ポーカーを麻雀に例えたら⑦ MTTとS&G編
前回の記事、役の強さ編からしばらく間を空けてしまいましたが、今回はポーカーの大会等で使われるルール、「MTT」と「S&G」を麻雀に例えようと思います。
MTT=点棒ケースでの殴り合い
MTT=マルチテーブルトーナメントとは、数百数千人単位で全員の点棒を奪い合います。麻雀なら1人25000点、4人で100000点を奪い合いますが、MTTの勝者は何十半荘の末に数千万点を総どりします。常にレートが上昇していくので、点棒に意味も価値も全くありません。何万点持っていようと、リーチ棒は点棒ケースそのものです。
とにかくMTTで求められる事は「どんな手と心中するか」です。
普通のテーブルなら満貫手で勝負できても、MTTでは全く通用しません。ひたすらに忍耐力が問われます。じりじりと減っていく点棒をみながら、「もうこれでいいか……」と妥協した人から脱落していくゲームです。
以下に実戦での手札と対応を紹介します。
結構長いので、飛ばしたい方は目次からS&Gの説明へお願いします。
①KJo→フォールド。
重ねないと勝てないなら価値はありません。
②A4oもフォールド。
A同士で勝てないなら降り。
③AAならレイズ!
相手のAQからリレイズ→コール。
フロップは全員チェック
ターンで自分ベット→KQフォールド→
AQレイズ→自分オールインで勝利。
④AQoはレイズせずコールで様子見。
2人のレイズに対してフォールド。相手のJ4s(左上)がツーペアで勝利。最小限の失点に留めます。
⑤フォールドを重ねていくうちに点数が減り、AJoで心中を決意。A5s(右下)と引き分け。
⑥QQと心中。83s(右上)に勝利して点数が回復。
⑦A6sでコール→最小レイズに対してコール。
もっと強いレイズなら降りてました。
運良くツーペアに。レイズしたプレイヤーがチェックで回した為、自分がレイズ。
相手はストレート狙いも、完成せず勝利。
⑧KQsでコール。Aが出たら撤退のつもりが……
フラッシュチャンス!KやQが出ても勝てるのでベット!
ターンでQ。ベット→対面からオールイン→コール。ほぼ勝ち確です。
フラッシュ完成でオールイン!一気に点数を10万点まで増やします。
⑨AQsでレイズ→88オールイン→コール。
運良く勝ちましたが、負けることも多いパターン。
⑩KToでコール。弱い手ですが、SBで半分ほど先払いしている事と点数的な余裕から。
ツーペアになったけど、まずチェックから。
K6sのベットにコール。
ターンが全員チェックで回ったので、リバーでベット。これで持ち点は17万。
点数が一気に増えた事で、判断が緩くなってしまった場面がこれ。今までならフォールドしていたA9oでコール。
相手のオールインにコール。A持ちの大半に負ける上にフラッシュドローやスリーカードもありえるのでフォールドすべきでした。
リバーで相手のA4がストレートになり、
オールインされてのフォールド。
これ以降は思うような手が入らずにじわじわ点数が削られていき、BBが50000点になった所で脱落しました。
どこかでブラフオールインすればよかったのですが、リプレイを見る限りどこでやっても誰かがコールして負けました。精神的な負担は大きいけれど、一度は入賞してみたいものです。
S&G=10000点持ちの超インフレルール
S&G=シット&ゴーは、多人数で少点数から始まるバトルロワイアルです。麻雀で言うと10000点スタートなのに全赤・ドラ表示2枚の超インフレルールです。東一局から誰かがあっさり飛んでいきます。
S&Gも「どの手と心中するか」が肝心ですが、MTTと違うのは10人でスタートしても戦わずして6-7人になっており、比較的戦いやすい形式です。3人以下になってからのブラフの掛け合いが重要なので、慎重さと大胆さが求められます。以下にS&Gの実戦を載せておきます。
①KTsでレイズに対して初コール。
降りているだけで既に3人脱落している。
フロップは全員チェック
ターンでツーペア。相手の手はストレートやフラッシュの可能性が高いけど、思いきってオールインしたら2人ともフォールド。
まさかブラフだったとは。
②残り3人になってからの場面。
それぞれ平凡な手をしている。
ターンで97からブラフベット。
K3はストレートフラッシュの可能性もあったが、フラッシュ同士では勝ち目がない。
こちらはストレートが見えるのでコール。
リバーで更にクローバーが出てのベット。
逆にオールインすればフォールドさせられたと思うけれど、リスクが高すぎる。
③折角のAAも……
相手の手が弱くては全く稼げません。
④遂にタイマン。点差が大きい為、ブラフで降ろさなければ勝てない。
⑤俺はストレートだぁ!(大嘘)
あべし
まとめ【フォールドこそ上達の道】
いかがでしたか?
勘違いされやすいのですが、S&GとMTTは全く別物です。S&Gで勝てるようになってもMTTでは即死します。
しかし、MTTで忍耐力を養う事ができれば、S&Gで勝てる可能性が格段に上がります。
その為に必要なのは、フォールドする勇気です。最初の行動編でも述べましたが、麻雀では難しいオリがポーカーではボタン一つで出来ます。たとえAAであっても、不利だと思えばスパッと降りましょう。
フォールド出来ないと、余計なコールで点数を減らしてしまい、終盤にオールインした時の稼ぎも減ってしまいます。僅差のラス目が染め手を作れば、誰もが警戒するでしょう。しかし断ラスの染め手を気にするのは3位だけです。少しでも成績を上げる為に、100点でも多く守りましょう。
今回でポーカーを麻雀に例えたらシリーズは最後になります。長らくお付き合い頂きましてありがとうございます。この記事を読んで少しでもポーカーを楽しんで頂けたら幸いです。
次は全く関係ない記事でお会いしましょう。
それではまた。
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