久々のポケモンで200時間以上溶かした中年男性
10年以上ぶりのポケモン
厳密に言えば、一瞬だけポケGOとポケマスをやってたのだが、コンシューマ版で言えば「BW」以来のポケモンゲームをプレイしたことになる。
小学生になったばっかりの頃に、同じ歳の従兄弟とゲームボーイポケットと共に買ってもらったのがポケモンの赤で、当時はずっとプレイしていた。何故当時の私は同世代の全バージョンを買ってもらってプレイしていたのか。今でも理解できない。多分アホなんだと思う。
プレイ遍歴からもわかるように、私はちょうどダイヤモンド・パールをプレイしておらず、シンオウ地方のことを知らないため、今回のレジェンズアルセウスをする為の前知識がほぼない状態だった。加えて職場の同僚の勧めもあり、春節休暇の真ん中くらいになんとなく購入。結果、図鑑をコンプして団員ランクを最高にし、色違いやオヤブン捕獲を楽しんでいたらいつの間に120時間ほどを溶かした。さらにアップデートで倍ほど時間を溶かした。
Pokemon Legends アルセウスについて
めっちゃざっくり言えば、現代人の主人公がアルセウスによって着の身着のまま過去にタイムトラベルさせられた上に、手持ちのスマホをすげー使いづらく魔改造されてしまうというかわいそうな展開から話が始まる。
当時はヒスイ地方と呼ばれる北海道がモチーフのこの地方。人々は集落(村)を形成し、不思議な生き物「ポケモン」と隣り合わせの生活を営んでいた。
主人公が落ちてきたのは「ギンガ団」の村であるコトブキムラ。人々は一見排他的に見えるが、ムラでの役割を果たすことで一員として認められるといった、出自や境遇に関わらない組織となっており、実際ムラに住む人間の出身も様々である。時空の裂け目から落ちてきた出自のよくわからない主人公に対して、ギンガ団はラベン博士の進言もあって、ポケモンの調査隊としての仕事を与える。
この時代では、人々とポケモンの関係は現代のような「仲間」という扱いではなく、得体の知れない外敵といった側面が強い。実際のところ、隊員はムラの外で野生のポケモンに襲われており、救助隊がいることから、人間は緊張感を持ってポケモンと隣り合わせにいる関係であることがわかる。過去作でポケモン未所持の状態で草むらに入ると「あぶないから」誰かが止めに来るという展開は、マジだったことを教えてくれる。現代では当たり前になったポケモンをパートナーとする行為は、こういった経緯で生まれたのか…。
ヒスイ地方にはギンガ団のほかに、土着の集団が2ついる。どちらも「シンオウさま」という神を信仰しているが、互いの教義の違いから決して仲が良いわけではなく、シンオウさまは空間を司るのか、時間を司るのかでいがみ合っている。
軽く今作のストーリーを説明すると、時空の裂け目が発生して主人公がタイムスリップしてきたのと時を同じくして、ヒスイ地方の各所にいる「キング(クイーン)」と呼ばれるポケモンが突如暴走しはじめる。主人公はポケモンの調査隊として、彼らを鎮めるために各地を回っていき、時空の裂け目の発生の謎と、「シンオウさま」とは一体どんな存在なのかをシンジュ団やコンゴウ団、ポケモンの力を借りながら解明していくという流れになっている。
とにかく捕まえ倒せ
今作は、フィールドに生息しているポケモンに直接ボールを投げて捕獲することができる。また、自分の手持ちポケモンで戦わせて弱らせて捕獲という従来のやり方もある。ただし、どちらかといえばポケモンバトルなしでの捕獲が主となっている。主人公はポケモンに気付かれないように音となく忍び寄る。気付かれると逃げられたり、襲われたりしてしまうからだ。襲われると容赦なく突進されたり、時にははかいこうせんを撃たれてしまう。ポケモンからのこうげきを一定以上食らうと主人公は気絶して救助隊のお世話になる上に、手持ちの持ち物を失うといったペナルティまでつく。
今作は、ポケモンの視界に入らず近づくといったスニークスキルや、ときにはアイテムをぶつけてひるませたり、エサで釣って油断させたりといった手段を取ることができる。今回は敵の背後からボールを当てることにより「背面取り」といった効果が発生し、捕獲率が上がるボーナスが付与されるため、気付かれずに背面からボールを当てるスキルが重要になってくる。
今作のポケモン図鑑は、ただ捕獲すればOKということではなく、捕獲するほかにもそのポケモンの生態や使うわざといったものを観察することで研究レベルが上がり、研究レベル10以上となればそのポケモンの調査が完了したことになる。ポケモン図鑑のデザインが現代のものとは違い、綴り紐で縛られた本ということで、写真を貼りつけて手書きで更新するというアナログで地道な調査をしていること。また、主人公が来るまではロクな成果があげられていなかったことも暗に示唆されている(主人公が来てから、シマボシのヤケ食いの頻度が露骨に下がった=成果が出始めた。ということだろう)
時代が異なることから、生息するポケモンも現代と異なった姿をしている場合がある(リージョンフォームと言うらしい。へー)例えば最初に貰える御三家はモクロー、ヒノアラシ、ポッチャマの3体であるが、彼らの最終進化系に違うタイプが付与されていたり、ストライクの別の進化系がいたり、リングマやバスラオに進化系がいたりする。
また、野生ポケモンの中でも、通常の2.5倍くらいのサイズで、目を赤く光らせる「オヤブン」というのがいて、オヤブンは元のポケモンが見つかって逃げるタイプでも見つけ次第襲いに来たり、戦闘の際も普通の野生よりやたらと強くなる。捕まえるとデカい以外にデフォのがんばレベルが高くなるのと、教え技をランダムに1つ覚えていることもある。オヤブンは固定配置のほか、ランダムでオヤブン化する場合もあり、オヤブンを求めて何回も同じ場所に行くこともあった。
基本的にポケモンの生息地は決まってはいるが、ランダムに起こる大量発生、および本来生息しないポケモンが出現する「時空の歪み」といったイベントが発生。大量発生では色違いなどの出現率が上がり、時空の歪みではポケモンのレベルが上がり、平常では逃げるイーブイでさえ襲ってくる。時空の歪みにしか発生しない貴重なポケモンもいるし、換金アイテムや進化用素材(今作は通信進化のものは全て通信は不要)を拾うことができる。
シンプルになった育成と戦闘
ポケモンの捕獲がメインのコンテンツだということで、戦闘については簡素化している。先ずは対戦をする人なら必ず知ってる個体値と努力値というパラメータが一律で廃止され「がんばレベル」というものに統合、よく言われるポケモンの厳選といった作業は性格のみになる(知らなかったが、近年のポケモンは性格の補正自体もアイテムで変えることができるようになっており驚いたが)
これも近年のポケモンではそうらしいが、戦闘に参加していないリザーブメンバーたちにも経験値が入る仕様となっており、捕獲したり倒したりすることで全員を育成することができる。デフォで初代のがくしゅうそうち機能があるとはたまげた…。
実際のポケモンバトルについては、捕獲メインということで戦略性を少し減らしたバランスとなっている。主な変更点としては
各技に行動速度のパラメータが追加されたのが今作のポイントで、たとえばでんこうせっかであれば行動速度を早めて技を出すことができる一方、反動技のはかいこうせんやギガインパクトは次の技が出せるまで長くなったりする。更に、普通の技でもレベルアップやアイテムにより「皆伝」わざとなると、威力を下げて行動速度を上げる「ハヤワザ」威力を上げて行動速度を下げる「チカラワザ」が追加される。
ハヤワザを駆使することで連続2回以上の行動が可能になり、同じ技をハヤワザ→チカラワザの順で使って相手を一気に倒したりできる。行動速度はポケモンを倒しても引き継がれるパラメータのため、従来作のかちぬきバトルシステムのように、ポケモンを倒して交代した後にも仕切り直しとはならず、前の相手をチカラワザでトドメをさしていれば、相手が低レベルでも先に行動されてしまう。今作は上記のバランスのお陰で、意外とレベル差があってもあっさり倒されるので、舐めてかかると大変なことになったりする。
もちろん、トレーナー(という呼び名ではないが)とのポケモンバトルも可能で、ストーリー中でも適宜戦うことになる。かちぬきバトルかつ、上記の行動速度のスタックはポケモン交代後も引き継がれるので、ハヤワザ→チカラワザで相手にトドメを刺したと思ったら、次の相手のポケモンが2回行動してきてあっさり倒される。といったことが普通に起きる。基本的にストーリー中のバトルは最後を除いてヌルゲーのため、最後の戦いには驚かされることになるだろう。私は最終バトルに全滅しかけたが、相手の技が3連続で外れるといった逆フロンティアクオリティがはたらき、初見で何とか勝つことができた。
アクションについて
主人公はフィールドを駆け回り、圧倒的な投擲コントロールスキルでポケモンを捕まえていくことができるのだが、そのスキルを買われて各地域にいる「キング」を鎮める仕事を与えられる。
狭いフィールドで、主人公はポケモンの猛攻を避けつつシズメダマを当てていくことで相手のHPを減らし、弱ったところでポケモンをぶつけてバトルすることもできる。
アクションパートについては、完全無敵回避のドッジロールがあるのでそこまで苦戦することはないが、画像のマルマインや最後はなかなか厳しく、普通に負けることもあった。
追加コンテンツ「ヒスイの夜明け」
この記事を書き出したのは2月中旬で、そこから間もなく図鑑をコンプリートして次のゲームに移ろうと思っていた矢先に、公式がポケモンダイレクトにて新作の発表および本ゲームの無料アップデートを実施。そうしてまたヒスイ地方に閉じ込められるハメになってしまった。おもなアップデートとしては下記。
大大大発生は普通の大発生と異なり、同じマップで一度に11〜15箇所の大発生が起こる。言うなれば「捕獲祭り」みたいな時限イベント。
さらに大大大発生の出現ポケモンは、指定ポケモンの進化系が出たり、指定ポケモンの発生が終わった後にWave2が出る場合もある。Wave2では全てオヤブン化する場合もあり、途端に緊張感が高まる。
進化系やオヤブンが一度にたくさん出ることで、主人公が多くの攻撃に晒されるリスクが上がり、従って今までのスニーク捕獲だけでは済ますことができず(スニークしてたところで捕獲失敗すると気づかれるので)、ねばりだまなどのポケモンの行動を止めるアイテムで対処しなければならなくなる。
恐らく本編ではねばりだまはおろかどろだんごの出番さえ無かったユーザーのためにその効能を知らしめるという役割もあったのだろう。サブ任務のストーリー中にもねばりだまの材料を随所でもらうことができる。
バトルコンテンツについても、本編では最後の連戦以外はおそらく育成を意識することなくゲームを終えていたが、以下の要素が追加された。
特に、「いっぴき道」についてはいくつかのポケモンがサブ任務として課せられていることから、力が入ったコンテンツであると思われる。
とはいえ、戦闘システム上そこまで複雑には出来ないので、一部の工夫がいるポケモン以外は基本的にレベルとがんばレベルと適切な技を覚えさせてごり押す。といった作業になる。特に、ベイビィポケモンの一部や2回進化ポケモンの最初のポケモンだけがLv80の相手が設定されている場合があり、育成に時間がかかってしまう。そのため、いっぴき道をコンプしたい人は、先にベースのポケモンをなるべく高いレベルまで育成して先にクリアさせてから順次進化させる。といった方式を取らないとかなり時間を吸われるので気をつけよう(反省)
最後に
本作は、(後付けなのは理解しているが)ポケモン世界の人々はなぜポケモンをパートナーとしているのかといった根幹の疑問点についてある程度の回答をくれた作品だなと思った。古い時代に、人々はポケモンと共存するか否かという葛藤があって、その積み重ねが現代のポケモン世界を創り上げたというのを、ダイヤモンド・パールの舞台を使って掘り下げていったのは面白かった。ダイパやってたらもっとストーリーが楽しめたのだろうなと思うと、当時やらなかったことを後悔している。
ゲームとしては、探索と捕獲がメインのゲームとして戦闘も簡素化しつつも新しい要素を入れるといった工夫があり、総じて楽しめてプレイできた。結局は繰り返し作業になるのはポケモンの宿命だとして、それでもオヤブンや色違いが出た時の驚きや嬉しさ(個人的にオヤブンが一番いいシステムだと思った)があり、昔よくやった孵化厳選ほどの苦しみはなく、遊びやすいゲームだと思う。
ただ、アクション面には少し不満点はある。
多少私怨っぽい感じになってるが、射出系の発生補償は本当にやめて欲しかった。アイテムなしだと主人公はやわいので尚更…
とはいえ、200時間以上もプレイしているので流石に慣れてしまいましたが。。
おまけ
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