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B2Bでのメールマガジン 隠れた効果を可視化へ

GartnerがB2Bでの購買活動に関して、”The buying journey is not linear”(購買ジャーニーは単線的ではない)と表現しています。そして、顧客の検討を促進する、顧客自身が発動した情報収集・検討シグナルを検知する為、売り手側ではマーケティング施策を用いて、その反応から見込み客の洗い出しを行っていきます。

けれども、これだけ複雑な検討プロセスにおいて、マーケ施策でどのような網をかけるか、顧客のシグナルを検知するかについては、GTM上の戦略、マーケティングの戦略により、攻めるタイプと待つタイプに分けられるのではないかと考えます。

攻めるタイプとしては、米国IT企業に見られるように、メール配信リストを獲得し、これらを複数のコンテンツ紹介のメール配信フローに投入し、その反応をスコアリングした上で、インサイドセールスで積極的にアウトリーチし、見込み確度が低くとも営業にハンドオフしていきます。但し、これは欧米の営業ですと営業ノルマの3倍はパイプラインを持つべきという考えから、緩いMQLでも可とする為です。

一方の待つタイプでは、案件化見込みの高い問い合わせのみをMQL化していきます。様々なコンテンツをウェブ、メールでデリバリーしていたとしても、フォームは設けず、仮にフォームを設けたとしても、これを起点にアウトバウンドコールせずに、検討確度の高い問い合わせが自社に来るのを待つわけです。

前者の攻めるタイプは、売上・シェア獲得のスピード優先を前提にマーケティング投資に積極的な米国IT IT企業に多いでしょうし、後者の待つタイプは、時間をかけてもニッチな分野を開拓する日本のスタートアップとかに当てはまるのかなと想像したりします。

さて、後者のような検討確度の高いMQLを待つタイプでも、ウェブ施策だけでなく、メールマガジンでのコンテンツ発信に取り組んでいる場合、効果測定の点で留意したいことがあります。

例えば、ウェブの流入の為にリスティング広告、バナーディスプレイ、オーガニック流入を促進するためのSEO対策を実施したとして、これらの施策の寄与とメールマガジンの寄与を誤認しない、正しく理解することです。

具体的に言えば、仮に、リスティング広告経由のウェブ問い合わせが発生したとして、このコンタクトの方が普段よりメールマガジンを受信、開封している方であるか、それとも、まったくの新規のコンタクトかで広告の寄与度が違ってきます。

仮に、マーケ部門内の担当者が、広告担当、SEO、メールマガジンで異なる場合、コンバージョンポイントだけで評価をしては、メールマガジン担当者のモチベーションは上がらないでしょう。

このような施策と評価の乖離を回避する為に、例えば、ウェブ問い合わせのコンタクトのメールマガジンの購読状況を確認する、また、メールマガジンの配信数に対して一定期間(四半期、年間)で資料請求へのコンバージョン数、率を可視化してみるといった対策が考えられます。

今回は、待つタイプでの例としましてが、メールマガジンの配信数が多く、アウトリーチのカバレージが狭い場合は、先述の攻めるタイプのマーケ施策でも同じようにメールマガジンの評価をしていくのは効果的でしょう。

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