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勝手にディスクレビュー MEIAN EP「遠ざかる」


“Shara Tokyo vol.3” MEIAN Release Live


来週9/23(土)に迫ってる高円寺のDom Studioにてsikの企画で岩手から呼んでいるMEIANの新譜EP「遠ざかる」に勝手にレビューしようと思い書いています。
1人で書いても広がりに欠けるので、その日にも出演してもらってるI have a hurtのvo,gtの蜷川さんと対談形式でレビューしてます。2年位前にaoniとThis time〜のライブの時に会場で蜷川さんとMEIANの話をしたのもあって今回誘いました。

またこのライブがMEIANの東京のレコ発になるのでこれを読んで気になったらCD買ったり、ライブに来てくれたり、興味を持ってくれたら嬉しいです。
その為に書いています。

予約はなしで大丈夫です。

Time Table

D room
19:15 Open

19:30 I have a hurt

20:30 sik

21:10 MEIAN

Rooftop(Charge Free)
22:00 missanacht


MEIAN EP「遠ざかる」 ディスクレビュー

Intro


高澤(sik,Burn Myself Records)
それでは蜷川さん、本日よろしくお願いします!

蜷川(I have a hurt)
あいよ。

高澤
まずMEIAN(岩手)はどうやって知ったんですか?

蜷川
確かディストロのツイートで「4songs」を知ったかな。そこから数年経った後、Twitterでライブ動画が流れてきて、ずっと気になっていた。今回の新譜「遠ざかる」を3LAとか色々な所が扱い始めた時に聴いて、やっぱ良いよなと。

高澤
自分もそうですね。そう考えるとTwitter(現X)ってきっかけになりますね。蜷川さん結構ローカルなバンドも追ってますよね?

蜷川
Twitterで流れてくる知らないバンドも、わりとスルーしないでチェックしてるっす。

高澤
この前の3LA主催(HAERERE+hersideのSPLITリリースライブ)のナイスパ行ってたんすよね。自分も合間縫って少しだけいきました。どうでした?

蜷川
イベントは全体的に良かったし楽しかった。久しぶりに伊藤さん(killie)の叫び観れたのは嬉しかったな。

高澤
楽しかったですね!あと、こんなに沢山人入ってるんだってのも含めて。自分はGensenkanしか観れなかったんですが、九州のバンドは激情系というかハードなポストハードコアというか。アップされた動画観ましたけど凄い格好良かったすね。

蜷川
HAERERE、herside、2つとも良かったなぁ。激情直系って感じじゃないけど、どちらも良かった。あとGensenkanはライブがめちゃくちゃ良くてグッときた。あれは激情オタはライブ見た方が良い。cofunとか好きそう。

高澤
蜷川さんはローカルのバンドが東京に来るライブ結構行ってますよね?

蜷川
最近は腰が重くてライブハウス行く回数が減ってるけど、地方のバンドが来ると背中押されて観に行きたくなるでしょ。

高澤
地方でそういう激情/ポストハードコアとかのバンドはなかなか減ってきてるっすよね。

蜷川
ちなみにMEIANって東京に来たことあるのかな?

高澤
過去のライブ遡っても東京出てこないんですよね。

蜷川
MEIANのTumblerを昨日見たんだけど、2012年から活動してたんだね。メンバーチェンジがあって2017年に休止してたみたいだけど、再開してくれて音源も出して、今回共演出できるの本当嬉しいす。

高澤
最近俺がzineとかnoteに書いてるんですけど、そもそもの人口が少ない場所で音楽を続ける難しさがこれですよね。メンバーチェンジにしても東京みたい簡単に次が見つかんないとか。それに地方でバンドやり続けるメンタリティーを共有しながらやるのって本当に難しいと思うんすよね・・・。ちょっと脱線しちゃいましたけど、本題で 「遠ざかる」EP どうでした?

欧州激情

高澤
自分から語ると、静岡から町田に来て今は車で動く事が増えてて、CDで同じ時期に出たTHA BLUE HERBのBossのソロとMEIANとcold winterを繰り返し車内で聴いてましたね。個人的に東京戻ってきてまた色々立て直すぞ!って心境を聴くと思い出させてくれました(笑)。

自分はハードコアな激情リスナーではないですが、直球にかっこいいなって思いましたし。よく語られる欧州激情?俺はその欧州激情が最近まで分かってなかったんすけど、何かその国ごとでざっくり分けてしまうのもあれですけど、何かアメリカの激情系はバンドにもよりますけど、モノクロで暴力的で勢いで突き進んでく感じのイメージがあるんですが、ヨーロッパのバンドはコードがちょっとカラフルだったり進行が湿っぽかったり。ギターのリードフレーズがちょっと日本の2000年代下北沢ギターロックっぽかったり、アルペジオもそうだし。あとそこって意外に誰も語ってなくないすか?何か自然発生的に近いっていうだけだと思うんですけど、影響とかじゃなくて。

蜷川
例えばだけど、suis la luneって日本人が受け入れやすそうなコード感があって、それがヨーロッパのバンドにも近い感触を受ける印象があるね。

高澤
結構ギターがエフェクティブだったり。そういうの感じつつ、何かやっぱ。そのさっき言ったヨーロッパの激情系と2000年代のジャパニーズギターロック/オルタナって誰も言わないけど少し似てるなって個人的には思っていて。オルタナぽかったり、下北ギターロックっぽい瞬間結構ない?って思ったり。

あと、改めてI have a hurt最近聴いていて、激情っぽさとオルタナギターロックの感じと、MEIANはギターロック関係ないと思いますが、ちょっとやっぱそのヨーロッパの激情っぽさプラス日本の感じがあるからオルタナ/ギターロックぽく聴こえる瞬間もあったり、出発地点やアプローチは違うけど結構近いなぁって勝手に思ってて、良い組み合わせじゃんって思ってます。可能であればsikとcold winter、I have a hurtとMEIANで結構近からず遠からずだと思ってて、最後missanachntで締めてみたいな形でライブやるのが理想だったんですよね。勝手に語りましたが蜷川さんどうすか?

蜷川
MEIANのユーロ感と国内っぽさの印象は俺も同じく感じてた。アレンジの展開やアンサンブルが、なんでこうなってるんだろうってのを本人達に聞いてみたい。あと、今回このインタビューの話もらってから悩んだんだけど、それは自分の知識の薄さは勿論なんだけど、MEIANのレビューって、難しいなと思いました。

高澤
(笑)

蜷川
レーベルのInfoが熱いコメントを長文で書いてるから十分それで伝わってくるんだけどね。ただ、何かこう、細かくジャンル分けする必要ないんだけど、海外や日本にもあんまいない感じっていうか、サウンドやコードの質感は色々あるんだけど、めっちゃこれっぽいっていう感じがすぐには思い当たらず。真っ先に思ったのはDaitroだけど、そうじゃない部分も多いのでね。

なので今回MEIANを取り扱ってるディストロがどんなこと書いてるのか気になって見てみたんだけど、ほとんどのディストロがDaitro、suis la lune、sed non satiataを挙げていた。有名なバンドなので、お客さんにとって分かりやすいから正解だし俺もそう書くと思う。しかしながら、もうちょいマニアックな激情とかも書いてあったら、ファンはチェックするし嬉しいかなって思ったりはした(笑)。

ちなみに、MEIANがユーロ系で皆が知らないようなバンドに影響受けて、ああいう感じを作ってるのか、それは違う可能性が高いと睨んでいて、結果たまたま近い感じになったのではと。そこがMEIANの良さであり個性と面白さだと思っている。

ちょっと質感が近いバンドを自分なりに探してみたけど・・・、infant Island、maremarcio、armywivesとかどうだろ。全然違うけどイタリア系のオススメで、mary in june、marcovaldo、lanternとか。あとは国内で全然違うんだけど、実はnitro mega prayer好きですかね?とか思ったりしました。

高澤
マニアックで良いっすね(笑)。

(個人的にarmy wivesが好きだ)

蜷川
MEIANは自分達の好きなバンドや地元の先輩とかにも影響受けつつ、自分達で消化して活動してるバンドだと勝手に思ってる。現地のフランスやイタリアでDAITROやRAEINに影響を受けた若人の現行バンドと、日本のMEIANの質感が近いのなら、それも面白いよね。

最初の「4songs」と「遠ざかる」は結構ニュアンス違って来てるけど、MEIANは活動長いしメンバーチェンジしてることもあり、高澤が言ってた地方の人達でバンドを組んで継続していくのは難しいってのが、この辺の音にも影響してそうだね。

高澤
人口少ない場所ではバンド組むのだって難しいのに、ジャンルが激情だと更に厳しそうですよね。

蜷川
各々自分の好きなジャンルとか自分の手癖や好みがあって、そのメンバーを作曲者がまとめてるって感じだと思うから、そこが国内っぽさに繋がってくるのかもしれないね。あとは東北の気温とかも勝手に感じたりしてる。

高澤
まとめてもらいました。

蜷川
地方だからこそ好みは違っても寄り添って活動が出来てたり、しかしながら難しいってのが「4songs」だったのかなとか想像したり。「遠ざかる」はその方向性がより明確になった事でのかっこよさと伝わりやすさがある気がする。メンバーは何が好きなのか、誰が作曲をしていて完成まで纏めてるのか、全部1人が作った楽曲をメンバーがコピーしてるのか、セッションで作って最終的なジャッジは作曲者がするのか。今後の方向性が変わっていっても良いし、会ったら聞きたいね。

音楽性

高澤
で次なんですけど、結構I have a hurtを改めて聴くとMEIANと何か近からず、遠からずだなと思ってて。

蜷川
恐らくだけど、まずチューニングは一緒かな。ドロップDで押さえてるコードが結構近いんだと思うのと、日本のオルタナ系に聞こえる瞬間がある要因はコードが大きいかもしれないね。切なめのコードに対してはボーカルは叫ぶかポエトリーのみ、ボーカルは絶対キャッチーなメロにしないってのがMEIANで、I have a hurtのメロディーを歌わないパート部分は構成的にちょっと共通しているかも。我々ポップなコード進行の場合、歌はメロディをあまりつけないようにしてる場合があるので、その辺りの共通点と感じるのかも。

高澤
今聞いてて俺も参考になりましたね。

蜷川
ポップスのコード進行でキャッチーなメロディやるとポップ過ぎちゃうので。個人的には好きだけど、このバンドでやりたいことじゃないので、せめぎ合いなんですわ(笑)。MEIANは歌メロを前に出さない分テイストはハードコアだけど、結構コード進行は聴きやすいから、そこが一回聴いて良いと思えるポイントだとは思う。

高澤
いい解説っすね(笑)

蜷川
会ったこともないのに、こんなこと言っていいのか不安だよな・・・全然違うよとか思われそうだし・・・俺、明日死にます。

高澤
良いんですよ!勝手に語らないと(笑)。

蜷川
俺は曲の後半に向けて盛り上げていきたい傾向強いけど、MEIANは曲の後半を盛り上げずに終わったり、そこが逆に格好良いみたいな事を教わる瞬間もある。こだわりあるなって感じるし、音楽好きな人達で渋めの音楽も聴いてそうだよね。

高澤
確かに。めっちゃ言語化してますね。今こう話を聞いてるだけで、なんかちょっと、もうちょっと色々考えなきゃなと思いましたね。自分が・・・。

蜷川
(笑)。sikとも初対バンだし、高円寺楽しみ!



取り扱い店舗



MEIAN
EP「遠ざかる」
by Northern Sadness Productions

各レコード店のレビューを読むのも面白いです。


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