ゼロからイチへの日誌【2】 資料

これは2024年4月27日に開幕する予定の朝ミュージカル東京の新作『ながめせしまに茶の湯でも』のクリエイター目線からの記録です。

ゼロからイチへの日誌【2】 資料

2022年12月〜2023年2月

関連してそうな資料を読む。とりあえず本4冊。

私は史実ベースの作品を創る事が多いと思うのだが、普段は30〜50冊くらい(+現地インタビューなど)読むなかで、今回はフィクションが結構混ざるし史実をそこまで使わないつもりなので資料数は少ない。
いっぽう、めっちゃ史実を使う時はなにをおいても現地インタビューに勝るものはない。(状況が許せば)

『氷刀火(ヒトカ)伝』というのを書いた時、それは奥州で坂上田村麻呂と戦った人首丸(ひとかべまる)っていう実在の少年の話だったんだけど、東京ではわずか2行の記述を見つけられたぐらいで(大学図書館まで行ったのに)、
だめだこりゃと思って現地(岩手)の資料館巡りでやっとじわじわ情報が集まってきた。
でも極めつけは現地の方の昔話語りであった。資料なんて軽く吹き飛ばす有機的な威力だった。

人伝てに捜し回ってとある方と繋がり、お話し伺いに行きますとお電話したけど「まさかここまで本当に来るとは思わなかった」とか言われつつ(いや行くわ)、何時間もお話ししてくださって、あちこち車で連れてってくださって、
まるで隣の家がブルドッグを飼い始めましたよみたいなニュアンスで「ここは田村麻呂が◯◯をした◯◯ですよ」「人首丸は◯◯で◯◯で」などと言われては。
「この風景は平安時代から変わっていない。あなたは田村麻呂が見たものを追体験しているんですよ。」などと言われては。
アドレナリンで打ち震えるしかないではないか。

生の伝承ってすごい。

激しく脱線したまま今日は終わります。

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