【地球の「今」を考えよう】CLIMATE CLOCKとは〜地球に残された時間はあと7年と151日?〜
突然ですが、あなたはCLIMATE CLOCKってご存知ですか?
日本語で「気候時計」と呼ばれるこの時計が指し示しているのは、”地球の平均気温上昇を、産業革命前と比べて「1.5度以下」に抑えるためのタイムリミット”。
私がこの存在を知ったのは、先日、社会活動家の谷口たかひささんのお話し会に参加してからのことでした。
【谷口たかひささんの動画です↓↓】
【全国を講演会でまわっているので興味ある方はこちら(イベント一覧)】
CLIMATE CLOCKの表示をみたときは「え…あと7年しかないの?!?」と驚いたけれど、同時に「え?あと7年で何が起こるの?よくわかんない」と困惑。
調べる中で「これはもっと調べなきゃいけないことがたくさんあるぞ」と思いましたが、まずは「この時計が正確かどうか?」に時間を使うことよりも、「こういう状態に地球がある」ということをまず知ることが大事だと思いました。
なので、今回は私が調べた内容を各種参照リンクとともにお届けします。
■はじめに
まず、あなたは気候変動についてどのくらい知っていましたか?
気候時計では「あと7年」になっていますが、実は2019年7月24日の時点で「気候危機を人類が生存可能なレベルにおさえられるかはこの18ヵ月にかかっている」と世界のメディアで報道ずみ。
(ドイツ在住だった谷口さんはその時危機感を持ち、日本に戻って講演を始めたそうです。)
2019年7月〜18ヶ月間といえば、2021年の2月ですよね?
私自身、「あまりよく知らないままその大事な18ヶ月が過ぎていた。」という感想で、正直それを知った時、めちゃくちゃ情けなくなりました。。。
私はヒプノセラピストをしているのですが、淡路島で自然農をはじめてから、私がずっと考えてきた真の心の豊かさが、自然との共存にあると感じていたのに、その自然がもうこんなギリギリのところまできていたなんて…。
ただね、悲観もしましたが、同時に知れてよかった!とも思いました。
知らずに過ごして後悔するより、知った上でやれるだけのことを私はやりたい。だから、今回調べたこともぜひ大事な人に読んでほしいなと思い、こうしてまとめさせてもらいました。
ただ実はね、気候変動のニュースって海外に住んでいる人のあいだでは連日トップニュースだそうです。
私たち日本人は、英語で情報をうまくとれないですよね。だから実は、情報社会のなかで孤立した鎖国状態。
(私はTVは持っていないので、その分情報を選んでとっているつもりでしたが、英語圏の情報はみていませんでした。)
実際に今回の気候時計(CLIMATE CLOCK)を調べてみると、情報をとるのにひと苦労!自動翻訳された記事や国が出しているお堅い文章はとっっっっっても読みづらかったんですよね💦
でも「読みづらいから」「よくわからないから」では済まされないことが今ここにある。
だからこの記事では出来るだけわかりやすく、私が調べた気候時計(CLIMATE CLOCK)について、あなたにお伝えできればと思います。^^
(「CLIMATE CLOCK」で調べると英文記事ばかり。「気候時計」で調べるとクラファン関連の記事ばかりでした。)
■そもそも気候時計(CLIMATE CLOCK)とは何か?
気候時計の公式サイトには、この数値は「THE MOST IMPORTANT NUMBER IN THE WORLD.(これは世界で最も重要な数字である。)」と書かれています。
そして、この数値が指し示すのは、
とされています。
実際にサイトをみてみると、以下のような時計が動いているのがわかります。
赤いDEADLINEと青いLIFELINE。
これは一体何を意味しているのでしょうか?初見ではほんっとにちんぷんかんぷんでした!
※しかもLIFELINEのほうは以下の3つに表示が変わるんです・・・
というわけでここから先は、気候時計(CLIMATE CLOCK)を詳しく解説していきます。
(ちなみに、この時計はニューヨークでは2020年から設置されています。今日本は0。ちょうど先日18ー20歳の若者4名がクラファンを起こし、1000万円を達成し設置準備中です。)
誰が作ったの?
https://climateclock.world/teamのサイトには、チームメンバーの名前として以下の人々が載せられています。(自動翻訳の表なので日本語が変です)
そして組織のパートナーとなる会社はこちら。
私は、このチームメンバーさんやパートナー会社さんのことを直接知りません。だから本当にこの人たちが信頼するに値するかはわからない…。
でも組織も国も情報も、完璧ではない人が作ったのだから、そもそも完璧ってがないと思うんです。
ただ、少人数で作ったものは偏りが生まれやすい。だから、これだけいろんな人たちが関わっているということを可視化するために、上記ひとまず貼らせていただきました!
■気候時計(CLIMATE CLOCK)の『DEAD LINE』が指し示すものとはなにか?
では、まずはこのデッドラインが指し示すものってなんなのでしょう?
「Time left to limit global warming to 1.5℃」は直訳すると、【地球温暖化を1.5℃に制限するための残り時間】。
「じゃあこのままあと7年151日が過ぎたら、地球の平均気温は1.5度を超えるの?」
私は初見でそう思ったんですが、実はどうやら違うらしいのです。
※炭素予算とは:https://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=4548
今カウントされている7年151日という数字は、「今のCO2の排出量のままでいくとあとこれくらいで使い切ってしまいますよ」というカウントダウン。
つまり、私たちの意識と行動が変わればこの時間は変わります。
でも、「これって何と比べて1.5℃?なぜ1.5℃という数字?温度が上がるとどうなるの?」など、わからないことが盛りだくさんですよね。
そこで以下を調べました。
なにと比べて1.5℃に制限しなきゃならないの?
結論からいうと、「”産業革命以前”の気温と比べ、地球の平均表面温度を1.5℃以内に制限」しなければなりません。
私たちの住む地球の平均温度は、この200年の間に既に1.1℃上昇しています。
それが「さらにあと1.5℃」ではなく、「産業革命以前の気温と比べ、地球の平均表面温度を1.5℃以内に制限しなければならない」のです。
なぜ「1.5℃」が鍵になるの?
じゃあここで気になるのが、「なぜ1.5℃という数字が鍵になるの?」と言うことだと思います。
これは結論からいうと、「1.5℃を超えると人類に壊滅的な自然災害が多発するから」です。
では、人類に壊滅的な自然災害とはどういったものを指すのでしょう?
自然災害だけじゃありません。自然災害によって引き起こされる食糧不足やインフラの機能停止もまた、こんなふうに考えられているんです。
1.5℃を超えると何が起きるの?
正直ね、1.5℃を超えずとも、今もうすでに地球上では、さまざまな気候変動が起きています。
日本でも同様にして以下のことが起きています。
正直、私たち人類がいなくなりでもしない限り、この気候変動が完全に止まるわけじゃない。でも、今一人一人が目覚め、気づき、動けば、私たちの地球は違う未来を迎えることができると思います。
ここでは「1.5℃を超えると何が起きるの?」へのアンサーとして、環境省の資料より1.5度上昇した場合と2度上昇した場合の違いをお伝えします。
・2度を超えると、珊瑚礁は99%消失(一度死んだら蘇りません)。
・10年に一回は北極の海氷が消え、洪水は170%増加。
・海面は上昇し、このままいけば2100年までに52~98センチ上昇。
・そうなると、シミュレーションでは日本のこれだけの場所が海に沈みます。(あなたの街はどうですか?)
その他、ロイターの出しているこちらの記事にも動画がありますのでぜひご覧ください↓
こちらは環境省COOL CHOICEのYouTubeチャンネルです↓
住むところがなくなれば、住むところを追われた人は移動を始めます。
すると家が足りなくなり、すると食糧が足りなくなり、奪い合いが始まる可能性だって大いにあると私は思うんです。
何度もいうけれど、私たちの住む地球の平均温度は、この200年の間に既に1.1℃上昇。
それが「さらにあと1.5℃」ではなく、「産業革命以前の気温と比べ、地球の平均表面温度を1.5℃以内に制限しなければならない」のです。
このまま私たちが無意識に今の生活を続ければ、あと7年と151日で私たちの地球はどうなるか?
私は今回のことを機に、今生きていることが当たり前ではないこと、日々への感謝、いまの自分の行動の重みをすごく感じるようになったんです。
■気候時計(CLIMATE CLOCK)の『LIFE LINE』が指し示すものとはなにか?
次に私がわからなかったのは以下の3つです。
それぞれお伝えします。
GREEN CLIMATE FUND(緑の気候基金)が示すことはなにか?
緑の気候基金とは、「途上国による温室効果ガス削減(緩和)と気候変動の影響への対処(適応)を支援 するために設立された多国間基金」です。
ここで支援の対象となっている途上国(南アフリカ、中国、サウジアラビア、パキスタン、エジプト、ガボン、アンティグア・バーブーダ、ブータン、アルバニア等)は自分の国の発展のために気候変動に対処できる余裕がなく、温室効果ガスの排出を減らすための行動に対応しきれません。
そこで緑の気候基金では、先進国(仏、英国、日本、独、スウェーデン、米国等)が中心となり、年間1,000億ドルを拠出して途上国を支援すると明記しました。
※ちなみに、世界のCO2排出量ランキングは以下の通りで、これまで日本も自国の発展のためにたくさんのCO2を出しています。
【これをみると、中国!!ってなるかもしれませんが、一人当たりの排出量はこうなっています】
今の緑の気候基金は、約10billionドル(100億ドル)で日本円にすると約1兆円です。(わかりやすく1ドル=100円換算)
単位がないのでわからないけれど、年間1,000億ドル(10兆円)の拠出をする!と明記したのであれば、めちゃくちゃ足りないのでは?という感想です。
LAND PROTESTED BY INDIGENOUS PEOPLE(先住民の土地の主権)が示すことはなにか?
ここは結論から言うと、「世界中の先住民と地域コミュニティ(IPLC)によって管理されている土地と内陸水域の総面積」です。
私はこれをもっと簡単に「先住民の皆さんが守ってくれている土地と内陸水域の面積」と捉えました。
先住民の数は、今世界で3億7000万人います。これは世界人口77億5300万人のわずか5%ほど。
でも、そんな彼らが何世紀(アボリジニなどは5万年以上前から)にも渡り守ってきた森林・砂漠・草地・海洋環境は、地球の生物多様性の80%を保護してくれています。
その土地と内陸水域の総面積が、今【43,500,000㎢】です。
地球上の総面積が510,065,600㎢(陸地の総面積は147,244,000km²)なので、値としては約8%を守ってくれていることになります。
しかし、そんな彼らの生活に関する認識やサポートってほとんどないですよね。私たちが観光で荒らしてたり、土地開発などに追われることもしばしばです。
私はこれをみて、彼らが地球にとってどれほど尊い存在なのかを知ると同時に、いかに自分が先住民の文化や生活に無関心だったのかを知りました。
「愛の反対は無関心」、この言葉が今すごーく胸に刺さっています。
WORLD's ENERGY FROM RENEWABLES(再生可能エネルギー)が示すことはなにか?
次に、この値が指し示すのは、「再生可能な資源(太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスなど)によって作られる世界のエネルギー消費量の割合」です。
今、世界の温室効果ガス排出量の約3/4は化石燃料にたよっていますが、いつまでもこの排出量では当然地球がもちません。
よって「IPCC1.5度特別報告書」では、2050年近辺までのカーボンニュートラルが必要という報告し、以下の国がそれを表明しています。
※カーボンニュートラル:温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること
再生可能エネルギーに関しては後日また調べてシェアしますが、CLIMATE CLOCKをみると、世界の再生可能エネルギーは全体のうち12%程となっていることがわかります。
■やばいのはわかった。でも私たちはどうしたら?
ここまで読んでいただいた方は、きっといろんな気持ちになっていると思います。
など、100人いたら100通りの意見があって当然だと思うし、なかには誰かを悪く言いたくなる気持ちが出た人だっていると思います。
うん、わかります。
実際、今回はお伝えできませんでしたが、これほど気候変動が起きているのに、世界では私たちが食べる家畜を育てるために人為的に森が焼かれていたりもするし、
すでにアメリカでは、食糧危機を見越して、ビルゲイツが農場を買い占めたりもしています。
でも、私がもしもアフリカで牛を育てていたら、家族のためにお金が必要で、森を焼いてしまうかもしれない。
私がもしもビルゲイツなら、抱えている社員・企業のために、農場買い占めちゃうかもしれない。
もし私がその人なら、同じことは絶対しない!って言えないから。
だから結局この世界は、私たち一人一人の意識が作っていると思うんですよね。
あいつが悪い、お前がなんとかしろ、と誰かのせいにせず、私が私のなかの意識と向き合い、行動を変えるタイミングが、今まさにきてる。
この記事がそんな自分の意識を、考えるきっかけになったら嬉しいです。^^
【そのほか、参考記事URL】
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th/pdf/ar5_wg1_overview_presentation.pdf
読みにきてくださってありがとうございました!きっと私の文章を読んでくれる方は近いつながりの方だと思うのでどこかでお会いできる日を楽しみにしています。^^