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息子が同級生から「きもっ」と言われた話

保育所から帰って荷物を片付けていた息子と話をしていたら、その日使ったコップ袋に対してお友達が「きもっ」と言ったと聞いた。

その日のコップ袋にはプリンセスたちが描かれている。前日、別のお友達と約束した上でわざわざ持っていったコップ袋である。


本人は「きもっ」の意味を十分理解していない様子で全く気にしていなかった。


しかし、母としては色んな点で素通りできなかった。

一呼吸して落ち着いて、何から話そうかと考えながら、まず「きもい」の意味、人に「きもい」と言うのは母はどうかと思う、息子には人に「きもい」と言ってほしくないことを話した。

そして、そもそもなぜそのお友達が「きもっ」と言ったのかも聞いてみた。残念ながら理由はわからなくて、どんな文脈で、どんな雰囲気で発せられた言葉なのかもつかめなかった。

私が気になったのは、そのお友達が「男の子がプリンセスのコップ袋を持ってきたこと」に対してキモイと思い言葉にしたのではないか、という点。

「きもっ」という発言が、もし息子がプリンセスのコップ袋を持ってきたことに対するものだとしたら、別にそれはきもいことじゃないと思うこと、あなたが持っていきたいものを持っていけばいいと思うこと、それは他のお友達も同じであることもあわせて伝えた。が、話が長くなったからか息子はそうだね、と話を切り上げて行ってしまった。


もしかすると私の考えすぎで、例えば単に息子の振る舞いにキモイと思った可能性もある(どんな振る舞いだろう...?約束したお友達に媚びる感じでコップ袋を見せていたとか...?)。

でもこのコップ袋、以前にも息子が持っていった際、他のお友達に「笑われた」と嫌そうに話していたことがある(そのときもいろいろ話をした)、私としては要注意な代物だった。


私が、息子がプリンセスのコップ袋を持っていったときだけ周りのリアクションを気にするのも、過剰反応かもしれない(実際別のー車や新幹線のコップ袋のときに、周りのリアクションの話になったことはほとんど無い。それらを新しく買った直後に嬉しそうに披露した話になったことはある)。


これを手に入れたのはお祭りの景品で、偶然手に入ったものだった。プリンセスは普段から親しんでいるものとも、好んでいるものとも思えなかったので、保育所に持っていくから名前を書いてと言われたときは正直意外だった。

息子は気に入ったのか、プリンセス好きのお友達に見せたかったのか(◯◯ちゃんに見せるんだ~とか言ってたことがある)、ときどき使うようになっていた。

一貫して本人の好きにすればいいわ、と思っているが「笑われた」やら「きもっと言われた」やら聞くと、母としてはスルーできない。



息子と過ごすなかで、普段から「男の子だから」「男なら」「男の子の遊び」などは意識して避けている。

例えば、祖母(私の母)が転んだ息子に「男の子だから強い!泣かないね!」などと言った日には「男の子も女の子も痛いときは痛い、泣きたきゃ泣けばいい」と息子に有害な男らしさを染み込ませたくない、と行動してきた。

私の母に悪気がないことはよくわかっているが、譲れないポイントなので逐一「それは違うと思うので孫に言わないで」とお願いしてきた。

最近は私の考えを理解してくれて「男の子だから」といった発言は減っている。


興味があるもの、本人が好むものを選べばいいし、周りの人の好きなものを否定するような人にはなってほしくないと思って接している。



しかし彼には彼の社会が、世界があり、私には見えないところで色んな言葉、影響を受けるんだとコップ袋きもっ事件で改めて実感した。


この先も似たようなことが起こるかもしれないし、もっと難しい話題もでてくるかもしれない。私の知らない彼の世界は広がる一方だろう。

たとえささいなことでも、彼に呪いがかからないように、彼が他人を傷つけてしまわないようにアンテナを張っていく。

伝え方も、伝える内容も悩んだりしながら、都度私は息子と話をすることになるだろう。

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