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Jリーグ移籍の噂アカウントは犯罪?移籍情報の扱いとは


J1、J2のリーグ戦も終了し、Jリーグ移籍市場の「ストーブリーグ」が話題の中心となりました。TwitterではJリーグの移籍の噂を流すアカウントが数多くあります。中にはチーム関係者や代理人から情報を得ていると書いているアカウントもあります。

移籍の情報といえば、一般社会の会社に当てはめれば人事情報です。普通に考えれば、企業秘密となります。そしてサッカークラブの支出の大半は人件費ですから、人事情報は一番大切な情報の一つとなるわけです。

ではなぜTwitterで彼らは情報を流せるのか。それは本当の情報なのか。新聞に載っている移籍情報と何が違うのか。それって犯罪なのでは?と多くの疑問があると思います。今回はサラッとそれらの実態を書いていきます。

実態は数打てば当たるの妄想と嘘

担当直に言うと彼らの移籍情報の99%が妄想と嘘と断言できます。なぜならどこの誰か身を明かさない人物にクラブ関係者や代理人が移籍情報をリークするわけがないからです。

理由は上気した通り人事情報はクラブにとって一番大切な情報なわけですから、SNS発で移籍情報を流すことに一切のメリットがないからです。実際に知り合いの代理人Aさんに聞きました(noteに掲載することを許可を得ました)。

「SNSに情報を流す人間に移籍情報を話すことは絶対ありえません。信用問題に関わることですし、情報ソースを僕らと嘘をつかれて書かれることは大変迷惑をしています

代理人A氏

SNS発の移籍情報リークで移籍交渉が破断するケースを耳にしたことはありませんが、数打てば偶然当たることもあります。実際に偶然移籍話が出ている選手の情報がリークされたため、クラブ内でトラブルがあったケースがあります

ツイッターなどのSNSに嘘と妄想の移籍情報を流されることで困っているクラブ関係者が出てくる可能性もありますので、良識のあるサポーターはこれらの情報に踊らされないよう気を付けなければいけません。

記者、代理人、スカウトに成りすます安易な手口

これらの手口は日に日に巧妙になっていると聞きます。中には記者、代理人、スカウトに成りすますようにSNSで情報を流す人物もいるとのことです。ただ、それも絶対にありえないと断言します。

記者の場合は情報の秘匿義務があるため、会社に許可を得ずに情報を流せば懲戒処分は避けられません。会社の業務で知り得た情報は会社の財産になるため、損害賠償請求も発生する場合があります。

スカウトや代理人もまたこれらの信用毀損行為をすれば、民事・刑事で訴えられる可能性が高いです。スカウトや代理人は信用が一番重んじられる職能ですので、一度でもこのような信用毀損行為をすれば業界で働けなくなります。そのリスクを背負って情報を流すことは、まず絶対にありえません

刑事事件になったらどんな罪に当たる

では虚偽の情報を流すことで刑事事件になった際は、どのような罪に当たるのでしょうか。恐らく軽犯罪法1条31号が当たると思われます。

軽犯罪法1条31号
「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」
→30万円以下の罰金、拘留

軽犯罪法1条31号

この法律の規定は業務妨害罪を補充するもので、業務妨害罪が成立しない違法性の低い案件が当たります。また悪質極まりない案件であれば、偽計業務妨害罪が成立する可能性もあります。

偽計業務妨害罪
「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」

刑法第233条

今のところクラブからこういった虚偽の移籍情報によるアナウンスはありませんが、一部のクラブは非常に迷惑をしています。そのため、虚偽の移籍情報を流す者は、民事又は刑事で訴えられる可能性があります。

結—なぜ彼らは嘘を流すー

彼らは虚偽の移籍情報をなぜ流すのか。恐らく自己顕示欲と承認欲求を満たすためだと思われます。根も葉もない嘘の情報を流すことで、自分自身が特別な存在だと勘違いされているのでしょうか。

何百、何千のリツイートがつくことで、承認欲求や自己顕示欲を満たされる。そんなくだらない戯言のために、関係のないクラブや代理人が迷惑を被ることはおかしな話です。

サッカーを愛する人たちは当然自分が愛するクラブの動向や行く末が気になって仕方がないものです。ただ嘘や妄想に踊らされたら奴らの思うつぼです。リリースを待てば真実が分かりますので、こういった虚偽情報を真に受けないよう気をつけてください。


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