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GCAPは共同開発国を増やして負担軽減を

イギリス下院総選挙でスナク氏率いる保守党に対してスターマー党首率いる労働党が圧勝して政権交代が起こりました。
そんな中GCAPの開発中止の声が報道機関からちらほら聞こえるようになりました。ポラード国防担当閣外相はGCAPの
見直しを示唆する発言を行うなどGCAPの動向が怪しくなってきてるように思えます。ですが軍事ジャーナリストの
竹内修氏が指摘しているようにドイツもユーロファイター・タイフーン計画を一度は脱退しながら
また復帰したように脱退しても復帰するという見解に加えて第四次F-XでF-35Aが選定された時に
著名な軍事ジャーナリストの方ともお話したのですが一度締結した契約は政権交代で変わったといっても
白紙撤回する事は出来ません。現に日英伊国防相会談ではGCAPの開発は継続していくと表明されました。
とはいってもAUKUS級原潜の開発もあるので何らかの負担軽減策の必要に迫られているのは確かです。

■開発参加国を増やして開発費用と部品生産の負担軽減を

そこで負担軽減のために現在日英伊以外にサウジアラビアが開発参加を表明しましたがサウジアラビア以外にも
開発国を増やしてみてはどうでしょうか。ユーロファイタータイフーンの導入国からみれば
クウエート、オマーン、オーストリア、カタールが候補に挙げられるかと思われます。またフィリピンもGCAPに興味を示しており、
マレーシアやシンガポールのように非同盟を貫きたいので米露からの戦闘機調達は控えたい国からの開発参加要請もあり得ます。
そうなればイギリスはもとよりイタリアや日本の開発費もかなり軽減されます。開発費軽減は国庫はもとより国民世論の理解をも
深めることになります。残念ながら我が国は購買力平価GDPでは第4位になりこれからも下落が予想されます。
英伊もGDPは伸びるとは思えす、この三か国はスーパーパワーから転落するのは時間の問題と思われます。
そこで高度経済成長する国との軍事協力を深めるのも安全保障の一環とみるべきではないでしょうか。

■開発国を増やすにあたっては開発国の一致したコンセンサスが必要

開発国を増やして多国間共同開発するにあたっては必ず一致したコンセンサスが必要だという事です。
例えばF-35開発計画のJSFでは開発国同士の確執から開発遅延や計画の変更が何度もなされ、IOCが付与されて実戦配備されてからも
その禍根は残り続けています。もっともF-35は空軍型(A)、VTOL機能の海兵隊型(B)、空母運用の海軍型(C)とあるので
それも開発遅延の元ともなりましたがGCAPは空軍運用のみなのでF-35のようなトラブルの可能性は極めて少ないと思われますが
それでも開発遅延が起きないようにコンセンサスを構築しなければなりません。米露冷戦、米中冷戦の中で
JSFのような開発遅延は許されないという事をどうか日英伊のGCAP担当者にはご理解して頂きたいと思っているところです。

■ソース


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