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BCPの実効性を評価してみよう!(BCP評価ツール)

いざというとき、自社のBCPは役立つのか?

これを見極めるのはなかなかむずかしい。しかし、BCP・BCMガイドラインで提示している記載要件をある程度満たしているなら、BCPも相応に機能すると言ってもよいのではないだろうか。

そこで私は、EXCELを使って、中小企業向けの「BCP実効性評価ツール」を作ってみた。

BCP実効性評価ツールのイメージ

基本的な考え方はこうだ。

まず、内閣府の「事業継続ガイドライン」や中小企業庁の「事業継続力強化計画」の要件充足項目、そして事業継続の国際規格ISO22301を参考にしつつ、中小企業が最低限満たすべきBCM(BCPを含む)の要件を質問形式で作成する。

次に、全部で34個の質問に対するユーザーの評価をドロップダウンリストから1~3の値(図の[1])で入力してもらい、その結果を筆者が実効性の指標と考える次の5つのカテゴリにマッピングしてグラフ化(レーダーチャート)する(図の[2])。

リーダーシップ:意思決定・指揮命令・統率力はあるか
コミュニケーション:伝える相手・内容・タイミングが的確か
緊急対応能力:素早い安全確保と緊急対応体制が充実しているか
事業継続能力:重要業務の早期復旧と再開の段取りが決まっているか
復旧の迅速性:被災資源の特定と再調達の段取りが決まっているか

レーダーチャートの凡例にある「平均(26社)」(図の[3])とは、これまで中小企業26社からご提供いただいたBCPの完成見本を筆者が評価し、5つのカテゴリの平均をとったものである。この平均値と、みなさんのBCPの実効性評価値を比べてみてください。

なお、ガイドラインや国際規格の要件を厳密に踏襲しようとすると、「目標復旧時間(RTO)や目標復旧レベル(RLO)」などの要素が必要となるが、この質問項目には含まれていない。RTOなどは中小企業が自社の判断だけで設定するのは難しいし、数値そのものが相対的で、RTO/RLOを設定しているか否かだけでは実効性の評価対象とはなりにくいと考えたからである(ただしサプライチェーンの頂点に位置する大手製造業やインフラ事業者などは、RTOやRLOの設定はMUSTである)。

なお、「BCP実効性評価ツール」は下記よりダウンロードしてご活用ください(無料です)。ご心配な方はウイルスチェックを行ってからファイルを開くとよいでしょう。

上記は、中小企業向けの簡易版です。より多角的な評価・分析項目を備えた評価ツールをご希望の企業様は、フォームメーラーにてお問い合わせください。


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