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STAR WARS Jedi Survivorをプレイしました

STAR WARS:Jedi Survivor
スター・ウォーズ ジェダイサバイバー
発売日:2023年4月28日
ハード:PS5
価格:9,700円(通常版)
プレイ時間:約73時間

今作もトロコン

前作についてはこちら

※本記事は、作品内容の軽いネタバレを含みます。

ゲームについて

前作のキーアイテム「ホロクロン」

本作は、スターウォーズのアクションアドベンチャーシリーズとして、皇帝が「オーダー66」を発令し各地のジェダイが粛清されていた時代に生き残ったジェダイを描いた物語の2作目で、前作「フォールンオーダー」の続編に当たる。前作では元ジェダイ・パダワンの主人公カルが同じく元ジェダイのシアに導かれ、将来のジェダイ・オーダーの復興のために仲間とともに宇宙船マンティスを駆り、ジェダイマスターのイーノ・コルドヴァが残したフォースの素養を持つ子供のデータベース「ホロクロン」を探索するといったストーリーだった。

コルサントで捕まり連行されるカル

前作では最終的にカルが自らの決断でホロクロンを破壊したが、今作はその5年後の話になる。前作でシアにジェダイ・ナイトを叙してもらったカルは、相棒メカのBD−1と帝国の脅威から逃れながら、かつての仲間とは離れ孤軍奮闘しているようだ。今作のオープニングで、カルは帝国の本拠地で元老院がある惑星コルサントで警備隊に捕まり連行されているところから始まる。

セジャン議員

ダース・ベイダーに取り立ててもらうべくジェダイ捕獲を自らの功績にせんとしようとする元老院のセジャン議員に対し、カルは警備隊に偽装していた新たな仲間のボードたちと帝国反乱軍のソウ・ゲレラに有効な情報を渡そうと動いていた。

ナインス・シスターとの再会

最終的に彼らの動向は帝国に捕捉され、カルはナインス・シスターの待ち伏せにあい、彼女を退けるものの、ボード以外のすべての仲間の犠牲にしなんとかコルサントから逃げ出す。

ゲン・ダイ族のレイヴィス
カルの身を案じるグリーズ

逃げた先の惑星「コーボー」でカルはマンティスの修理をすべく現地で酒場を経営しているかつてのマンティスの持ち主グリーズのもとに向かう。その先でカルは犯罪組織「ベッドラム・レイダー」のリーダー、レイヴィスの襲撃から村人(?)を助け、グリーズと再会することになる。グリーズは帝国との戦いを続けるカルの身を案じつつも、マンティスの修理のための部品を保管している地下トンネルを案内し、その先で古い廃墟と数百年前のドロイドを見つける。

高共和国時代のジェダイ、サンタリ・クリィ

ドロイド「ジー」を通じて高共和国時代のビジョンを見たカルは、失われた惑星「タナロー」について知る。ジーはタナローを守るよう古代のジェダイ「サンタリ・クリィ」に命じられており、その指針を示すアンテナの鍵を持ち続けていた。ジーを救出したのち、カルは導かれるように惑星の森の奥にある受信アンテナ塔へと向かう。

高共和国の堕ちたジェダイ、ダカン・ゲラ

受信アンテナ塔の施設でカルはサンタリと同年代のジェダイ「ダカン・ゲラ」を見つけ、彼の求めるままにカルはダカンを数百年の眠りから目覚めさせる。しかし、ダカンは過去にジェダイ・オーダーにより投獄されたせいでダークサイドに転向しており、カルに襲い掛かる。戦闘に決着がつく前にダカンはレイヴィスにピックアップされその場を去る。

グリーズとボードはカルに協力を示す

隠された惑星タナローが帝国の手の及ばない秘境であることを知ったカルは、タナローを新たな故郷とすることを決め、仲間たちと協力してタナローへの道を探すこととなる。

良かった点

「強いジェダイ・ナイト」になったカル

新たに2つの「スタンス」を獲得

今作のカルはジェダイ・ナイトとなってから5年が経っているということで、前作よりも強い状態でゲームを始めることができる。最序盤から「シングル」「ダブル」が使えるのはもちろん、前作ではダブルのフィニッシュブローになっていた二刀流の「デュアル」が単独スタイルとなり、さらにゲームを進めるとフェンシング+ブラスターとの組み合わせた「ブラスター」、ライトセーバーを大剣のように扱う「クロスガード」といった計5つの「スタンス」を活用することができる。各スタイルにはきちんと個性が設定されており、適宜そのうちの2つを装備させることで戦闘中に柔軟に戦い方を変えることができるので、前作よりも幅広い戦闘が楽しめる仕様になっていた。

タイマンがとにかく楽しい

フォースを使った能力もさらに強化され、「相手を操り同士討ちさせる」能力や「相手をまとめて持ち上げる、叩きつける」能力、さらに「スロウ」が別ゲージ化された切り札となり劣勢をひっくり返す技になったりと、動かしてめちゃくちゃ楽しいゲームに進化していた。そのおかげもあり、今作も前作同様難易度は上から2番目の「ジェダイ・マスター」にしていたが、少なくともタイマン戦においては前作なんであんなに苦労したんだとギャップを感じるくらいにはイチ戦闘にかける時間が少なく済んだので、全体的な難易度は低めになっていると感じた。ただ、相変わらず集団戦で囲まれたら蹂躙されてしまうのは前作同様変わらないし、今作も登場する賞金首「ハクシオン・ブルード」を倒し続けると最終的に無慈悲な1vs3になり負け続けるといったことはあった。

各スタンスについて、明らかに使いやすいのは手数が多くモーションが早いのに加えて、任意段の攻撃モーションをガードキャンセルできる「デュアル」で、頭ひとつ出て強い。しかし、このゲームにおけるジャストガード(パリィ)の難しさを鑑みると防御および単発火力の高いクロスガードが個人的には手に馴染み、最終的にはデュアル+クロスガードをほぼ固定でプレイしていた。

クオリティの上がったマップ

惑星コルサント
惑星コーボー
コーボーの月
ローグ・ワンの舞台にもなった惑星ジェダ
基地衛星ノヴァ・ガロン
タナロー

今作はメインとなる星「コーボー」と「ジェダ」そしてそれらに付随する4つのマップが存在し、コーボーおよびジェダは今の時代のゲームらしく広大なオープンワールド然としたマップとなっている。前作はどちらかといえば各惑星の広さは抑え気味で、探索も狭苦しい地形を行き来するのでホロマップの仕様も合わさって非常にわかりにくくなっていたが、今作はホロマップの欠点はそのままだか、立体感が若干減少したことにより探索はしやすくなっていると感じた。

動物をテイムして乗ることもできる

広くなった分、各瞑想場からのファストトラベル機能が追加されたり、コーボーおよびジェダは生物をテイムして乗って移動することもできるようになったりと遊びやすくする工夫もちゃんと追加されつつも、前作のような「ゲームの進行度に応じて同じロケーションでも探索範囲が広がっていく」設計は踏襲されており、マップ設計についてはかなり良かったと思った。収集要素も前作よりもボリュームアップした分、最終盤でマップに表示させる機能も追加されているおかげで、取り逃がしなどもしっかり確認できるようになっているのも親切さを感じた。

パルクールアクションのチャレンジステージ

おなじみのパルクールアクションも、最初からジェダイ・フリップ(二段ジャンプ)や壁走りができるおかげで割と快適に探索ができる。前作のような強制スライダーステージはなりを潜め、どちらかと言えば壁走り、クライミングが主流のアクションとなっている印象を受けた。後半になればさらにダイナミックな移動手段を得ることができ、それを用いて高難易度のアクションチャレンジを攻略するのが純粋に楽しかった。

ストーリーも良い

かつての仲間との再会

前作の仲間たちは、帝国の脅威が日常となった世界で、それぞれが力強く戦い続けている。ジェダイの叡智、アーカイブ再建を目指し、フォースの感応者を帝国から守るべくジェダで奮闘するカルの師シア、シアの協力者となったダソミアのナイトシスター・メリン。帝国の手の届かない安寧の地を求める気持ちは皆同じなのだが、それらの対比としての今作の敵、ダカン・ゲラが際立つ。ダカン・ゲラは高共和国時代にタナローでジェダイ・オーダーを守るべく戦っていたのだが、評議会によりタナローを切り捨てられたことで「裏切られた」という気持ちを抱き続け、ついには「自分の思い通りの」ジェダイ・オーダーを再建せんという独善的な思いが彼をダークサイドに堕とすことになった。

カルは仲間たちと「背負う」

今作はこの「独善的」というのが良いエッセンスになっており、これはラスボスにも共通している。ダカン・ゲラについても、ラスボスについても、バックグラウンドを見れば白黒をはっきりつけられるような評価を下すことはできないのだが、そうであっても「自分(たち)だけが良い思いをしたい。そのためには他者がどうなろうと、どんな犠牲を払っても仕方がない」というのが、人としての道義に反する。だから良くないという結論に至っているのが良いし、そういったボスたちに対しカルは変に生かさせることなくきちんと引導を渡し、後の責任を負おうとするところに人間としての成長を感じられて面白かった。

あまり良くなかった点

不具合は多め

"Train"だから…列車だよね…
フォトモードで読み込みがバグる

海外作品なのでローカライズ(翻訳)が良くないなどは仕方ないにしても、ゲームが結構な頻度でクラッシュして落ちたり、道中でフラグが正しく立たず進行不可になったり、落下の高さ判定をすり抜けて落ちて戻れなくなってしまったり、上記の写真にもあるようにシアパートでフォトモードを起動すると高確率でデュラハン化するということもあり、品質はあまりよくないなあというのが正直な感想。

いちゃもんをつけるなら

砂、砂、岩!

これはいちゃもんに過ぎないが、今作で選ばれたメインで探索するオープンワールドのロケーションが「コーボー(砂と岩と緑)」「ジェダ(砂漠)」で、前作よりも色彩に乏しく、個人的にはあまり探索して視覚的に楽しみを感じられなかったなあと思っている。というか地味。画質や地形のクオリティについては今作が圧倒的にいいんですが、色彩については惑星の選定上仕方がない。前作のキャッシークやイラムほどの感動がなかったのは、目が肥えたせいなのかも。あと直近でやってたゲームがHorizon(あざやか系)だったのもあるかもです。

あと、動きについてはフレームレート優先の設定をしていたのだけど、コーボーやジェダの広い土地を走り回るとどうしてもfpsが落ちたようなぼやっとした画面の動きになってしまうのが少し気になってしまった(ダンジョン内ではちゃんと安定している分、余計に気になった)

まとめ

素晴らしい表現力

前作に比べて特に戦闘面が非常に遊びやすくなっており、楽しく遊ぶことができた。ストーリーについても、成熟したジェダイとなったカルが、残されたジェダイとしてこれからどんな道を歩んでいくのかという方向性が見えたように思える。どうやらこのシリーズは三部作を予定しており、安住の地を見つけたからとそのままでは終わらない雰囲気が出ているので、続編も楽しみにしたいと思っている。


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