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眼鏡のはなし

小1で既に視力が0.5しかなかった。
本も読まなかったしゲームもしなかったので、100%遺伝だと思う。

それで眼鏡をかけ始めたものの、学校のクソババア主事に「漫画の本読みすぎ!w」とからかわれ、当時の僕は周りの目も気にせず公道で大泣きして周りから好奇の目を集め、家に帰ってからも父母に泣きついた。

しかし返ってきたのは
「そんなん気にするな」
「読んでない! って言い返せばいいじゃない」
「「いいからかけなさい」」

挙句の果てには
「明日からもきちんと眼鏡をかけること。約束しなさい」

その一件で僕は眼鏡が大嫌いになり、からかわれるのを極度に恐れるようになった。というわけで小学校生活6年板書はすべて目力でゴリ押ししていた。普段かけていないことが親にバレて何度も叱られたが、それでも絶対にかけなかった。

中学生になりコンタクトデビューすることでこの件はひとまず収まった。初めて視界がクリアになった。それは人生最大の感動で、眼科で大はしゃぎしたのを覚えている。眼鏡への嫌悪感はだいぶ薄れてきたが、それでもまだ嫌いだった。

コンタクト生活は4年で終焉を迎えることになる。鬱で起き上がれなくなって高校を中退し、朝も昼も夜も寝ているだけになったからだ。それで眼鏡をかけることになったが、鏡に映る自分はチー牛にしか見えなかった。

そんな僕を救ってくれたひとがいた。
成田悠輔氏と大西拓磨氏である。

初めて彼らをネットで拝見した時、僕は衝撃で吹っ飛ばされるかと思った。

「そっか……眼鏡って、デザインしていいんだ」

眼鏡が好きになった。

感謝してもしきれない。



顔面を地球にしたかった。
Minecraftの全バイオームを乗っけたかった。
僕の愛でる美をヴィジュアルに投影したかった。
不安定で、今にも消えてしまいそうになりたかった。
5歳の頃、夢で出会った妖精と邂逅できますように。


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