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FINAL FANTASY VII REBIRTHをプレイしました。
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FINAL FANTASY VII REBIRTH
発売日:2024年2月29日
ハード:PS5
価格:9878円(通常版)
プレイ期間:2/29~4/20
プレイ時間:101時間(初回クリア) 180時間(トロコン)
待望の続編、大幅にスケールアップ
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FF7REMAKEから5年弱、待望の続編の発売。空き時間を割いてできる限りプレイしたが、初回クリアに100時間以上、そしてトロコンまで180時間を要したときに「やっと終わった…」という気持ちにさせてくれるくらいには、今作はやることが多かった。前作はトロコンまでで85時間程度であったことを考えても、ゲームとしての絶対量が多くなっていることは確かだ。
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前作は「ミッドガル内のみ」の物語だったが、今作はグラスランド・ジュノン・コレル・ゴンガガ・コスモ・ニブルに広大なオープンマップ、およびそれらの地域に付随するダンジョンや施設などが散りばめられており、個人的にはほぼオープンワールドのゲームをしている気分であった。REMAKEではおそらくハードの制約でできなかったことを、REBIRTHではPS5の能力をふんだんに発揮したゲームつくりがなされていると思わされた。
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今作からはゴールドソーサーが登場する都合上、様々なミニゲームが盛り込まれており、楽しむ要素が増えた一方、ミニゲームが多すぎて(最高ランクを取るのが)めんどくさいという問題もあった。今作は特にカードゲームは設定の作りこみまで行われているほどの力の入れようだったのだが、サバイバルバトルは本当にしんどかった…。タワーディフェンス系のゲームもコンドルフォートに加えてもう一個作られているのは本当に驚いたし、ミッションモードでもう一回ずつやらないといけないのか…とうんざりしたのも、トロコンを狙う身としてはちょっと辛かったところである(結局コンドルフォートのミッションモードが一番つらかった。なんで判定勝ち無くしたの…)
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ミニゲーム辛い問題はおいておいて、私がこのゲームに期待するのは戦闘パートなので、戦闘面について書いていこうと思う。
バトル面の変化
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REMAKEをプレイした当時は「アクションRPGのように見えて、意外とコマンドRPG」と結論付け、INTERmission(ユフィ編)では「FF7RのアクションRPGのアクション面を強化したゲーム」と述べてきた。INTERmissionプレイ当時の懸念点として、ユフィの攻撃スピードや戦えるレンジの広さがあまりにも優秀すぎて、パーティに合流したときに他キャラの有用性が薄れるのではないかと思っていた。
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先に戦闘面全体の結論から言えば「基本的にはコマンドRPGではあるものの、より能動的に動かすことおよびアクションの巧さに付加価値を与えている」と表したい。そして、これらがFF7Rをさらに面白いゲームにしてくれていると感じている。
能動的に動かせ~れんけいアビリティ
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今作のバトルの目玉要素である「れんけいアビリティ」は、特定のキャラ2名が、バトル中に消費したATBゲージ量に応じて、強力な連携技を出すことができるようになる。リミット技を一段階上げる、バースト時間を延長する、消費MPを一定時間0、前作リミット技のひとつであった最大ATBを3にする技の「ヴィジョン」もこれに統合されておりどれも(タイミングを見計らう必要はあるものの)使い得な選択肢となっている。
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このシステムが良いと思う点は「れんけいアビリティにはATBの消費が伴わない」ことである。前作ではATBをちまちま溜めては個々人がアビリティを出すため、ATBがないとどうしても待ちゲーにならざるを得なかったし、ゲームが下手であればあるほどジリ貧になることが多かった。REMAKEでは私はよくやっていたことだが、基本的にクラウドかティファばっかりを操作して、バレットはぶっぱなすがたまるまでは放置…といった感じのプレイングになっていたのに対し、今作ではとにかく「いろんなキャラをATBを貯めさせてどんどんアビリティを回して連携を出す」という立ち回りになっていた。敵も連携アビリティを当てることがHEATの条件に設定されているのもあって、積極的に使うことを想定したものになっている。
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また、今作ではガードアクション(R1ボタン)のショートカットが「れんけいアクション」として設定されている。それらは火力技であったり、ガード技であったり、カウンター技であったりするし、何よりのメリットが攻撃技であれば二人同時にATBをためられるところではあるのだが、いかんせん使い辛い。というよりチュートリアルが薄すぎるせいで上記のメリットを知らずにプレイしてた人も多いと思うし、れんけいアビリティを違ってウエイトモードで内容を確認できないし、キャラの組みあわせに応じて「攻撃系」「防御系」とボタンのアサインは同じではあるものの、どれが何を発動させられるのかをさっと確認できない(実はできるけど気づいていない)のが少しもったいないと思った。とはいっても、れんけいアクションについては知らずともちゃんとクリアできるようにはできているので、使えてなくても安心してほしいし、実際私はエアリス操作の「チェンジガード」で聖なる魔法陣に味方を瞬間ワープさせる以外の用途以外ではほとんど使わなかった。
能動的に動かせ~アクション面の強化
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このゲーム回避行動はよくあるアクションRPGのようなモーション開始から何フレームかは無敵時間になるといった設定はなく、あくまでも相手の攻撃の判定から外れるための行動であるがゆえに、実のところそこまで万能な行動でもない(しかも走り避けできる技もまあまあ多く、無駄に回避を連打すること自体があまり良い行動ではない)。
(訂正:キャラ毎に細かく無敵時間が設定されていました)
その分ガードアクションは強力にできており、敵の技に備えて予めガードボタンをホールドしておくのはこのゲームを楽に進めるために重要なことである。加えて、FF7Rでは相手のガード可能な攻撃をジャスト押しすることでダメージを0にできる「ジャストガード」が追加されており、今作もそれが実装されている。もともと強いガード行動が「アクションの巧さ」により付加価値(ダメージ無効+バーストゲージ増加など)が得られるというのはアクションRPGにはうれしい要素であるし、また今作になって追加された「ジャストガードきょうか」はジャスト押しの猶予を増やしたり、最大Lvになると相手の拘束技を「ジャスト押しで」ガード可能という効果が付与されている。これはタイマン系でじっくりと相手と向き合って戦う分には非常に良く、決まると非常に嬉しかった。
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また、もう一つアクション面の要素として「追加入力のある技」も一部設定があり、ティファのヘブンズトライバル、ザックスのハイブレイバーは技中にタイミング良く攻撃ボタンを追加入力していくことで「2撃」「3撃」とアビリティを続けることができ、他キャラの操作が一時的にできなくなる分、ATBゲージ1消費の割に大ダメージをたたき出すことができる。追加入力もそこまで難しくはなく(音やマーク、画面の左下の攻撃ボタンの表記が変わったタイミングなど、複数の手段でプレイヤーに教えてくれる親切もがある)、ちょっとだけアクションを頑張れば大きなリターンが取れる点も良いと思った。
キャラコンの重要性
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FF7REMAKEでは操作キャラがクラウド・ティファ・エアリス・バレットの4人であったが、今作は加えてレッドXIII、ユフィ、ケット・シーの3人が加わり合計7人(+2)が操作キャラとなる。アクションRPGとしては操作キャラが多いのはキャラコン(≒キャラクターの動かし方を理解し使えるようになる)の面としては非常に困る要素ではある。
昔だとFF零式は14人のプレイアブルキャラが居て、基本的には結局使いやすいキャラしか使わなくなるせいで普段使わないキャラ操作がおぼつかなくなる問題があった。その点FF16は一人操作だから楽。
キャラコンの面で言えば、レッドXIIIとケット・シーが完全な新規キャラであり、しかもケット・シーがストーリーの都合上後半に加入することとなり、各々の特性や操作感、どんな行動が強いのかというのを理解するのには非常に難しかった。それを補うかの如く、レッドXIIIはコスモキャニオン、ケット・シーは神羅屋敷で個別操作パートが設けられてはいるが、それでも最終的にはバトルシミュレーターのHARDモードチャレンジのキャラタイマン連戦まで理解できていなかったし、アクションRPGとしてキャラを増やすことの難しさは改めて感じた点である。
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その分、前作では「武器毎にステータス成長させる」煩雑なシステムだったのに対し、今作は武器ステータスはキャラのウエポンレベル(スキルブックのコンプ率)で、アビリティツリーが1キャラ1つと簡素化されているため考えるコストが下がっており、また武器アビリティのカスタマイズ性が上がっているのは助かった。結局全部解放するとしても、解放順は大事なので。
各キャラの使い勝手
個人的な感想です
クラウド
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さすがの主人公で圧倒的に使いやすい。物理も魔法もなんでもでき、さすがはS細胞の適合者ともいえる。個人的に前作から思っていた「もうブレイブモードだけで良くない?」問題は、今作では圧倒的なアサルトモードの使い勝手の良さで解決され、さらにブレイブモードには「真・ブレイブモード」という強化版まで出してくれている。アサルトモードでの回避行動からの攻撃で衝撃波を飛ばすのは火力はないものの、安全にATBを稼ぐのに大いに役に立つし、回避行動からの攻撃ホールドで空中攻撃に持ち込む、フラッシュフレイムで空中に飛んだあと、空中発動で強化されるブレイバーや最後半で手に入れられる空中技のエアリアルドライブを叩き込むといった芸当ができるようになっている。
最終的にはメンバーNo.2の魔法力でガ系魔法連打キャラになるのが楽なのだが、それを支える真ブレイブモードのバーサク攻撃の3段目のモーションを考えた人は天才だと思う。良すぎる。
ティファ
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今作から乳揺れもすごくなった格闘特化の彼女は使い勝手は前作と変わらず、素早い動き、バックフリップのジャスト回避ATB回収、秘技解放からのバースト時のバースト倍率アップの正拳突き→掌打ループといった点は変わらず、クラウドと同様秘技解放に新しく「破」が追加され、魔法攻撃化するものの秘技がバースト特化型に変化するといった技が追加されている。秘技のATB回収率の良さから、「掌打ラッシュ・破」→「秘技解放・破」のループで一部の敵は完封できてしまうといった立ち回りさえあり、先にも上げた追加押しアビリティの「ヘブンズトライバル」をオーバードライブの後に撃つと割とあっさりと9999ダメージに至るのが爽快。
バレット
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前作と同様ATBをたくさん回収できる代わりに技がATB2たまってるとその分全部アビリティに消費しちゃうといった点はあるものの、今作では(前線には出ない)タンクキャラとしての強みがある。今作は前作と違い「HPアップ」マテリアでのHP上限引き上げが100%→30%に大幅に下げられた影響で、そもそもHP量が多いバレットが「アバランチ魂」を使って回復タンクになるという明確な役割分けができていると思うし、バースト直前に「魂の暴発」でATB増加を一時的に爆増させてバースト時にATBをぶん回すことができるのは楽しかった。HARDボスやタイマンのバトルシミュレーターではその分結構苦労はしたが…。
エアリス
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育ち切れば最強。エアリスはまさにそんな感じ。前作の存在意義のわからなかった△の「テンペスト」は通常攻撃のチャージ攻撃に移行し、その分△ボタンには近くの魔法陣にワープするコマンドが追加された。これは移動速度の遅いエアリスには完全なシナジーとなっており「聖なる魔法陣」にさっと移動して魔法を連打、おまけにチェンジガードで仲間を呼び寄せて一緒にまほうついげき…みたいなムーブができるのに加えて、自身でも技の質を変える「閃光の魔法陣」で手数を増やしたり、後半になれば時間経過で強力な攻撃を繰り出すことができる「セイントチャージ」が追加されたり、ユフィと応援の魔法陣で仕様のバグみたいなATB錬成ができてしまったり、間違いなくゲームバランスを壊せる能力を持っている。高難易度バトルシミュレーターでは必須のメンバーとなった。
レッドXIII
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リベンジモードを知るまでは弱いやつだと思っていました。リベンジモードになってから真価を発揮するタイプのキャラで、手数、移動速度が上がる上に、HPが減ると威力の上がる「ブラッドファング」のおかげで実は全キャラ中最もインファイト適正があるキャラ。ストーリー中ではサポートキャラとしてしか使ってなかったが、HARDのタイマンチャレンジでようやくその強みがわかった。
ユフィ
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前作「INTERmission」で、もうこいつ一人で全部いいんじゃないかなと思っていた万能シノビガール。使い勝手はそのままに、今作は手数を増やす「分身の術」や、「風林火山」を発動後の連続攻撃中は火力が増えるという仕様まである。おまけに一部拘束技を抜ける「やぶからぼう」もあり、器用万能キャラであることは間違いない。その分火力面は控えめではあるが、このキャラを使いこなせない人は正直あまりいないと思う。とりあえず困ったら入れておくメンバー。最終戦までずっと活躍してくれてました。
最終的にはエアリスとの組みあわせでバグ級のATBタンク「ユフィがぴょんぴょんするんじゃ~^」があるせいでずっとメンバー入りしていました。いや、バトルシミュレーターでふつうに戦うのに疲れておりまして…。
ケット・シー
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西宮出身の石川英郎さんの軽快な関西弁を聴くために居るキャラ…じゃなくて、ギャンブル特化アタッカーである。モーグリを呼ぶためにATB1を要するため、どうしても使いづらい面はあるものの、モーグリをひとたび呼んでしまえば攻撃ボタンホールド押しのバースト力のある攻撃、分離すればモーグリをタンクとして前線に張りながら別に動くことができたり、バースト時にぱんちをすればティファ顔負けのバースト率を出すことができたり。このキャラはHARDのタイマンシミュレーターでだいぶ苦労したところでようやく使い方が少しわかった。個人的にどれだけ運を上げても「フォーチュンアタック」のクリティカル率が50%なのはあんまりいただけなかった。せっかく運特化アタッカーなのにね…。
ザックス
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神さえも倒すことができる最強ソルジャーの一角であるのだが、結構使いこなすのは難しい。△ボタンでチャージをすると大きな隙を晒すため基本はコンボ中に出てくる「△クイックチャージ」を押すことになるが、それにしてもチャージゲージが減るのが早すぎる。もちろんチャージLv3にすることで各種アビリティが強くなるのはもちろん、ハイブレイバーがATB1消費にしては破格の威力を出せることもありはまれば楽しいのだが。。。結局バトルシミュレーターでもラスボスでもクラウドのサポートに回していた。
セフィロス
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実はあまり使えていないので特にコメントができない。英雄キャラとして「アビリティ技でどんどんリミットがたまっていく」「攻撃を喰らわないほどどんどん強力になっていく」といった仕様、ガードはパリィでそれも強力だったり、リミット技に追加入力があったりするため、間違いなくザックスよりは強い。バトルシミュレーターでは雑に石にさせてしまって申し訳ないと思っている。
難易度に関する感想
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REMAKEで「HARDモードが本来想定されているゲームバランスではないか」と勝手に思っているので、その前提で書くが、前作と違いチャプター中のMP回復手段があるおかげで、「極力魔法を使わない立ち回り」をせずに割と積極的にMPを使うことができるし、MP吸収などを組み合わせてMP枯渇知らずみたいなビルドもできなくはないため、前作ほどシビアに考えずにMPを使えた点は良かったと思うし、先述のれんけいアビリティのおかげである程度育成しきった状態のHARDモードの戦闘は、ストーリー中ではギ・ナタタクを除いてそこまで苦労したボスはいなかった(もちろん、全部が全部一発でスムースにいったわけでもなく何度もやり直しはしているが)
前作より明確に立ち回りの意識が変わったのは「どんな状態異常が有効か」をちゃんと理解したうえで挑むといったことをしていた。手数を増やすためには相手の動きを止めないといけないため、ストップやスリプルを適宜入れる、バイオも入るやつには入れるといったこと、また、ブレイブ・ヘイスト・フェイスをしっかり入れて火力を出すといった戦闘中の立ち回りをしっかりと意識させられた。特にHARDのバトルシミュレーターの10連戦はやり直すと時間のロスが大きいため、立ち回りメモを書いてから順を追ってやっていくといったことをしており、前作よりもしっかりと攻略した感は強い。
技の選択肢が増えたおかげで、すごく難しいと思うことはなかったが、前作よりは難しかった気がする…といった程度。もちろん、アクションの巧さはそこまでなくても全コンテンツがクリアできる程度のゲームバランスにはなっていると思う。
ストーリー面について
注)ネガ評価多めです。ネタバレあり。アルティマニアは読んでいないため製作サイドの意図は読めてないところもあります。
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最初に結論を述べると「REMAKEであんなに運命の分岐点だ世界の終末の7秒前だと大言壮語してた割にはさして驚きがなかった」と言える。思った以上に「普通に」シナリオが進行しており、ゲーム自体も前作の18章が全面シェア禁止だったのが今作はシェア禁止区間が発売からずっと存在しないこともあり、制作側もそこまでサプライズ要素を設けようとは思っていなかったのではないかと勝手に感じている。いくつかピックアップしたいことがあるので書いていこうと思う。
ギ族の設定・セトラの深堀り
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オリジナル版だと、ナナキの父セトの物語の中で対抗勢力としての位置づけだけで、それ以外に特に設定の肉付けがなかった(はず)の「ギ族」について深堀りがされており、彼らはジェノバと同様異世界の存在であること、それが故に星に滅びを受け入れてもらえない(=ライフストリームに溶けることができない)という永遠の苦しみを味わっており、滅びのために黒マテリアを作り、それをセトラ族に奪われ封印されているという設定が追加されている。
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また、古代種であるセトラについては、オリジナル版よりもよりオーバーテクノロジー感を増した古代種の神殿だったり、セトラとジェノバ、セトラと人間の物語のバックグラウンドが強化されている点は良かったと思う。とはいえ、そのせいかセトラは人間が「妬んだ」とまるで自分たちが優越種であるかの如く、星ファーストな生き方をしていた…というのは、末裔のエアリスが星を救いたいと思う動機の肉付けになっているとはあまり思えなかったのは私という「人間」のやっかみなのだろうか?
セフィロス打倒の理由の肉付け
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セトラの話に共通するが、主人公メンバーたちはセフィロス(=星の敵)を生み出した「神羅」と戦う動機付けを、今作の「古代の神殿」でさらに肉付けされることになる。バレットの凄惨な状態、レッドXIIIが神羅の実験動物になるところ、エアリスの母との別れのシーン…。高解像度のゲームになったからこそさらに感じられるリアリティは、個人的には心動かされるものだったし、それらの原因がセフィロスにつながっている。だから星のためにもセフィロスと戦う。といった改めて主人公たちの目指すところを確認する作業は、今作で一番必要なシーンだったと思う。ちびエアリスのシーンはおじさん泣いちゃった(´;ω;`)
高解像度化で際立つクラウドへの違和感
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今作でフォーカスされている点の一つとして「クラウドとティファの認識の相違」である。皆がご存知の通り、クラウドはニブルヘイムを飛び出して神羅に入ったものの、ソルジャーになれなかったただの一般兵で、たまたま宝条の手によって「S細胞」を得てクラス1st並みの戦闘能力を手にした「ザックスの意志を継いだ自身をソルジャークラス1stだと思い込んでいる一般兵」である。前作REMAKEからクラウドは自身の根幹にかかわるトピックに対しては「自動的にアーアーキコエナイ」になるところは変わらず、ザックスとセフィロスがニブル魔晄炉で活躍した話をまるで自らが経験したようなこととして語り始めるところからREBIRTHの物語が始まる。
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それがティファの知る「自身の経験」とのズレが大きく、そしてクラウドも次第にその「ズレ」に気付いていき、その現実にひたすら困惑するといったストーリー作りになっている。今作ではCCFF7から追加されたソルジャーの「劣化」の設定を踏まえて、自らの記憶や存在に自信がなくなってくることは、思い込みの塊で、セフィロス操り人形でしかなかったオリジナル版とは大きく異なっている要素のように感じる。今作でも随所でクラウドはセフィロスの操り人形と化してしまうのだが、これらのシーンは高解像度のキャラモデルが演じていると本当に異常性が際立つな。と思った次第である。
この違和感は最後の最後にまで残されており、エンディングに至っては、周りから「一人だけエアリスが見えている異常者」に仕立て上げられており、今後より精神分裂が激しくなるんじゃないかという予感がある。てかお前怖いよ…。
どっちが運命の相手だよ
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/138003330/picture_pc_ff816cd4bf5dd1f38fae8ccbfca23cf6.png?width=800)
今シリーズはおそらく「ティファとクラウドはお互いに明確に意識し合っている」関係に仕立て上げられており、ティファはクラウドにお前の存在は嘘だと言われようが、バスターソードで切りつけられてライフストリームに落ちようが、健気にクラウドを取り戻すことを願って生きている。あまりにも理解のある彼女すぎひんか???やっぱ顔面がいいからか?ええ???
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そのくせに、エアリスとの関係も相互で深めてきており、最後には明確に「初恋は初恋、今は…」みたいなスタンスに変えられており、その残滓をクラウドに置いて去るということをしている。クラウドってそんなに魅力ある人間なの?ザックスのほうが良くない??とは思えるし、ティファとクラウドと違ってこの関係はご都合主義のように見えて仕方なく、あまり良いと思えなかった。確かに初プレイからずっと好感度高かったけどさ。。。
ノリが寒い
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今作、というかリメイク作品全般で「ティファとエアリスが仲良し」であることを随所に見せることで、最後のエアリスの喪失感を大きく出すような演出の意図があると思っている。にしては、なんか全体的に「オッサンが考えた仲良し」みたいな感覚があった。昔FF15のシナリオが腐女子の考えた都合のいいイケメンたちの物語みたいな感想に同意したことがあったのだが、なんかそれと本質的に変わらない気がしてきた。ユフィもなんか(意図的なのかもしれないが)昭和のキャラだし(頭ポカポカするところとか)、なんか仲良く見せるって難しいな。って思った次第です。当方オッサンのため正解はわかりません。これ、若い人が見たらどう思うのかなあ…。
雑に消化されるローチェ
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FF7リメイクの新しいソルジャーキャラとして、濃ゆいキャラ付けをされた彼は、実はソルジャー3rdというソルジャーの中では最低ランクで、随所にクラウドに戦いを挑んではバイクごと切断されて負けるということを繰り返している(悲しいことに、実際プレイしていてもローチェは弱いのだ)
彼は結局自身が才能がないことを理解しており、それでもクラウドに勝ちたいという思いが彼をさらなる改造手術に搔き立てることになる。それはそれでいいし、強化されて神羅屋敷で最後のタイマンを挑んでもまあまあ弱い(大技の避け方さえわかれば簡単に勝てる)のが悲しいところだったのもいいのだが、その後速攻で劣化させてリユニオン人形にされるシーンには違和感しかなかった。あまりにも雑に消化されすぎだろ…。とはいえ、ローチェの持つ役割としては「一般兵でしかなかったクラウドにほど近い存在が、手術に適合しなかった場合の未来」を表したかったのだろう。ただただ彼は悲しいね。
パラレルワールドものとして
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今作における新たな「リユニオン」要素として、ザックスたちのいる世界(分裂する世界)からの視点が描かれており、随所で「○○しなかった世界線」が消えて行っていく描写が随所で変わる忠犬スタンプの絵柄で示されている。クラウドたちがミッドガルのフィーラーを打倒した世界線をメインストリームとして、メインストリームからアバランチの仲間たちが全員死んだ中、ビッグスが分離され、彼はその先でなぜ自身が生かされたのか、生かされた意味を探して最終的にはかつてやっていたアバランチとしてのテロ活動をしようとする。個人的には、これがあんまりよくわからなかった。ザックスはエアリスとクラウドを助けたいという気持ちがあっての行動理念があるが、ビッグスがあまりにもからっぽすぎるのがかわいそうに見えた。
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最終章で、全ての世界・時間軸もいずれひとつにリユニオンするというパラレルワールドものとしてのリユニオンが示唆されたが、これが今後どう作用していくのかが、これからの面白さにかかっていると思う。今のところは全く持って意味わからんちんです。
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前作でフィーラーの運命を打ち破った結果、エアリスとレッドXIIIは自らの知る「未来」が見えなくなったと語っている。そうだとして、エアリスは最期にどうしてあのような選択をしたのか、白マテリアはどうして分裂する世界からサルベージできたのか。これは次作まで持ち越しされるのだろう。
今後について
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バトル面は総じて楽しめた(じゃないとトロコンなんて狙わない)ので、その点については期待を裏切らないつくりになっていたし、ハードの制約を超えるとゲームのボリュームはこれだけ増やせるのかという感動もあった。ただ、ストーリーについては何か驚きがあったわけでもなく、淡々と進み疑問だけが残るという結果になっており、ぶっちゃけて言えば消化不良だ。
ただ、今の作りから考えれば次作でミディールエリア、ウータイエリア、アイシクルエリアを追加するといった「イチからつくるものの分量」がREMAKE→REBIRTHに比べれば少ない印象はあるので、3年くらいで次作出ないかなと勝手に思っている。いやもちろん大変なことは理解していますが。
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