10. 日本語と違う英語の作法〜レベル2に到達するために〜
ワシントンDC郊外在住のazusaです。日本で主宰していた「使える英語が身につく英語レッスン(OEC)」での生徒さんの英語習得の成果が素晴らしかったので、OECで伝えていた「誰でも英語が使えるようになる」ための英語学習のヒントを、シェアしています。
引き続き、
レベル2
「センテンスでのコミュニケーションがなんとか可能 簡単な本が読める」
の英語力を達成するためのヒントをお伝えします。
前回は「英語の形式(つまり語順、つまり型)」についてお話しました。
今回は、英語の作法についてです。「英語の作法」とは何を指すのでしょうか。「コミュニケーションの型」と捉えていただければと思います。
それでは、またイメージで理解していきましょう。
日本語は相手の言葉に沿う言語、 英語は相手の言葉に答える言語
英語では、
結論から言うこと
簡潔に言うこと
が求められます。きちんと相手の言葉に対して「答える」ことを意識する必要があるのです。
文法もしっかりできて発音もよく、英語自体はとても上手な日本人が、海外の大学やビジネスの場面で格好良く英語で話をする場面があります。でも、そこでネイティブから、「英語がわかりにくい」、とか、「そもそも何を言っているのかよくわからない」、、と言われることがあるようです。
英語自体は間違っていないのに、、どうしてそんなことになるのでしょうか。
私は、その人が英語をしゃべりながらも「日本語のコミュニケーションスタイル」で話しているのが原因だと思います。論点の伝え方が回りくどかったり、文章が長すぎたりして、わかりにくいのかもしれません。日本語話者の私たちにとっては、英語を話す時には「きちんと質問に答える・まず結論をはっきりと伝える」ことを意識しないと、何を伝えたいのかよくわからない、と言われる可能性があることを知っておきましょう。
そのまま英語にしたらNG!の日本語思考英語の例1(ちゃんと答えましょう!)
「昨日なにしてた〜?」
「昨日?なにも。(雨だったし)」
日本の子どもたちの会話のひとコマです。なにもしなかったわけはないですよね。何かはしていたはずで(1日家にいた、とか)。でも日本語のコミュニケーションはこれでOKなのです。
英語での会話だと、質問に答える方が無難です。
"What did you do yesterday?"
"Nothing much. I stayed home whole day, you know it was raining all day."
OECでは、レッスンはじめのスモールトークの時間には、こんな、なんとなくのやり取りを「英語的に」答えることを意識していました。日本語的な答えをそのまま流していたのでは、英語のレッスンとして何にも役立ちません。。日本語で思考して頭の中に浮かんだことをそのまま英語に訳して言えばそれでいいのでしょうか? "What did you to yesterday?(昨日何してた?)" "Nothing.(何も)" では、英語学習としては進歩がないのです。。
そのまま英語にしたらNG!の日本語思考英語の例2 (短い複数のセンテンスで話しましょう!)
「きのうは、スーパーにいって、バナナを買おうと思ったけどいいのがなくて、りんごをいくつか買って帰った。」
そのまま一文で英語にすると、、、長い! 英語なら、2文章に分けた方が無難です。ビギナー英語なら3文章でもいいと思います。
I went to a supermarket yesterday. I wanted to get some bananas, but there were no good ones, so I bought apples instead.
先の記事の「英語の形式(型)」、そしてこの記事でお伝えした「英語の作法(コミュニケーションスタイル)」、これらを理解して、練習すれば、おそらく多くの日本人はそれだけで十分英語でコミュニケーションすることは可能になると思います。
その先に、「使える単語」と「文法の基本」を学べば、どんどん日本人の「英語話者」が増えていくと確信しています。
「英語の形式と作法」の練習の方法ですが、OECでは、日本語ですることもありました。英語を話す時に主語を抜いてしまう生徒さんも多かったので、主語も含めて英語風に話すのです。「日本語を使って」「英語の語順と作法で」話す練習です。
(みんな日本語で)「あなたは昨日はなにしてた?」
「私は昨日は、家にいました。雨が降っていたから。」
「私は昨日スーパーにいきました。私はバナナが欲しかったんです、、でも、いいのがありませんでした。だから、私は、りんごを買いました」
もちろんぎこちない不思議な日本語なのですが、日本語を使って英語の型と作法の違いを理解したほうが、簡単ですよね。
さて、もうひとつ、レベル2になるためには、「簡単な本が読める」ことも目標にしています。口頭のコミュニケーションは少し可能だけれど、お店の張り紙やちょっとした広告などがわからない、、では、その言語が「使える」とは言い切れません。海外旅行に行った時も、四技能すべての力が必要となりますよね。自信を持って英語で「話したり、読んだり、聞いたり、書いたり」全部できるようにしたいのです!(OECが目指す「英語の習得」は欲張りです!)
長くなったので、それについては次回に続きます。
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