高校2年生の冬Part2
終業式の出来事を終え、泣き疲れた私は昼寝をした。
しばらくすると、家に電話がかかってきた。
同じ中学校から高校に行った男友達の声だった。電話を代わると言われ、次に出たのは片思いの人だった。
「2つおめでとう」
「え?2つ?!」
寝ぼけていたせいか、自分が誕生日であることも忘れていた。
「ありがとう」
叶わぬ恋だったが、彼の声を思い出すと今でも温かい気持ちになる。
友達の想いにも感謝だ。
母に求めた「褒めてほしい思い」は、計らずも彼らが上手に埋めてくれた。
私と入れ違いでパートに出かけた母は母で、娘に悪いことをしたという思いがあったようで、帰宅時にショートケーキを買ってきてくれた。
高校生になって、もちろんサンタさんが来るわけでもなかったし、誕生日は父が休みの日に祝ってもらっていた。
一人娘の特権で、デコレーションケーキは私の好みで選べたし、母の手作りカニクリームコロッケもおねだりできた。
今思い返すと、愛されていたなぁと感慨深く思う。
私の作品が入選したことは、さまざまな思いが連なって思い出に変わっていった。
今となれば、母に褒めてもらいたかった私の思いに気づくことができる。
月日の流れとは面白いものだ。
今回、このような思いを昇華させるきっかけをくださった進藤沙織さんに感謝する。
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