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書評_戦い抜くメンタル_著:遠藤保仁・ツジトモ_Chapter1

プロダーツプレイヤーの鈴木勇気です。
メンタルスポーツ言われるダーツは技術だけでなく、心を鍛えることが必要。
ということで他業界のトップアスリートの知恵と考え方を身に付け、ダーツに活かすために、これはダーツに応用できる!ものを紹介していきます。
読んでくれたあなたのダーツライフを充実するきっかけやヒントになれたら嬉しいです。

戦い抜くメンタルってどんな本?

人気サッカー漫画『GIANT KILLING』の読者だった遠藤保仁。
この作品を読み直し、主人公の達海猛をはじめとするキャラクターたちと自分を重ねながらサッカー選手としての人生を振り返る。
プロデビューから、日本代表。そして現在。
“ジャイキリ”で描かれるシーンに合わせながら、自身の記憶や思考、目指す未来などをまとめている。
プロとしての初出場・初ゴールの記憶、日本代表初選出、サッカー選手に必要なもの、才能とは何か、プロとしての覚悟、サッカー選手としての分岐点
移籍の決断、監督への道 etc.
遠藤保仁のサッカー選手としての生き方
そして、戦い方を詰め込んだ一冊。〜Amazonより〜

本の目次

遠藤保仁 × ツジトモ スペシャル対談
Chapter1・自身の記憶←今回はここ
Chapter2・プロとしての意識
Chapter3・チームの在り方
Chapter4・戦うための選択
Chapter5・描く未来

Chapter1自身の記憶

ヤットさんが自身のキャリアと漫画のシーンに合わせて回想する感じの章になっています。デビュー当時や日本代表に選出された時やガンバ大阪からジュビロ磐田へ移籍した話などを語っています。
その中から3つのエピソードを紹介しましょう。

1.日本代表としての責任を考えたことがなかった・・・

もともと緊張をあまりしないヤットさんらしい言葉・・・初めは選ばれたこと、高いレベル/環境でプレーできることの喜びの方が強かったと。ただ年月を重ねる間に心境の変化があって”日本代表の重み”を感じるようになってきたんですって。その重みとは”日本代表はたくさんの人に支えられていて、いろいろなところに影響を与える立場なんだ”と気付いた時。自分が日本代表でプレーすることによってサッカーを始める子供がいて、その子が将来の日本代表になるかもしてないんだ!と思うと勝ち負けだけなくサッカーの未来に繋げる想いが強くなったと。
ダーツでも日本代表というものは、ソフトもスティールも両方あるのですが、同じような想いでやっているのかなぁ?
日本代表になる選手は一握り・・・ひとつまみだけど、何かを背負って活動をするというダーツプレイヤーは多いんじゃないかなぁ?
プロであれば、スポンサーや自身のプライド。アマチュアであればホームショップの常連や地元の仲間たち。こういう人たちのサポートや応援によってダーツライフが充実していることは間違いないですよね。
その人たちに対する恩返しってなんだろうって考えた時にできることは”試合に勝つ”ことだけじゃないんだって感じているんです。だって私の周りの人たちは私が試合に勝てなかったからと言って私の価値が下がると思っていないです。そう考えると私がやることって一生懸命を楽しむことなんじゃないかって。

2.ヤットさんの強さの秘密の一つ。”ふだんどおり”

日本代表に初ゴールを決めた時、記念のゴールだったので覚えていると書いている割には、たくさんきたであろう家族や友人からのおめでとうの連絡や反響は覚えていないんだと・・・
そして、ヤットさんらしいと思うエピソードは「ゴールをしたという結果に達成感と満足感を味わっているので、周りの反応は気にならない。夜も寝付けなかったということはなかった。”スタジアムをでたらふだんどおり”だった」んですって。皆が憧れるサッカー日本代表での初ゴールなのに・・・スタジアム出たらふだんどおりって・・・そんなんある?私だったら絶対にいろんな人に自慢してますよ。
でも、こんな大きなことをさくっと”切り替え”できることが高いレベルで安定したプレーに繋がるんだろうなって感じてます。
良いプレーも悪いプレーも引きずらずに”今のプレーに集中”できるんでしょう。
ダーツも一投一投に一喜一憂している選手って強くなさそうですよね?投げるたびに首を傾げる人とか・・・たまにいますけど・・・
ダーツは、サッカーと違って状況が毎秒違って同じシュツエーションがないってことはないですからね。サッカーよりも気持ちを落ち着かせるチャンスはたくさんあるって思っています。
でもよくある失敗が”対戦相手を見すぎる”こと、ダーツは自分がいいスローをできれば、勝つことができますので対戦相手を見るよりも”現状(ラウンド数と点差とマーク数)”を見てどこに投げるかを考える方が効果的です。

3.ダービー戦。「毎試合、そういう気持ちでやればいいのに」

これも大事な考え方。ダービー戦とは、主に同じ地域に本拠地を置くチームと闘うことを言います。ガンバ大阪ですと対セレッソ大阪は大阪ダービーといい、異常なくらい盛り上がります。毎回チケット完売ですからね・・・私も何度か見にいっていますが、電車を降りた時からすでにサポーター数と雰囲気が全く違います。みんなちょっとピリピリしてます・・・スタジアムに入れば、記者の数もいつもより多い。サポーターの人数が多いから応援の声も大きいし点数入ったときの盛り上がり方は、スタジアムからの地響きがとんでもないんです。
でもヤットさんは持ち上がる試合もそうでない試合も”長いリーグ戦のうちの一戦”だから意識も気合も普段と変わらないと。
ダーツの大会でも実は”大事な試合・気合入れる試合”ってないんじゃないかなって思っています。もっと細かくいうと”大事な1スロー”もないと思っています。”試合を決めるダブルが大切”というのは、一定の理解はしますが、それまでの削りだって大切だよって話。だから全スロー、丁寧に大切に投げることを心がけようって考えてます。

チャプター1はここまで。次回はチャプター2を紹介します。