女性軍人と女性ファイターパイロットについて考える
ジェンダーフリーの波が自衛隊を含む世界の軍事組織にも広がっている。
女性軍人の進出が著しい「女性軍人の先進国」であるアメリカではF-35のパイロットが登場している。
アメリカでは第二次世界大戦の頃から女性パイロットはおり、最近でも
議会から表彰された女性パイロットもいる。陸軍や海兵隊などの地上部隊では
歩兵や特殊部隊への入隊は制限があったが90年代にこの規制を撤廃し、
男性や女性の区別なく競争の時代に入ったと言われている。
欧州だとジェンダーフリーから女性にも兵役義務を課す国も増えている。
ノルウェー、スウェーデンでは近年女性の徴兵を開始し、イスラエルは建国当時から
アラブ諸国の戦争から女性に兵役義務を課している。またオランダでも戦時の徴兵復活では
女性も対象とする法案を可決させた他、欧州ではないが韓国でも女性の徴兵が
検討されるようになった。なお北朝鮮では女性の兵役義務が課されてるようである。
スイスでは男女同権主義思想を持つ女性が女性の兵役義務の正当性を示すために
自ら軍に入隊して兵役についたケースもあり、スイス国防省では女性兵士の割合を
10%まで引き上げる計画を出している。
さらに前述したが注目すべきは女性ファイターパイロットがアジア諸国でも登場している。
韓国や台湾では2000年代から女性ファイターパイロットが登場しており、
空自でもF-15JとF-2の女性パイロットが遅ばせながら登場した。
防衛省では1990年代に女性自衛官の門戸開放を行ったがファイターパイロットなど
一部の職種には制限を設けていたが近年この制限を解除して女性自衛官の
ファイターパイロット職の道を開放した。韓国や台湾とは違い、
戦時下というわけではないので欧州の大陸諸国同様に女性の自衛隊の職種進出が遅れたが
ようやく英米韓台に追いついた格好だ。また中国空軍でも女性ファイターパイロットが
登場している。米海軍ではアメリカンフットボールの大会である「スーパーボウル」の開会式では
女性ファイターパイロットが操縦するF/A-18Eが祝賀飛行を行った。
また海自では女性自衛官としては初の海将が登場している。
しかしそれでもアジア諸国での女性軍人の割合はまだ少ない。自衛隊だと全体の8%で
これは米軍の中でも女性軍人の比率が最も少ない海兵隊と同じレベル。
韓国は士官や下士官では3%だが全体では1%程度、中国は資料はないが
米軍を超える可能性はないのは容易に想像できる。台湾が15%でアジアでも最大だろうか。
もっとも大半は非戦闘任務と言われているが台湾国防省はこの規制を解除したようである。
日中韓で女性軍人の比率が低いのは長年この分野での男性の比率が高かった事に加えて
儒教の影響がある。中韓では儒教が宗教ともなり、日本では儒教は宗教にはならなかったが
道徳基盤の一つとなった。そのためどうしても男性優位の分野では
男尊女卑の傾向になってしまう。しかしPLA(中国人民解放軍=中国軍)はともかく
自衛隊や韓国軍では少子高齢化から定員不足に陥る傾向がある。オーストラリアなど海外では外国人を
兵役に募集する事が検討され、米海軍では英印、マレーシア、ブルネイの各軍や
シンガポール警察で雇われているグルカ兵を募集しており日本でも自衛隊にグルカ兵の声もあるが
国家公務員法の改正など課題は山積みである。だから陸自の航空科や海空自衛隊の航空学校では
女性自衛官の採用と起用を進める必要がある。そのためには隊内でのセクハラや
パワハラの撲滅などに務める、自衛官の利益団体の創設を行うなどをしなければならない。
■ソース
https://www.afpbb.com/articles/-/2708539
https://www.cnn.co.jp/usa/35064195.html
https://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/lib/pilots.html
https://trafficnews.jp/post/124324
https://trafficnews.jp/post/81314
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000291591.html
https://miridoru.militaryblog.jp/e937700.html
https://www.zakzak.co.jp/article/20231222-VEW55Q2CPROIBAK7K7KEMJJJOM/
https://amview.japan.usembassy.gov/women-are-a-crucial-part-of-the-us-military/
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/about/woman-success.html#:~:text=%E5%A5%B3%E6%80%A7%E8%87%AA%E8%A1%9B%E5%AE%98%E3%81%AF%E7%8F%BE%E5%9C%A8,%E8%BF%91%E5%B9%B4%E5%A2%97%E5%8A%A0%E5%82%BE%E5%90%91%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
http://www.isgsjapan.org/journal/files/9_yoo_byoungoan.pdf
https://www.cnn.co.jp/world/35198796.html
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB242NT0U1A720C2000000/
https://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=29118
https://m.youtube.com/watch?si=_zKnsE2_4CTI82od&fbclid=IwAR26lLKcUN-HfP14vzzwGSYuJYoNQxL1N5mmlBPalgN48Dcky_7jysEr2xM&v=R5G7RCFmhM8&feature=youtu.be
https://www.swissinfo.ch/jpn/society/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%BE%B4%E5%85%B5%E5%88%B6%E5%BA%A6_%E5%85%B5%E5%BD%B9%E3%82%92%E5%BF%97%E9%A1%98%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E4%BA%BA%E5%A5%B3%E6%80%A7/44115944
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