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春を克服するわたしのお話し


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エッセイ「2024春」

春がずっときらいだった。鬱っぽく体調を崩すのはいつも春だったし、仕事が続けられなくなるタイミングも春が大半だった。どうにも春は心の荒波が立ちやすく、変動も大きくなりやすい。自分に振り回される春がにがてだった。

今年の春は休みなく働くか、行きたかった場所に足を運んだ。疲れたときは思いっきり寝て、心と身体を充電した。そうすることで、大きく体調を崩すことは今のところない。やりたくないことはやらない、自分を癒す、エネルギーをいい方向に向ける。そうすることでにがてな春を克服しつつある。


上がったぶんだけ、下がる。春はテンションがあがりやすい。だから気をつけなければいけない、と主治医に言われてきた。落ちたときが怖いから、と。でも、気がつけば1年以上大きく落ちていない。ギリギリを保っている綱渡りの状態、というわけでもなさそうだ。そういう意味ではわたしは確実に一歩ずつ前に進めているのだろう。

楽しい、嬉しい、美味しい、幸せ、そんなすこしの感情の浮き上がりを大切にすくってきた。ちいさくても感情の動きを積み重ねていけば、そこから自分のポジティブな土台ができあがってくる。積み重ねてきたから、今こうして淡々と立てている。


ずっと何者かになりたかったのだった、と過去のnoteを見返して思い出した。自分で何かを生み出したい。何者かになって人に影響を与えたい。そう思いながらも挫折していたのも、春だった。「一旦リセットしたほうがいいよ」と助言を受けたのも、春。春はかつてのわたしにとって休止期間だった。

今は、だいすきなカフェの仕事に就いて、新しい土地になじみ始めて、旦那と2人暮らしして、例年になく変化の多い春なのだけど、体調がいい。それはちいさな喜び、幸せを拾い集めたり、自分の好きをすくってみたり、いいエネルギーをもつ場所に足を運んだりしていた結果だと思う。

心の変動が、ないわけではない。落ち込むこともあるし、うまくできなくて悩むこともある。かつては自分を責めることのほうが多かったのだけれど、今は成長する糧として自分を励ますことができる。失敗したならばまた頑張ればよいし、その頑張りは誰かがかならず評価してくれると信じること。その気持ちがわたしをまた立ち上がらせてくれる。


人見知りでコミュ障だけど人が好き、というとびきりめんどくさい特性を持っているので、わたしにとってはカフェ店員という職業が天職なのである。サービス業という名目を使ってお客さんに話しかけにいけるし、話したら喜んでもらえる。それがまた嬉しい。

カフェはひとりでゆっくりするときも、友人とお話ししたいときも、家族で過ごしたいときも、空間ごと寄り添ってくれるからだいすきだ。さらに店員としてお客さんを観察することで、それがいいおもてなしに繋がるのだからわたしの特性を存分に活かせる。

春に転職するのはいつだって不安だし、この場に慣れるまで、自分を保てるか心配もある。でも大丈夫、わたしがわたしである限り、自分を励まして癒しながら進んでいけばきっと成長できる、と自分を鼓舞している。


もうわたしは、春だって怖くない。生きていれば感じる不安だって、起きてしまう心の変動だって、乗り越えられる気がする。過去の自分よりすこしだけ強くなれた今、ここからまた歩みだす、人生が楽しみになった。



詩 「春」

春がきらいだ
いつだって僕は
春がきらいだった

足元がふわふわして
頭がそわそわして
手元がぴくぴくして

落ち着かない僕がいる
空は淡い青色をしている

この空みたいに
上手に生きてみたい

この雲みたいに
どしんと生きてみたい

春みたいに僕は
不安定な僕のままで
図太く歩いてゆくんだ

きらいな春を好きになるとき
また新たな僕になれる

そのときを信じて
今日も眠るんだ

明日を信じて
今日も眠るんだ


アズ


「温かで穏やかな光を見失わず、貴方が生きていけますように。」 そんな気持ちでnoteを届けています。 気に入ってもらえたら【スキ】【フォロー】 さらに【サポート】で応援して頂けるととっても光栄です。