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BCPアドバイザーの独り言(1)

私のnoteは、おかげさまで「マルチハザードBCPテンプレート1.1」をはじめ、マルチハザードBCP系の各記事にコンスタントにアクセスがあります。少しずつ関心が高まってきているようなので、これからも期待したいところです。

少し残念なのは、そこそこアクセスがあるのに、その後のアクションにつながっていないことです。多くはそのままスルーされてしまうらしい。ユーザーさんたちが、何を期待されて私のnoteをご覧いただいているのかはよくわからないので、ここでちょっと、スルーされてしまう理由を自分なりに考えてみたいと思います。

まず、私のnoteの「フォロワー数が少ない」ことですかね。少なくとも数千のフォロワーがついていないと記事の内容は信頼されないのでは?と思う方も多いでしょう。しかし、どうも私はフォロワー数を増やすことに心を砕くことができません。もともと個人ブログを立ち上げ、地道にBCPの情報を発信し続けた結果、出版社や企業のご担当者の目にとまって取引が始まった。それが今日のビジネスのベースとなっているからです。私は古い人間なのだろうか。

次に「マルチハザードBCP」について。これは私が勝手に頭の中であみだしたものではありません。「欧米で考案された本来のBCPの考え方に立ち戻ったBCP」というのが正しいのです。このことは、欧米のサイトに掲載されているおびただしい数のBCPの策定手順やひな型をご覧いただければ納得いただけることであります。

本当は単に「BCP」という名称にしたいのですが、日本に行き渡っている防災色の強い単一リスク対応のBCPと区別するために、あえて「マルチハザードBCP」と呼んでいます。

次に、事業継続マネジメントの国際規格に「ISO22301」というのがあります。マルチハザードBCPは、この規格の要求事項を満たしているのか? もちろんBCPの策定に必要な基本要件※はほぼ満たしています。日本の「事業継続ガイドライン」の基本要件※もほぼ満たしています。(※ BIAなど一般的な中小企業には不要と考えられる要求事項は除きます)

ただ、中小企業庁や厚労省、東京商工会議所、各自治体、業界団体などがウェブ上で公開している従来型BCPの考え方やイメージとはだいぶ趣が異なるため、ユーザーさんたちは戸惑っているのではないでしょうか。

以上が、マルチハザード系の記事に割と多くのアクセスがあるのに、すぐスルーされてしまう推定理由です。

多くの企業は、自社のBCPの策定にかなりの時間を割いてきたと思われます。しかし、どのページに何が書いてあるかよくわからない分厚いBCPも少なくなく、そんなBCPを手にして、「いざというときこれをどのように役に立てればよいのだろう?」、「果たして本当に使えるのか?」と戸惑っている企業もあるでしょう。定期的な見直しもメンテナンスもされず、形骸化したまま放置されているBCPも少なくないと聞きます。

みなさんの会社で策定した(あるいはこれから策定する)従来型のBCPがどこまで役立つかは、今後、気候変動による異常気象の多発や多種多様なインシデントに晒される中で試されることになるでしょう。私が提唱するマルチハザードBCPは、そんな時になって初めて、日の目を見れるようになるのかもしれません。

次回は、私が取り組みはじめた「気候リスク管理アドバイザー」について基本的な考え方と仕事の内容を紹介したいと思います。


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