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生成AIはBCP策定に役立つか?

今やBCPの策定指導に当たる筆者としては、生成AIの活用は避けては通れない課題である。

筆者が初めてChatGPT(無料版)を使うことになったきっかけは、ある道の駅のBCP策定指導をした時のことだ。BCPのドキュメントが完成した後に、「ところで避難の呼びかけの文言をどうしたらよいか」という追加的な議題が出てきたのである。

どういうことかと言うと…

この道の駅は海のそばにあり、大地震発生時、地域の防災無線だけでは津波避難の呼びかけが聞こえにくいかもしれない。そこで、道の駅からも避難呼びかけの自動アナウンスをしようということになった。

ただしこの道の駅の周辺はどこまでも平らな畑と林が続いており、施設の利用者も周辺の地理のことはまったく知らない。「高台へ避難してください」では通用しないのである。そんな条件下で、逃げ遅れのないように確実に利用者の耳に届き、安全な方向へ避難できるようにするにはどんなメッセージがよいかが話し合われたのだが、時間切れで結論は出なかった。

宿題として持ち帰った筆者は、いくつかフレーズを検討する中で、たまたま見聞きしていたChatGPTのことを思い出し、ユーザー登録して早速試してみたのである。印象としては、単純な質問や条件指定(プロンプト)では中身の浅い冗長な答えしか返ってこないが、プロンプトにいくつか工夫を加えてみたら、思いのほかまんざらでもない結果が得られたのである。

最終的に筆者は、自分の考案した避難メッセージ2案とChatGPTが出した避難メッセージ1案の計3案(AIで作ったことは伏せて)を提出したが、後日採用されたのは何とChatGPTの出した避難メッセージだったのである。

この経験を機に筆者は、生成AIはBCPの策定やBCM(事業継続管理)などにも使えるのではないかと思うようになった。BCPやBCMのどのような側面にどのようなアプローチでAIプロンプトを投げかけるかが、ポイントになるだろう。

また、新たな発見があれば、note でも紹介できるかもしれない。

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