FPSのコミュニティ大会の企画と運営(事前準備編)

はじめに

 2023年3月からとぎじる主催大会のお手伝いをするようになり、5回ほど大会運営を行ってきた。先日の第4回TOGIZIRU TOURNAMENTにて、コミュニティ大会の企画運営のノウハウが自分の中で固まったなと思ったので、このタイミングでNOTEに書いてみようかなと。
 今回は事前準備編、後々当日の運営編も書こうかと思う。
※あらかじめお伝えしておきますが、これをやれば大会準備は完璧!というわけではありませんし、同じことをやったけど失敗したということについて私は一切の責任を持ちません。

大会の概要を作る

主に作るのは2つ、大会のテーマ大会告知をするための情報
 大会のテーマは主催者が決める場合もあるし、企画委員会を開いて共同で決めるのでも良い。とにかく、「何のために」が決まればあとはそれに基づいた判断をすれば良くなる。
 大会告知をするための情報というのは、5W1Hベースで考えればよい。おそらく以下の情報があれば参加者が迷うことは無いはず。Whenが2つあるのはご愛嬌ということで。
When いつ(大会開催日):
When いつまでに(参加応募締め切り):
Where どこで(オンライン?オフライン?):
Who だれが(参加条件):
How どのように(申し込み先):
What なにをするの(ゲーム名、大会フォーマット):
 ここで昨今のコミュニティ大会を見ていて気になっていることなのだが、ゲーム名を出さない大会が圧倒的に多すぎる。おそらく主催者的にはやるゲームは一つなんだからあたりまえという認識なんだろうが、参加者からすれば何の大会?と疑問が生まれる。特に派生作品があるタイトル(PUBGとPUBG Mobileみたいなコンソールごとの作品やCoDのようなシリーズ作品)は強調しないと勘違いでエントリーする可能性があるので、表現には注意したほうが良い。

運営チームを作り、タスクを分担する

 概要ができたら、大会当日までの準備のために運営チームを作ろう。
TOGIZIRU TOURNAMENTでは、以下のような分担をしている。
主催/内外の問い合わせ窓口/解説キャスティング/大会告知:とぎじる
デザイン:がっくん
プロマネっぽいこと/大会フォーマット作成/進行台本作成:ばけねこ
ルールセットの作成/配信構成作成:ぺんぐうぃん
 この辺りはチームメンバーが何を得意としているか、当日の役割に合わせて分担を決めていけばよい。
 ちなみに、当日の役割は以下。
実況:とぎじる
大会運営/審判/(MAP PICK画像の作成等の)雑務:ばけねこ
配信スイッチャー/オブザーバー:ぺんぐうぃん
(がっくんは参加者として大会に出てました。)

大会のフォーマットを作る

 大会のテーマに沿う形で、基本的にはすべての参加者が公平になるような形式をとろう。参加者が少なければ、対戦回数を多くするためにリーグ戦でもいい。
 疎かになりがちなのは大会のルール、直前になってから決めればいいやと後回しにして、結局やっつけで作ったりするとルールの抜け漏れで審判が困る。初の大会開催でノウハウがない場合は、そのゲームの過去の大会(特に公式大会)のルールセットをそのまま持ってくることがベター。その大会も参加したことがある参加者がいれば、もしかしたら参加者側から運営を助けてくれる可能性がある。

大会のデザインについて

 告知画像等を自分で作成するのであれば自由に作ればよいが、そうでない場合は、可能であれば有償で作成を依頼したほうが良い。デザインは大会のクオリティに大きくかかわる部分なので、それこそ身内大会以上の規模であればきちんと作ろう。
作成するものは規模や台本にもよるが、
・メイン画像(大会告知やオープニング・エンディングの蓋絵)
・インターバルカウントダウン蓋絵
・キャスター紹介
・対戦チーム紹介/リザルト表示
・対戦MAPの紹介
・試合画面のオーバーレイ
といったところだろうか。
 これは僕の印象だが、カジュアルなオープン大会ならポップな感じ、ハイレベルな大会ならクール寄りにすると大会の雰囲気にマッチするのではないだろうか。
 注意したい点としては、トーナメント表(リーグ表)やMAP PICK画像など動的な要素があるものは事前作成では空白(透過)にした状態で作成する。
そうしないと、とっさの時に変更がきかず直前でお蔵入りになるという可能性もある。

第4回TOGIZIRU TOURNAMENTのMAP PICK背景。ここにMAP画像とチーム名のテキストを加える。

大会のBGMの作成(選定)

 BGMもデザインと一緒で大会のクオリティに関わる部分だが、TOGIZIRU TOURNAMENTでは知り合いに作曲家はいなかった為、NCSの楽曲を選定した。このあたりもセンスによるところが多い為詳しくは書かないが、最低でも5曲ほど選定し、シャッフルで流しておけば飽きることは無いだろう。

進行台本の作成

 大会の模様を配信するのであれば、配信の進行台本を作成しよう。配信が無い大会だったとしても、時系列順にやることをメモしておくだけで、タスクの抜け漏れが見つかるかもしれないのでオススメする。
 よくある流れとしては
①オープニング
②大会説明
③配信試合の前説
④試合(実況・解説)
⑤結果振り返り
⑥(インタビュー)
⑦インターバル
⑧次の配信試合・・・結果振り返りのループ
⑨エンディング
だろうか。インタビューは毎試合行われる大会は稀なので()にしておく。
 基本的には試合以外でMC/実況/解説がしゃべる内容を書き起こしていく、チームの紹介等動的な部分に関しては「AAA」チームのメンバーは●●、××、△△、■■。というように記号にしておく。チーム名やメンバー名は別途配信試合前のインターバルとかで関係各者に共有しておく。ちなみに僕は縦書きでも横書きでもどちらでもいいと思っている。(もしそのあたり詳しい人いたら教えてください。)

第4回TOGIZIRU TOURNAMENTの進行台本の一部。動的なところはDiscordで別途情報共有を行う。

配信構成作成

 ここに関しては少々技術的な話となり、企画/運用とは異なる話となるため別途記事にします!

使用するツールの整備

 これは大会ごとで大きく異なるので、TOGIZIRU TOURNAMENTで使用したツールで説明していく。
①Tonamel
大会概要を作り終わったらTonamelで大会を作ろう。基本的な使い方はチュートリアルを確認してほしい。大会運営として気を付けておきたい点は
・エントリーの際にプレイヤーIDのほかに読み方を入力する欄を設ける
・エントリーの際に意気込み等、アンケートやフリー入力欄を設ける
これを入れておくことで、配信でのチームメンバー紹介がスムーズになったり、試合開始前の場つなぎ用の話題を作ることができる。
②Discord
Tonamelがあれば必須ではないが、あるとTonamelではできないことをすべてDiscordにまとめることができる。大会開始前までに整備、エントリーした方々を招待しておこう。
TOGIZIRU TOURNAMENTでは
・ルールセット等のアナウンス
・2日目以降の点呼(チェックイン)
・Tonamelやタイムテーブル等のドキュメントのリンク
・各試合のBAN&PICKのやり取り
・ボイスチャンネルでのインタビュー
・運営用のテキストとボイスチャンネル(鍵付き)
をDiscordにまとめている。
前回大会では使用していないが、BAN&PICKの自動化ツール等もあるため、プラグインも含めて大会用のDiscordサーバーを作って運用することが望ましい。

終わりに

 ここまで読めばあとはタスクを消化していくだけになるので、準備を進めていきましょう!当日やることには別途書いていきますので、読みたい方はフォローお願いします。
 ここ足りなくない?とかこれどうすれば良いの?とかはコメントまで。


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