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そうだ車を買おう(2023)

2年ぶりの日本 必要なのは足

中国に赴任するにあたり、当時納車してわずか9か月でジムニーシエラ(JB74・5MT)を手放すことになった不運を呪ってからちょうど2年。日本の田舎に戻ってきた僕は今クルマのない生活をしている。好都合なことに、会社にほど近い物件に住んでいるおかげでクルマがなくても最小限の生活は成立するが、日本に戻ってきたばかりでアパートの部屋を整えるのにはクルマがないとなかなか厳しく、しばらくは会社の人に昼飯代を引き換えにニトリや電器店に車出しをしてもらう状況が続いていた。そのため、新しくクルマを購入することが急務であり、実際帰国しその週末には車を契約した。

前回も車を乗り換える話をつらつらと書いていたので、今回も車選びに関する記録を書いていこうと思う。

中古車はね…

パロディも作られるくらいにはインパクトがデカかった。

足がすぐ必要なのであれば、即納可能な中古車を当たるのが一番であることは理解しているが、ちょうど中国にいるときに某大手中古車販売業者がニュースで話題となり、中古車業界に対するイメージが大きく下がってしまった。加えて、海外赴任である程度の現金を貯金していることもあって、少し背伸びをしていい新車を買いたいという気持ちもあったため、どちらにしても今回の車選びで中古車を選ぶことはなかったと思う。しかしながら、後述の事情を考えると、本来は選択肢に入れるべきであるとは思う。

長納期化の風潮

トヨタ公式HPより

昨今の半導体不足の影響はいまだに大きく、世界最大手の自動車メーカで、豊富なサプライチェーン網を持っているであろうトヨタのHPを見ても基本的には3か月程度~、モノによっては販売店問い合わせ、一部車種に至っては受注停止となっているなど、新車を買うのには非常に時間がかかる時代となっている(2021年に職場の先輩のアクアが3週間で納車されていたのが懐かしくも感じられる)
新車でそこそこの納期(2か月以内)で考えていた身として、これによりまず非常に買う選択肢が狭まっているのを感じた。

マニュアル車が…ない!

中国ではEVが多い

中国赴任中は国際免許が使えない(現地で試験を受けて合格する必要がある)ので、中国にいるときは専ら助手席、もしくは後部座席専であった。そして中国は今EV大国であり、上海ではそもそもEVじゃないとナンバーが取れない(すごくお金がかかる)事情があり、従業員やお客さんの車をEVへと変わっていった。中国では比亚迪(BYD)、Tesla、吉利Zeekr、キャデラック、理想などのEVに乗せてもらう機会があったが、どの車も本当に静かだし、加速は首が痛くなるレベルで早いし、インフォテイメントの画面がデカいしハイテクだし、内装も綺麗で良くできているなと思っている。充電インフラも十分に整っている中国でもし車を買うとすれば、私もEVを選ぶだろう。

キャデラック LyriQ(日本未発売)

しかし、今いるのは日本でEV車はまだまだ発展途上であり、加えて前回ジムニーシエラをマニュアル設定で購入し、マニュアル車の楽しさを実感したせいでシフトレバーを動かさないと気が済まない体質に変わっていた。そのため、中国で高級EVに触れていても、次の車はMT車を選ぼうという考えは変わらなかった。日本に帰任することを内々に教えてもらった頃から次に乗る車を調べていたのだが、思った以上にMTがなくなっていたのに気づいたのはこの後すぐのことだった。

・MT設定の廃止:トヨタ カローラ スポーツ

帰国するにあたり、そこそこ手頃な値段で、いい感じに走れて楽しそうなクルマで、カローラスポーツならサイズ感含めてベストだなあと思っていたのだが、HPを見てもMT設定が存在せず、調べるとそもそも2022年10月には廃止されていることを2023年の夏に知った。中古車市場にはわりと出回っているので、中古車でも良ければそれを買えばよかったのだが…。ということで、あきらめざるを得なかった。

・MT設定の廃止:マツダCX系

前回ジムニーシエラを買うときにも最後まで選択肢に残っていたマツダのCX-30は、2023年8月の「Retro Sport Edition」の追加に伴い、値上げ+全車種に特定のエンジンであったMT設定が全て廃止された。ちょうど7月くらいに車選びを開始して、CX-30のMTがいいかなあと思っていた矢先のオーダー停止+MT廃止だったので、結構衝撃を受けた。

上述の通り、マニュアル車は減っていく一方である。それはそうで、そもそもマニュアル車は趣味の領域であり、トヨタとて最近はGR系に代表される高級路線(スープラにMT設定が追加されましたよね)、もしくはヤリス、フィルダーやアクシオのような安価な車にのみ設定が残っている。CAFE規制や安全基準の適合など最近のクルマは厳しい法規にガチガチに縛られており、それらの対応をすべく各社は車種やエンジン、トランスミッションに加え本体も集約する(TNGAプラットフォームとかはその代表例ですよね)傾向にあり、それならば売れない設定は減らしていくべきだという合理的な判断が感じられる。マニュアル車は淘汰される運命にあるし、私とてマニュアル車に拘るのは今回で最後にしようと思っている。

選ばれたのは…

MT車の選択肢が非常に絞られていることは十分に理解した上で、いくつかの候補を考えた。

  1. スズキ スイフトスポーツ(ZC33S)
    前モデルのZC32Sに乗っていたので、ZC33Sも楽しめることは間違いないのだが、いかんせんもう数年経ったモデルでそろそろフルモデルチェンジでもするのか、はたまたCAFE規制でマイルドハイブリッド化するか。というのがいまいち読めないので、今回は除外。

  2. スズキ ジムニーシエラ(JB74)
    2年前に乗っていたが、そもそも2年で戻ってこれたなら売らなかったなというのが正直な感想。今更買いなおすとしても前回のように運よく3か月で来るような状況はありえないだろうし、除外。

  3. ホンダ シビック
    TYPE-Rじゃないやつ。今でもちゃんとMTを残してくれている貴重な車種で、見た目もいい感じ。ただ、工場納期が4か月程度となっていたため、新車購入は断念したほうが良さそうなので、除外。

  4. マツダ Mazda3
    2023年4月に年次改良をしたおかげで、8月のCX系のMT廃止の流れから外れたもの、しかしながらeーSKYACTIV G以上のグレードのみMT設定が残っている状態。納期は2か月程度(公式HPより)

買ったやつ

…正直、Mazda3一択しか残ってなかった。

もともとカローラスポーツのサイズ感の車種を見ていたし、Mazda3ファストバックのデザインはかなり好きなほうである(後方視界がものごっつ悪そうなのも含めて)。じゃあなぜCX系を見ていたのかというと、私が雪国に住んでいるからで、SUVのように樹脂が足回りにあったほうが、傷つくリスクに対してまあいいかと割り切れるところが大きいからだ(ジムニーシエラはその極致ともいえる)。今回はMT車に乗りたいという気持ちを捨てることができず、足回りのコーティングなどに課金をしたものを契約する運びとなった。今回契約したのは8月に出た「Retro Sport Edition」のe-SYKACTIV Gの2WD 6MTで、内装も中国で乗っていたEVに対しても(インフォテイメント以外は)遜色なく、絶対に楽しめると確信している。

価格はスタッドレスタイヤの購入、保険、足回りのコーティングなど含めコミコミで300万円まんなかくらいで、もともと想定していた予算と合致していたため、海外赴任パワーで早々にお金だけは一括で支払ってきた。まだ車体番号は出ていないが、来月中には手に入る見込みなので、納車されたら大事に乗りたいと思う。

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