【マネーの羅針盤】コロナ不況でローンの支払いが厳しい・・・と相談して受けた提案、本当に大丈夫?
こんにちは、お金の面からライフプランの実現をサポートするブロードマインド(以下BM)広報 冨永です。
これから【 #マネーの羅針盤 】と称し、マネー知識やテクニック的なことはもちろん、その背景や仕組み、前提となる本質的な考え方など自分の身を守るために知っておくべき視点も合わせて情報発信してまいります。
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まず第一弾は、住宅ローンの負担軽減術についてです。
最近ニュースでも取り上げられていましたが、新型コロナウィルス感染症の影響が長期化する中、計画通りにローンの返済ができずに返済方法を変更するケースや、ローンの支払い自体を滞らせてしまったことで多額の遅延損害金が発生し、自宅の売却を迫られるケースが相次いでいるようです。
実際に当社のお客様からも、
「ローンの支払いが厳しいが、今売却しても残りのローン返済に充てたらほとんど残らない。その先の教育費はどうしよう・・・。」
「ローンの返済をするために、今やっている金融商品や保険を解約するしかないかな・・・。」
と様々なローンにまつわる相談が寄せられています。
子供の成長や教育環境を考えて、将来残してあげる住まいとして、老後の生活を送る場所として・・・住宅を購入された際に様々な想いを込めて選ばれた住まいを簡単に手放すことは出来ないと思いますが、とは言え何かに折り合いを付けなければ家計がやり繰りできない。金融機関に相談して新たな提案も受けたけど、この方法で本当に良いのかな、と悩む方に知っておいていただきたい住宅ローンの負担軽減術です。
①住宅ローンの借り換え
返済する元本に変化はありませんが、低金利のローンに借り換えることで利息分の支払いを少なくすることができます。現在の住宅ローンは低金利が続いており、低い金利の住宅ローンを探すことは難しくありません。
本来であればコロナの影響に関わらず、借り換え効果が出るのであれば検討した方が良いのですが、日々忙しく過ごされていると後回しにしがちですよね。「家計が少し心配になってきたな」「今後を考えると支出を減らさないといけなくなりそうだな」という方は、これを機に重い腰を上げ確認してください。
▶参考
例えば金利が2%から1%になる(3,000万円借り、残債約2,000万円、返済期間残り20年の場合)だけでも、月々支払う利息は9,000円程度減り、1年で約10万円、20年で200万円の差になります。借り換えには手数料などがかかりますが、それらを差し引いたとしても、150万円以上のメリットです。
住み慣れた家を売却する方法は、残ローンの返済や引っ越し費用などを考えたらほぼ残らないことも多いので、本質的な家計改善のひとつになります。
特に金利が高めの固定金利の方や残りの返済期間が長い方は、よりこのメリットを享受できますので、一度相談し試算してみることを強くオススメします!
②返済額減額
一定期間の返済額減額は返済完了予定日を先送りにし、一定期間月々の返済額を小さくする方法です。
[以下図参照]例えば毎月の返済額が10万円(利息約3万円、元本約7万円)で支払いが難しく、半額の5万円であれば支払えるという状況だとします。そのことを金融機関に申し出ることで、一定期間、月々の支払額を5万円(利息約2万円、元本約3万円)まで減少させられる可能性があります。
※ 落とし穴 ※
しかし、これはあくまで “負担の先送り”です。月々の支払いが減るため当然返済期間は延長されますし、返済期間が長期化するということは、その期間分の利息の支払いも増えてしまいます。
この方法については「予定返済期間までに、繰り上げ返済ができる目途が立つ」方(例えば、今は厳しいが3年後に退職金などでまとまったお金が入ってくる予定があり、減額した分の支払いができる等)であれば、一時的な応急処置として有効かと思います。
③元本据え置き【即効性○/長期✖】
一定期間の元本据え置きは、一定期間元本の支払いが停止し、利息だけを支払っていくという方法にです。
[以下図参照]例えば毎月3万円の利息、7万円の元本を支払っていたとしたら、元本部分の7万円がなくなり、月々3万円の支払いのみになるということです。月々の支払額を大幅に減らすことができるため、生活がひっ迫している方にとっては大きな助けになります。
※ 落とし穴 ※
但し、この場合はいくら支払いを続けても元本は1円も減っていません。
また、一定の据え置き期間が終わると、据え置きをする前よりも月々の返済額が増えます。一定期間の元本据え置きは急を要する場合のしのぎ策とし、②と同様返済目途がある方以外は避け、据え置き期間もできるだけ短く(目安:半年から1年程度には)留めておくようにしてください。
③絶対NG│返済の延滞
絶対に避けなければいけないのは、ローンの支払いを延滞することです。
住宅ローンの支払いが難しくなった方は、先ずすぐに借り入れしている金融機関に相談するようにしてください。
相談をしないまま延滞すると、どのような事情であれ住宅が競売にかけられてしまう可能性があります。
ローンの支払いの延滞は信用に直接かかわるものなので、仮にたった1回の延滞であっても、延滞したことは金融機関の信用情報に掲載されます。そして向こう5年の間、その情報は消されません。延滞した事実は、リフォームローンやショッピングローンなど、さまざまなローン契約の審査に影響を及ぼします。
現在、新型コロナウイルスの影響で収入が減少した人からの相談が相次ぎ、金融機関は相談窓口を拡大し対応しています。また、金融庁も住宅ローンの条件変更などについて臨機応変に対応するよう金融機関に要請していますので、迷わずに相談するようにしてください。
④冷静に!大切なことは【長期視点と広い視野】
②や③のような一時的な軽減方法はあるものの、その後の「返済目途」が立っていない限りは避けた方が良いでしょう。(BMでも実際のご面談でご提案することはほとんどありません)
また、最終手段として住居を売り払うことを考える方も多いのですが、実はこれも本質的な対処になっていないことがあります。
よくあるケースですが、
「売却しても思ったより資産価値が出ず、残りのローンの支払いをしたらほぼ手元にお金が残らず。引っ越しをしたらむしろマイナスになり、賃貸での支払い額が住宅ローンの支払い額と変わらなかったので、結局苦しい状況が変わらない・・・」
ということにもなりかねません。
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本当に大切なことは「ローンを軽減した“あと”」「売却した“あと”」の資金繰りや生活がどうなるのか【長期的な視点】で考えること。
あとの対処ができなければ、住宅ローン以外の手段にも目を向け、根本的な支出の見直しや収入を手助けする方法を探す【広い視野】をもつこと。
この方法が圧倒的に堅実です。
家計がひっ迫しているときは、冷静な判断が難しいと思いますが、一度落ち着いて今だけに捉われ過ぎずにご判断ください ***
今日のマネーの羅針盤では、コロナ禍ということもあり応急処置的な方法もお伝えさせていただきましたが、人生100年時代、生活費・教育費・老後資金と他にも多くのお金がかかります。
ご家族の大切なおうちを守るために、状況に応じて応急処置も取り入れつつ、その後の長期的なライフプランも合わせて練り直して、本質的な対策を講じるようにしてください。
※ブロードマインドについて
当社では、長期的な人生設計(=ライフプラン)をもとにしたコンサルティングサービスを行っており、現在オンラインでの面談も承っています。
[詳細]https://www.b-minded.com/online_lp.php
このような環境でご心配なことも多いと思いますので、「何からやったら良いか分からない」「今の状況で問題ないのか心配」というご相談でも構いません。ご不安な点、ご希望などFPがひとつずつお伺いさせていただきます。
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広報担当:冨永 冴季
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