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リレーエッセイ「地下」(連想#13)

高校時代からの友人はじめくんと続けているリレーエッセイ企画も、今回で13回目。
前の執筆者の記事から連想したワードをテーマに、次の執筆者がnote上でエッセイを綴るというシンプルなルールで続いている。
はじめくんの前回のエッセイのテーマは「屋上」だった。

なるほど。毎度のことながら面白いチョイスだと思う。

僕が前回書いた「」の記事で「高校時代の夏は自主制作映画作りで青春していた」という内容を書いたのだけれども、はじめくんが監督した作品に「屋上」で撮影されたシーンが多かった、というのがテーマ決定の理由だったとのこと。
そう、なのでその場には僕も一緒に居合わせていたわけで、文章を読みながら、頭の中に過去の楽しかった撮影現場や完成したシーンなどがバーっと湧いてきて、懐かしさで思い切り笑顔にさせてもらった。
その他のはじめくんの屋上にまつわるエピソードや考察も秀逸なので、今回は本題に入る前に、是非それらに対する僕の感想やコメントも少し話したいと思う。

が、まずはその前にお詫びをしなければいけない。
はじめくんが記事の中で、僕の記事に対して指摘と訂正をしてくれた通り、高校時代に4人の仲間でそれぞれ自主制作映画を作った際、彼が監督をしたメインの作品は正しくは「9 O'Clock(ナイン・オクロック)」であった。
僕が名前を出した「八王子ミステリーゾーン」は、どちらかというと「澤井はじめ短編集・ゼロ」の中の余興で、それだけではなく、「ショパン」と名付けたシリーズ作もあり、ともかく彼はものすごい数の映像作品(10本以上)を作っていたのだった。。
はじめくん、間違えて紹介してしまって、あらためてごめんなさい。
今後は公開する前に、しっかり推敲や熟考するように気をつけます。
m(_ _;)m
それにしても高校生がひと夏にあれだけの作品を完成させるとは、今考えてもすごい情熱と才能だ!

さて、屋上の話題に戻そう。

はじめくんは、多くのアーティストがMVを屋上で撮っているとの話をしていた。
そういえばそうだ。僕も他にもオザケンこと小沢健二の「愛し愛されて生きるのさ」や、華原朋美の「I'm proud」、最近だと米津玄師 の「LOSER」や、あいみょんの「愛の花」など、数々のMVを思い浮かべることができた。

屋上遊園地の話も面白かった。と同時に驚いた。
日本に屋上遊園地がもう10箇所も残っていないなんて、、

僕が子供の頃は、デパートの屋上といえばミニ遊園地が当たり前だった。
気にも止めていなかったけれど、思い返すと確かにそのようなロケーションは思いっきり減っていることに気付かされ、時の流れを感じて切なくなってしまった。
ちなみに僕の娘がまだ幼少の頃、東京蒲田あたりに時々用事があって、駅ビルの東急プラザ蒲田の屋上遊園地によく遊びに連れて行っていたのだが、「まさかそれも?」と不安になってしまった。
慌てて調べると、屋上観覧車がランドマークのその場所は、いまだ健在で、ホッと胸を撫で下ろした。

というわけで、はじめくんのエッセイにはいろいろと気になるキーワードがあり、それを受けて今回のテーマを何にしようか、、、
候補はいろいろ出たのだが、いつも以上に悩ましい検討だった。

屋上遊園地の話を受けて、「百貨店・ショッピングセンター」あたりの話?

まぁ、実は僕は家族と車でいろいろなショッピングセンターに出かけて、ウインドウショッピングをするのが好きなので(買い物目的でないところがお恥ずかしいw)、そのテーマもありなのかもしれない。
例えば今住んでいる神戸近辺だと「ハーバーランド(umie・モザイク)」「イオンモール神戸北」「神戸三田プレミアムアウトレット」「ららぽーと甲子園」「あまがさきキューズモール」「つかしん」とか、、
前に住んでいた川崎あたりだと「ラゾーナ川崎」「トレッサ横浜」「横浜ワールドポーターズ」「ららぽーと横浜」とか。。
しかし、ご覧の通りローカルな話題満載で、話せてもお店紹介や施設紹介になってしまって、多くの読者にとって全然面白くない。。

それともはじめくんが、意図的にパスしてくれたと思われる「ビートルズ」の話?

というのも、実は僕は大のビートルズ好きで、彼らの公式213曲は全て知っているし、ギターやピアノで彼らの曲を弾き語りをするのも趣味なのだ。
それに、時々音楽バーで開かれるビートルズのセッションイベントに参加したり、オンラインで集めたメンバーとビートルズカバーバンドを組んで、定期的に音楽スタジオでバンド演奏を楽しんでいたりもする。
しかし、皆さんは「それでいいじゃないか」と思われるかもしれないが、実はビートルズをテーマに記事を書くというのはとても難しいのだ。
なぜならビートルズは世界中で有名すぎて愛されすぎて、コアなファンがいっぱいいる。
特に「ビートルズ研究家」と言われるマニアも多くいて、下手なうんちくや知ったかぶりはめちゃくちゃ突っ込まれてしまう可能性が高いのである。
まぁ、お互いビートルズをリスペクトする同士、もっと和やかに受け入れてくれるかとは思うが、何せ詳しい人が多すぎるので下手な知識で語るのが恥ずかしい。
例えば、僕の知り合いの研究家は、初期の頃頻繁に行なわれていた彼らのコンサートのさまざまな写真から、彼らの楽器はもとより、アンプやスピーカーのメーカーも全て調べ上げて、「この会場の作りだったら彼らの演奏時のモニタースピーカーが小さすぎるから、自分たちの音が歓声で全然聞こえないはず。勘で演奏していた彼らの経験値と音楽センスは素晴らしい」みたいな解説をしてしまう。
とてもそんな彼らと肩を並べてビートルズは語れない。

というわけで、テーマに困った挙句、
「屋上」だったらその反対の存在である「地下」で、、ま、いっか。
という考えに至ったわけである。結果安直だ(笑)


さて、今回は「地下」で記事を書いていこうとなったが、これは僕にとってももともと興味深いテーマだったので、ちょうど良かった。

まずは「地下街」の話。
僕が今住んでいる関西の地下街事情が、関東に比べて凄すぎるので、前から関東との比較を紹介してみたいなぁという気持ちを持っていたのだ。

僕は東京出身で、結婚した後は十数年前まで神奈川に住んでいたので、東京・神奈川の地下街の状況も大体知っているつもりだ。
東京で地下街というと、新宿駅の京王線と東京メトロ新宿線の改札を結ぶあたりや、東口あたりにちょっとした地下街はある。
池袋駅の東口と西口にも地下街があったり、東京駅の八重洲口の地下街には各テレビ局のアンテナショップやキャラクターグッズのお店がいっぱい集まっていて、面白い時間潰しができる。
さらに神奈川まで行くと、川崎駅前にはアゼリアという結構大きな地下街が広がっているし、横浜駅の地下街はいくつかの地下街が繋がっていて、こちらもまぁまぁな大きさだ。もしかしたら関東一の大きさかもしれない。

しかししかし、関西の、とりわけ大阪梅田に広がる地下街はさらにその数倍以上も広くて、僕は関西に越して来た当時、そのあまりの広大さ、複雑さにクラクラして、何度も迷い込んでは行き先を見失ったりしていた。
梅田だけではなく、例えばなんばの地下街は「なんばウォーク」を中心にとても広い通路に多くの店が立ち並んでいるし、心斎橋の地下を中心としたクリスタ長堀なんかも、地下鉄の駅数駅分をつなぐ長いものだったりする。
大阪の人は、それが当たり前と思っていると思うけれど、関東人だった僕からしたら異常な広さで、僕は今でも心の中で大阪地下街のことをラビリンス(巨大迷宮)と呼んでいるのだ。

ラビリンス具合をもう少し詳しく伝えるために、大阪梅田の巨大地下街、、いや巨大地下都市を紹介しよう。

大阪梅田の地下街は、複数の地下街が繋がりあって形成されている。
思い出す限りで数えてみると、5つの地下街と4つのオフィスビルの地下街と、2つの百貨店のデパ地下と、2つの駅ビルの地下飲食店街で構成されていると言って良いだろう。。つまり13地下街の集合体だ。

ざっと名前と特徴を挙げてみよう。
地図的に南西方面から北東方面に順に取り上げると、、

「ドージマ地下センター」通称ドーチカは、地下鉄西梅田駅から肥後橋駅間に位置する、まっすぐ伸びる明るい感じの地下商店街で、飲食店が多いが、コンビニや100円ショップ、銀行もあって便利だ。

「ディアモール大阪」は、JR大阪駅からJR北新地駅方面に扇状に広がる、高級感のある地下街で、衣料品や雑貨系が多いイメージ。

そしてその合間に位置するのが巨大オフィスビル群の地下街である「大阪駅前第1ビル地下街」「大阪駅前第2ビル地下街」「大阪駅前第3ビル地下街」「大阪駅前第4ビル地下街」だ。
全体の面積も相当なものだが、しかも地下1階と地下2階の2重構造になっていて全体像を把握するのが難しい。
最大の特徴は、とても古くからあるビルで、仕事終わりのサラリーマンたちをターゲットにしている飲み屋が多い点だろう。
立ち飲み屋や、大阪らしい串カツ屋をはじめ、料金的にもリーズナブルなお店が多い。なんばや新世界に行かなくても、ディープな大阪が味わえるので、大阪以外から来た友人や出張者を連れて行くと喜んでくれる。

「大阪ガーデンシティ」は、JR大阪、阪神梅田から長く伸びる綺麗な地下通路とそこから一歩入った商業施設やホテルや劇場(劇団四季)を結ぶ西梅田のエリアで、ハイブランドショップや高級感のある飲食店が多い。

そして「ホワイティうめだ」、、これがまた大きくて3ブロックに分かれているほど広くて長い。ファッション系が多いエリアや、飲食店が多いエリアがある。

そんな地下街に挟まれるように比較的新しい「エキモ梅田」もある。店舗数はそう多くないが、ユニクロや無印良品やミスドなど、立ち寄りやすいショップがが並んでいる。

さらにそれら地下街に挟まれる感じで、「阪神百貨店」のデパ地下が2フロア、「阪急百貨店」のデパ地下も2フロア。どちらも夕方の帰宅時間には女性を中心に美味しいグルメのお惣菜やお弁当、手土産を買う人々でごった返している。

駅ビルでいうとJR大阪駅の「大丸梅田店」のデパ地下も2フロア分あるし、阪急大阪梅田駅の地下に広がる「阪急三番街」も地下に2フロアで、飲食店を中心にとても活気がある。

いやぁ、こうして書いているだけで気が遠くなる規模だ。
2フロアのエリアも多い大規模な地下街が、さらに複数連結して広がっている巨大地下街は、関東にはまず無いので、完全に大阪名物と言えるだろう。
(繰り返し言うけど、関西の人たちにあまりその自覚はない)
他の地域から来た方は、複雑に入り組むラビリンスを是非体験してみてほしい。
でも、全体を示すマップが全くと言って良いほど存在していないし、立体的に絡み合う構造は、とても平面の地図では表現できないのだろう。
迷うことは必至で足を踏み入れて欲しい。

と、ここまで書いたところで、テレビでちょうど東京駅八重洲地下街のことがやっていたので、書いておこう。
東京駅で丸の内口と八重洲口の雰囲気はガラッと違うが、それは東京駅開業当時は丸の内口しか無く、八重洲側はなんと江戸城の外堀だったからだとのこと。
そして長い年月をかけて整備され、外堀は水が抜かれ、その上に道路が敷かれ(外堀通り)、お堀の空いた空間を利用して八重洲地下街が誕生したということだった。
へぇ、知らなかった。。

そしてその番組では八重洲地下街を巨大地下街と紹介していたので、さすがに実際の大きさが気になってきて「地下街 広さ ランキング」で調べてみた。
冒頭で曖昧な情報を共有してしまったことのお詫びをしたばかりなので。。

結果、このようなサイトが見つかった。

やはり述べていた通り、梅田地下街は全体合計面積でダントツ日本一だった。
紹介した地下街の多くが単体でもランクインしており、ひとまず僕の主張が正しいことが証明されて良かった。
八重洲地下街も意外と上位だが、僕が述べたように、横浜の複数の地下街を合計するとそれ以上になるようで関東一と言ったのも間違いはないようだ。

そしてこのサイトが掲載している「朝日新聞から掲載した梅田地下街マップ」というのが感動した。
僕が全体マップは無いと言っていたが、このマップイラストは大阪梅田周辺を俯瞰した、地下街の通路と、地下街を構成する周辺ビルのみが描かれており凄くわかりやすい!
こんな図が僕が関西に越してきた当時からあればあれほど迷宮に迷い込まなかったのに。。
それにしてもあらためて地下街・通路がナナメに複雑に交差していてラビリンスである。。

さて。ということで、関西においては地下は大いに活用されていて、偏ったイメージは無いように思えるのだが、一般的に、特にテレビや映画の世界では、「地下」は「地上」に比べるとネガティブな印象で描かれることが多いのではないだろうか。

「地上」のイメージというと、「開放的」「明るい」「心地よい」という言葉が浮かんでくる。
逆に「地下」のイメージというと、「閉鎖的」「暗い」「怖い」という言葉が浮かんでくる。

そういった一般的なイメージをうまく使って、多くのテレビドラマや映画作品の中で地下が登場することも多そうなので、僕が思いつくものを挙げてみて、その使われ方について少し分析してみたいと思う。

人気韓国映画「パラサイト」では、半地下のアパートに暮らす貧しい家族と、丘の上の豪邸に暮らす裕福な家庭との対比構造で、韓国社会に横たわる格差問題を浮き彫りにしていた。
さらに、金持ち家族の家の秘密の地下室も登場し、「秘密」「隠蔽」といった地下に対する人々の共通イメージを効果的に使ってストーリーを展開していた。

「秘密」「隠蔽」と言えば、世の中に知られてはいけない存在を隠す場所として、地下の空間が登場する作品が多くありそうだ。

映画「9人の翻訳家」という作品は、人気作家の新作を世界同時発売とするために、世界中から9人の翻訳家たちが集められるが、その内容が一切外部流出しないよう、完全に外界と遮断されネットも通じない地下室に閉じ込められて翻訳作業をするという話だ。

アメリカドラマ「ブレイキング・バッド」は、本当に面白く、僕の一番好きなドラマであるが、ここでも地下室が登場する。
善良な高校の化学教師であるウォルター・ホワイト(WW)が、自らの癌に気づき、家族に遺産を残すために化学の知識を使って良質なドラッグを量産して販売してしまうという話だ。
WWが最初の殺人を犯してしまうのも地下室だし、麻薬組織のボスに与えられたドラッグ工場も普通の食品工場の地下施設だった。

んー、やはり「地下」には「秘密」「隠蔽」に加えて「背徳的」「犯罪」といったネガティブな要素が多く浮かんでくる。
そして、個人レベルの小さいものだけでなく、大きな組織の巨大地下施設というように、豊富な地中空間を活用し、何かしら企んでいる秘密組織が登場する物語も多く存在しそうだ。

ユアン・マクレガー主演の映画「アイランド」では、大気汚染から隔離された管理の行き届いた安全なコミュニティに住んでいる、、と思っていた人々が、実はある極秘の陰謀で地下に住まわされていたストーリーだ。

映画「2012」では、マヤ文明の暦で示唆されている通り、2012年12月に地殻変動による地震や津波、大洪水により世界が滅亡する話だが、異変にいち早く気付く研究施設も地下の奥深くであるし、金持ちだけが乗船できるノアの方舟が用意されているのも中国山岳地帯の秘密の地下施設であった。

また、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の舞台は、大災害により壊滅した東京の流れを継ぐ第3新東京市の、さらにその地下に造られた広大な地下都市である。
使徒殲滅を目的とする組織NERV(ネルフ)の本部が置かれている。

その他、思い出せる範囲で物語の一部に地下施設・空間が登場するのは、、、
アメリカドラマ「ストレンジャー・シングス」(研究所地下)、アニメ「機動戦士ガンダム」(ジャブロー)、マンガ「呪術廻戦」(天元様)、マンガ「進撃の巨人」(礼拝堂地下)、小説「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」(やみくろ)、映画「ラブ&モンスターズ」(シェルター)などだろうか。

共通点として、やはり「地下」は、表の世界から身を隠す裏の存在のように、対比構造の中で描かれることが多いようだ。
地上と比べると、地下はその明るさ暗さの違いも相まって、明と暗、表と裏、光と闇、陽と陰、、引いてはポジティブとネガティブのように、イメージが単純化されやすい。
その一般的なイメージを過剰に用いて描く作品も多いので、ますます「地下」は人々の頭にネガティブなイメージで埋め込まれてしまっているのだろう。

それだから逆に、地下から地上を目指す物語は、暗闇から光に向かう意味で受け手側にスリルと興奮と共に希望を与えるのだとも言えるのではないだろうか。

例えば名作映画「大脱走」。
第二次世界大戦でドイツ軍に捕まった連合国軍の兵士たちが、捕虜収容所から全員の大脱走を目指す話だ。
収容所の外壁であるフェンスに近い部屋から、全員の協力で地下に脱出トンネルを掘って、フェンスの外側まで抜け出す。
その暗い地下トンネルからの、地上に抜けるあたりの脱出は、自由への扉が開いたように爽快な気持ちにさせてくれる。

収容所・刑務所からの穴を掘っての大脱走といえば、アメリカドラマ「プリズン・ブレイク」、映画「ショーシャンクの空に」なども同様だ。
観ている者が、主人公たちの自由を一緒になって応援できるストーリー構成が素晴らしい。

また、大ヒット映画「キングダム」にも、王宮の地下通路を抜けて脱出する、もしくはそれを利用して王宮内に侵入するエピソードが出てくる。

それでいうと最近の大ヒットドラマ「VIVANT」でも、バルカ共和国の日本大使館からの脱出シーンで地下通路が登場する。

やはり、普段は意識していない地面の下という存在は、トンネルを掘るのに大きな労力は必要ながら、目的地まで、障害物や建造物に邪魔されずにショートカットで進むことができるので、物語の中では一発逆転の切り札的に扱われることがわかる。

ところで、地下のショートカット利用といえば、「地下鉄」の話題もまだ残っている。
「地下街」では大阪に軍配が上がったが、「地下鉄」ではもちろん東京に軍配が上がる。
関東以外の方はピンとこないかもしれないので、是非この東京メトロのホームページに掲載されている地下鉄路線図を見てほしい。

https://www.tokyometro.jp/station/202303_kani_ja.pdf

この複雑さと言ったら、東京在住の人でも正確に把握している人はなかなかいないだろう。
法則性といったら、大江戸線が環状のように走っていること。皇居の地下には地下鉄は通っていないこと。くらいで、あとはどの線もクネクネ絡まった糸のように伸びて、駅同士が接続している。
なので、外国人観光客の身になってみると、訳がわからなすぎて可哀想になってくる。

ちなみに大阪の地下鉄はもっと整然としていてわかりやすい。
こちらも、大阪メトロの地下鉄路線図があったのでリンクを掲載しておく。

https://subway.osakametro.co.jp/img/osakametro_rosenzu.pdf

もう充分文章が長くなっているので、なるべくあっさり取り上げるが、僕は以前長く東京の都心部に勤めていて、勤務先や出向先もいろいろあったので、地下鉄も多くの線を使ってきた。
中でもよく使っていたのは「丸の内線」「日比谷線」「東西線」「南北線」「三田線」「新宿線」あたりだ。
他線との接続駅は、乗り換え用の階段やエスカレーター、通路を何度も昇り降りしなければならないが、それこそ地上の鉄道との違いで、各線とも走っている深さが違うので、上下の移動が必然的に必要になる。
時々、「え?まだ下に降りるの!?」という感じで地下何階にも及ぶ深い駅や、頂上が遥か上に見えるとても長いエスカレーターなどもあり、地中の空間を切り開き、精密で安全な巨大施設を作り上げた人間の叡智と技術力に脱帽する。
基本、古い駅は銀色や白など画一的な色合いで無機質な感じが多く、秘密基地感があるが、比較的新しく建てられた地下鉄の駅は、温かみのある材質や配色で作られていたり、デザイナーが設計したようなおしゃれな空間も多くなっている。
「暗い」「狭い」「閉鎖的」といった地下に対するイメージを払拭するかのような、こういった試みには好感が持てる。

今回は一般的なイメージや状況をベースに話を進めてきたが、僕自身はどちらかというと地下は好きだ。
というのも、高校時代から音楽活動を続けているけれど、バンドの練習のための音楽スタジオは地下に多い。
防音がしやすいというのも理由だろう。

同じ理由で、ライブハウスも地下が多い。
他のアーティスト目当てで行くライブも楽しいし、悩みやストレスも一気に解放できる場所でもある。
それになりより、僕は若き日々、はじめくんと一緒に頻繁に都内各所のライブハウスでいろいろなバンドに声をかけてブッキングライブイベントを開催していた。
もちろん主催者としてブッキングするだけではなく、出演者としても参加しており、地下と言ったら地下のライブハウスで一生懸命、けれど楽しく演奏をしていた輝かしいシーンの数々も思い出す。
「吉祥寺クレッシェンド」「西荻窪WATTS」「新宿JAM」「高円寺RITZ」
「吉祥寺 ZEN」「神楽坂DIMENSION」。。。などなど。
(他にも代々木や大塚の地下ライブハウスで演奏したけど、、名前が思い出せない。。そして記憶が違っていたらご愛嬌でmm)

というわけで、冒頭で「屋上」が青春の象徴!のような話もしたが、僕にとって、「地下」も青春の象徴なのだ。
いや、僕だけというより、はじめくんはもっと音楽活動が長くて深かったので、僕の何十倍もその想いは強いに違いない。

なので結局、「地下」に対する一般的なマイナスイメージは存在していても、地下を好むか好まないかは人ぞれぞれなのだと思う。
当たり前のことを言っているけれど(苦笑)

さて、そろそろ話をまとめよう。
「地下街」「地下室」「地下施設」「地下通路」「地下鉄」、さらに地下の音楽スタジオやライブハウスといったキーワードで語ってきた。
どちらかといえばネガティブな印象のある地下であったが、今後も、都市生活をもっと快適に便利に過ごすためには、地下の有効利用は欠かせない。
多くの人がもっと気軽に安心して足を踏み入れられるように、地下のイメージがより明るくポジティブなものになれば良いなと願っている。

あなたの地下に対する気持ちはどのようなものですか?
地下で思い出す作品やエピソードはどのようなものですか?

たまには普段表舞台に立たない、アンダーグラウンドな話題をしてみてもいいんじゃないでしょうか?


はい、お疲れ様でした。次のバトンもまた高校時代からの友人はじめくんに渡します。よろしく!


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