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猫ゲーム「Stray」をプレイしました。

ゲーム内容のネタバレを含みます
だいたいこのくらいの時間でトロコンできます。
PS5でプレイ
発売日:2022年7月19日
ジャンル:アクションアドベンチャー
価格:3520円
プレイ時間:15時間程度

発売前から「猫」に対するこだわりの強さを宣伝文句に、ネットで話題になっていたゲーム。最近は自分でゲームを発掘することもなく話題作をつい購入してしまうのだが、これも例外なくそうです。

あらすじ

ネコチャン
かつて人間が生活を営んでいたであろう廃墟

仲間の猫といつものように生活していた猫が、ある日散策中に大きな穴に落ち、文字通り「Stray(迷子)」になるところから話が始まる。深い穴に落ちて目覚めた猫の眼前に広がるのは、人間の文明の残滓。生命の気配がなく廃墟のような街を進んでいくと、謎の節足動物の集団に襲われる。

猫の相棒「B-12」

節足動物の集団から逃げたのち、廃墟の中を猫は誘導されるように奥に進んでいき、その先で「B-12」と名乗るドローンと出会う。ドローン自身も何のために作られた機械なのかがわからないが、タッグを組みさらに下っていく。

ロボットの「生命体」

降りた先で、猫とB-12はロボットたちが住む街に着く。彼らはかつては地下世界から地上世界への到達を夢見るものの、街の外には「Zurk」と呼ばれる存在が彼らを襲い破壊するため、街に何百年も幽閉されているようだ。
しかし、外からの生命体「猫」がやってきたことにより、地上に行くことを望んだロボットたちと、仲間のもとに戻ろうとする「猫」そして「B-12」が地上に向かいながら、この不思議な世界の謎を解明していく。といった話だ。

このゲームのいいところ

素晴らしいビジュアル

ネオンの表現が良い
バケツ猫。かわいい。
画面はブラウン管

このゲームを買った第一の理由は「絵がきれい」であること。廃墟になった街の全体的にレトロな表現がとにかく良いし、ロケーションごとに適切にフィルタされた映像が飽きることがない。猫になってとにかくのんびりと気ままに街を見渡すだけでも楽しい。探索面についても、狭いフィールドと猫のサイズ感のバランスが良く、特に高さ方向や狭いところの探索が非常によくできていたと思う。

「猫であること」へのこだわり

随所にある「爪とぎ」スポット
コントローラを腹に乗せて寝てみたりした

私は猫を飼ったことがないので、リアルを知っているわけではないが、このゲームにおいて制作陣は「猫」に関する描写をとにかく細かく表現しようとしていることは十分に理解できる。
ゲームの構造上、高さ方向の移動が多いのだが、こういったアクションADVにありがちな「滑り落ちてしまう」「高所から地面まで一気に飛び降りることができてしまう」とか「すごい距離をジャンプできてしまう」といったものが一切なく、屋根のへりに行くと猫が縮こまって動かなくなるし、あくまでも猫が届く範囲でしか飛ぶことができないし、走っている際に方向を変えようとしてもカクっと曲がることなく、猫のもつ旋回半径に従って動く。高所からものを落とすときも、あくまでも猫が前脚でちょんちょんたたきながら落とすし、警戒するときはちゃんと脚を伸ばし胴を丸める、いわゆる「やんのかステップ」だってする。寝るときの呼気はPS5のDualSenseコントローラの振動の工夫で「猫を腹に乗せているときの呼吸」を再現してみたりと、とにかくこだわりが凄い。操作感についても思い通りに動かすことができ、快適にプレイできた。

すりすり
ロボットたちとの交流

猫はあくまでも「ニャー」と鳴くことしかできず、街のロボットたちとの交流はドローンの「B-12」がしている。おそらく猫は彼らの話す言葉を理解することはできないだろう。ただ、B-12やロボットたちのノンバーバルコミュニケーションによって、ゲームの最後のほうになれば、猫とB-12とロボットの間には確かに「つながり」ができ、言葉がなくても通じ合っていると感じられるようになる。ハートウォーミング。

不満点

総じて良いゲームだと思うので、特に不満点はないのだが、あえて書くなら

進行不可能になるバグがたまにある

「ジェイル」でB-12を助ける際に、Clementineが動かなくなり次のドアを開けてもらえず進行不可になってしまった。その他フラグ関係の不具合(サーチカメラの視界の範囲がおかしくなり、絶対に見つかってしまう状態になる)などはあったが、どれもチェックポイントの再読み込みでなんとかなるので、RTAでもしない限りは気にはならないだろう。

「キャント・キャット・ミー」が難しい

無機物でも襲う変異バクテリア「Zurk」

Chapter2で、猫がZurkの集団からつかまらずに逃げ切ることで獲得できるトロフィーなのだが、これが結構難しい。というか運の要素が大きいように思える。猫を直接(軌道を補正しながら)捕まえようとしているZurkがどうしようもないタイミングで視界に入りつかまる。狭い道でのZurkの落ち方にばらつきがあるため、場合によっては回避不可能になる。ある程度のルート取りはできるものの、最終的には運じゃね?ってなってしまうものをトロフィーにしないで欲しい(研究が進めば、100%避けられる立ち回りができるのかもしれないけど、少なくともトロコン勢にはそこまでの研究心はない)

一応クリアしたときのものは動画にしておいた

「なわばり」トロフィーの見逃し

章によっては一か所しかない「つめとぎ」ポイント

これは不満点というか私自身のプレミであるのだが、「なわばり」について。このトロフィーは全チャプターでひっかく行為ができる場所でひっかくことで獲得できのだが、取り漏らしをチェックすることはできないので、ゲームを一周してトロフィーが手に入らなかった場合、覚えてなかったら結構なやり直しになる(やり直しになったアホがわたしです)

最後に

「人間が滅んだ世界を旅する」ゲームは少なくはないと思うし、過去には「Tokyo Jungle」のような動物が主人公のゲームだってあったりしたが、このゲームはそんなありきたりの設定の中でも「猫ならではの視点や動き」にこだわった作品で、謎解きや道中の移動にその思想が十分に表されていたと感じた。昨今のオープンワールドにありがちな「自由に移動できる」ことを敢えてやらず、オブジェクトにインタラクトさせることで猫を動かすといった本来なら不自由に見えるやり方も、このゲームでは「猫らしさ」に拍車をかけて、自由さを損なったようには感じられなかった。話題性に引っ張られて購入したものの、やってよかったなと思うゲームでした。

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