界がなくなることはゼロではないと思っている。実際、そういった事象を題材にして描いた映画も存在している。

虚構と現実で発せられる吉田のセリフのトーンと抑揚の微妙な変化は、緊張感があってとても好きだった。
そもそも川上があの村へ行く事になった実際のきっかけって何だったのだろうか。吉田は「罪を犯した者が来る」と言っていたが、そこは川上から見た虚構の中での言葉なんだろうか、それともそれが現実の言葉なのだろうか…ああ、もうわからなくなってきた。

そしてあれだけの光景を見ていたにもかかわらず、最後はやっぱり「なんでカナダなんだよ笑」に着地する。

憧れの場所か何かなの?

*****

カタチタチ、センターに大集合。
どういうことだ?と思いながら舞台を眺めていたエピローグの【祭ノ跡】…話は【地域祭】の続きから。聞き役はやっぱり坂口。
…あの仕掛けにはまいった。
こういう事をやってくれるから、彼等の単独は毎度観たくなる。初めて見るおもちゃを手にした時のようなワクワク感や感動をくれるのは相変わらずだ。

坂口に問い詰められ、結局川上は話を「盛った」と白状していたけれど、【地域祭】を観た後はその言葉の方が嘘なのではと自分はちょっと思ってしまう。
結局は川上本人とこれを書いた平井さんにしかわからないことではあるけれども。

吉田の話だと、ひとつ目もぐら様と崇められていたことを踏まえた上で、なんとなく実際に存在するもぐらについて少し調べてみたが、日本では忌み嫌われているような印象を受けた。ひとつ目もぐら様はちょっと特殊な存在なのだろう。

モグラ【もぐら】

鼹鼠とも記される。
地中のミミズ,ケラなどを捕食し,圃場(ほじよう)の土を浮き上がらせて作物の根を傷め,また水田のあぜに穴をあけて漏水させるなど,農民は昔からこの害に苦しんできた。
このため収穫の終りに土を打ってモグラをおどし,遠く去らせる呪法が広く行われてきた。

コトバンクより

ちなみに西洋では盲目の象徴なのだそうだ。

イソップ物語にも、自分は目が見えるとほらを吹く子モグラの話があり,できもせぬことを申し出ておいてやがてぼろを出す人のたとえになっている。

コトバンクより

え?あの男のこと言ってる?


終演後

帰宅してから聞いて分かったのだが、母(齢77)は今までコントというものに対し、あまり良い印象を抱いていなかったらしい。
ただ、終演直後に「どうだった?」と聞いてみたら吃ることなく濁りのない「おもしろかった」が返ってきたので安心した。
それに加えて「格好良かったよ」とも言っていた。
彼等が単独でコントをやっている姿が一番格好良いと思っているので、その言葉を聞けた時は嬉しかった。誘ってみて良かった。

個人的にはこれからも福岡の地で、彼等の単独が観られるなら嬉しく思う。

そんな格好良い彼等の単独を、もっと沢山の人が観られる日が訪れることを、これからも願ってやまない。


観劇翌日。
母親の買い物に付き添い、近所にあるショッピングモールを訪れた。

モールを奥に、目の前には駐車場が広がっている。
彼等のツアーはまだ終わってないけれど、既に自分の心の内では後夜祭の様な宴が始まっていた。

「あー、アレあるやん!あれ!あの形の車止め!」
「どこね?…あ〜ほんとやねぇ」

カタチタチの中に居た【心中察】の中で使われていたあのカタチに似た車止めを見つけたり、会場にあったような標識を見つけたりと、なんて事の無かった風景にはしゃぐ。

駐車場を観察す
(写真はあのカタチではないが)

一つ目もぐら様はそこにはいなかったけれど、彼等がアクトスペースでコントをしているかの如く、駐車場の隅で野良猫3匹とカラスが1羽、のんびりとした時間を過ごしていた。

「また単独で福岡来てくれるってなったらさぁ、観に行きたい?」
「そうね、行きたいね」
「じゃあそん時はこっちのチケット取るわ」

そんな話をする帰り道。

買い物から帰り、改めてパンフレットを捲る。

カバーが付いてる…!となったパンフレット

浦井さんのコラムをはじめ、河内さんに大澤さんのマンガ、岡田悠さんの寄稿(しれっと男ブラさん(?)出てて笑った)、楽しみにしていたかまぼこさんとの鼎談などなど盛りだくさんで、ゆっくりじっくりと噛み締めながら読みたいなと思い、コレを書いている今もまだ読了できていない。

159ページ(と言っていいのか分からないけれど)にあったクレジットを眺めながら、「あ〜本当に男性ブランコが単独のために福岡来てくれたんだなあ…」とちょっと泣きそうになった。

パンフレットに記された西鉄ホールの5文字
嬉しいものはやっぱり嬉しい

脱線話

単独の感想はここまでにして。
ここからはだいぶ脱線した話をしてしまうので、これ以降は読んでいただかなくても問題ない。酔狂な方だけが目を通していただくだけで十分な話をする。

①久しぶりの帰省だったので、足を運んだことがなかったお店でごはんを食べることにした。
会場近くに新天町という昔ながらのアーケードがある。その中でこんなお店を見つけた。

洋食屋だと思うじゃん?

釜めしをメインに取り扱っている老舗らしい(昭和29年創業)
「この佇まいで?」と目を疑ったが、いざ入って食べてみた釜めしはとても美味しかった。

鮭釜めしランチ美味しゅうございました

また単独に足を運ぶ際は別の釜めしを食べたりしてみたい。

②川上が土を掘り起こした結果、行き着いた先が「何故カナダだったのだろうか」と、観劇後ずっと考えている。

この記事のタイトルにもしれっと書いたのだが、「ブラジルの人、聞こえますか」といったギャグも存在するように、日本の裏側はブラジルというイメージだったりする。
一応ネットで確認してみたが、実際のところ日本の裏側は何処なのかを調べると、ブラジル近郊の海に辿り着くらしい。

「ほんまかいな」とだいぶ気になり始めてしまったので、対蹠地(たいせきち・たいしょち)…即ち地球の裏側を調べることができるらしい『Antipodes MAP』というものが存在するので、早速確認することにした(全て英語表記だったので翻訳したものを載せる)
ただ、結果としては「ものすごく分かりにくいな」となったので、結果で出てきた緯度と経度をコピペし、某地図アプリで特定することにした。

先ずは日本から見た対蹠地。

(画像上にいる人はデフォです)

この画像上のピンが一応どの辺りを指しているのかと座標をコピペして確認してみたところ、ちょうど東京駅周辺らしい。

マップで見た座標

この裏側を『Antipodes MAP』で見るとこうなる。

海すぎてわからんし誰なんだキミは

流石に分からないがすぎるので、座標をコピペし某地図アプリに尋ねてみると、この辺りだと返ってきた。

日本(東京駅周辺)の対蹠地


言ってしまえば、今の時代検索エンジンから普通に[日本の裏側]で検索するとすんなりと出てくるのだが、自分の目で確かめられるのなら確認したいと思ってしまう人間なのでご容赦願いたい。
結果、場所的には“ウルグアイから東に約1000キロメートル離れた大西洋の上”らしいので、そこに関しては大まかな視点で見ればあながち間違いではないようだ(縮小したらブラジル見えるし)

因みにカナダの対蹠地を調べてみたらカザフスタンが出てきた。

カナダ(バンクーバー)の対蹠地


…川上はどういう掘り方をしたんだよ…。
そして感想もそこそこに、わたしはなにをやっているのだろうかと改めて思う。

それで単独の話に戻るが、今回の単独タイトル『駐車場』をはじめ、エピローグの【祭ノ跡】も含め、コントのタイトルが全て3文字で完結していた……え、安直に3文字だったから…?まさかそんな。

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