12. 簡単な本が読めるようになるために〜レベル2を達成するために〜


英語のレベル2の目安として、簡単なセンテンスでコミュニケーションがなんとか取れることと同時に、絵本や広告など、簡単な英語を読めることもあげています。

「シンプルなセンテンスでの口頭でのコミュニケーションに必要な知識」中学英語の3年分の文法と単語力」で習得することができます。(ただし、実際にコミュニケーションを可能にするためには、ここまでにお伝えしてきた英語の発声、発音、形式、作法をきちんと理解し、十分に練習することは必須です!)

では、「英語の文字情報を理解する力」についてはどうでしょうか。

ネイティブ向けの数行の広告、あるいは幼児向けの絵本における、ちょっとした英語の文章を理解するために必要な英語は、、中学あるいは高校で習う英語だけでは足りないこともあるようです。なぜかというと、使われる単語選びに違いがあるのです。

広告に使われる英語

広告といっても業種によって様々ですが、そこに現れる英語は、「生活に直結したもの」「文化や習慣が背景にあるもの」の場合があります。つまり、その文化に身を置いたことがない、そこで生活をしたことがないと、何のことを言っているのか想像がつかないこともあるわけです。前提となる生活の経験がないわけですから。また、短いキャッチコピーでたくさんの情報やニュアンスを伝えるために、多義語やや掛詞など、中学英語では習わなかった意味で使われる単語が使われることも多いですね。

これをクリアするための方法は、、シンプルです。「ふうん、そういうのがあるんだ」「そういう言い方をするんだ」と、一回出会えば良いのです。それらをたくさん集めてしまえばいいわけですから、ここでそれをしてしまいましょう!

適当に目についた広告をいくつか例としてあげてみます。そんなのわかるよ〜、という人もいれば、???と思う方もいらっしゃるかもしれません。

1. Buy 1, Get 1 Free!!

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「ひとつ買えばもうひとつはタダ!」

あらゆるお店で見かける広告です。説明なくてもきっとわかりますね^^;  "Buy 1 Get 1 50% Off"(ひとつ買うとふたつめは半額!)というバージョンもよく見かけます。(しかも前半は超小さく書いてあって、50%オフだけが目立つようになっている・・・)


2. HOW TO BUILD A LASTING RELATIONSHIP  1-Cut on dotted line. 2-Rotate 180 degrees.

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 「関係を長続きさせるために。1-点線を切り取る 2-180度回転させる」 

(つまりMEをWEにする。自分自分!から、私たち。という意識に変えましょうということですね。ちなみに結婚サービスサイトの広告です。算数的な単語はなかなか出会う機会が少ないですね。)

buildは「家を建てる」イメージで習いますが、有形無形に関わらず、「構築する」場合に使います。

dotted line「点線」(点はdotsと言います)

rotate 180 degrees 「180度回転させる」rotateは理数系の勉強時によく出てきますね。度はdegreeか〜、と覚えたら次出てきた時にはわかります!


3. A dog makes your life happier. Adopt.

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「犬はあなたの暮らしをよりより幸せにしてくれる。里親になろう」

(動物保護シェルターの広告。アメリカでは犬はペットショップで買うものではなく、シェルターから引き取るものという意識があります)

* someone (something) makes me 〜(形容詞)「人(物)が自分をどんなふうにしてくれる」 よく使う言い回しです。She makes me happy. (彼女は自分を幸せにする=彼女といると幸せ) That made me so sad. (そのことが私をすごく悲しませた=それのせいですごく悲しかった) 使えるとと便利な表現です。

adopt 「自分のところに受け入れる」ことです。色々な場面で使えます。里親になる。受け入れる。取り入れる。採用する。採択する。公認する・・・


絵本に使われる英語

続いて、小さい子向けの絵本についてです。

もちろん、基本的にはシンプルで簡単な英語だと思います。でも、時に小さな子ども向け絵本の英語は、日本人の大人には難しいときもあります。子育て時代、幼児時代を通らないと出会わない英単語というのがきっとあるのですよね。

でも、そんな絵本に出てくる、私たちが出会いにくかった英語のバリエーションも、そんなにたくさんあるわけではありません。一旦知ってしまえば、次からはわかる。なので、簡単に埋めることができると思います。例えば、こんな感じ。

家にある絵本からいくつか選んでみました。教科書の英語では出会うことの少ない単語かな?と思うものを拾ってみます。

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男の子Dannyと恐竜が出会って遊ぶ絵本の中の一コマです。もしかしたら、tricksってなに?roll overって?と思う方もいるかもしれない、と思って選びました。


The dinosaur was out of breath.(恐竜は息が切れてしまいました{ぐるぐる走り回った後の場面です})

"Teach him tricks," said the children.(「なにかを教えてみて!」子どもたちが言いました。)

Danny taught the dinosaur how to shake hands.(ダニーは握手の仕方を教えました)

"Can you roll over on your back?" asked the children. (「背中でころがれる?」子どもたちは言いました」)


*小さい子ども向けの絵本には、動物や赤ちゃんなどの動きの描写が度々あり、教科書ではなかなかお目にかかれない表現も多いかと思います。

子どもや動物の動き:

roll(転がる), bounce(跳ねる), crawl(四つんばいで、はいはいで動く), flip(くるんと返す), leap(遠くへ跳躍する), nip(噛む), sneak-peak(こっそり覗き見る), tiptoe(抜き足差し足で歩く), trick(騙す), zip(ビュン!と高速でする), shrug(肩をすくめる), tap(つんつん、軽く叩く),  poke(指を突っ込む), slide(滑る), soar(空高く滑空して飛ぶ), sway(体を揺らす), swoop(シューっと飛ぶ), tumble(ガタガタ落ちる) 


続いては、こちら。ピンカリシャスというシリーズ絵本からです。

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こちらはPinkalicious(ピンカリシャス)というピンク色大好きの女の子が親友をおこらせてしまう一コマです。frownedに?の方がいらっしゃるかな、と思いました。

"Un... I'm sorry, Alison," I said.(「えっと、、ごめんね、アリソン」)

"By mistake I used up all the pink."(間違ってピンクを使い切ってしまったの)

Alison frowned.(アリソンは顔をしかめて、)

"You also used up all the red and the white," she said.(「赤と白も全部使い切ってるじゃない」と言った)

"Well, red and white make pink, so really it's all pink." I said.(「ええと、白と赤ではピンクになるから、やっぱり全部ピンクなんだけど」私は答えた。)

Alison was angry.(アリソンはおこってしまった){当然だ!^^;}

子どもの絵本に限らずですが、英語では顔の表情をたくさん動詞で表します。どれも「表情を変えた」ことだと気づけば、笑顔なのか怒っているのかは話の筋でなんとなくわかりますから、これも「そういう単語だろう」と思うことができればクリアです!

顔の表情を表す動詞:

frown(顔をしかめる), grin(歯を見せてニコッと笑う), smirk(ニヤニヤ笑う、あまり感じよくない), jaw dropped(ムンクのポーズでOH NO!), toung out(あっかんべー)、roll eyes(あきれた!の表情), give a dirty look(睨む), look down(見下した顔で見る), 


次にクラシックな絵本、日本語でも有名な「てぶくろ」です。

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A snowshoe rabbit came hopping by. He stopped for a moment to admire his winter coat. It was then that he saw the mitten, and he wiggled in, feet first. The mole didn't think there was room for both of them, but when he saw the rabbit's big kickers he moved over.

野うさぎがぴょんぴょん跳んできました。野うさぎは一瞬止まって自分の白い毛をうっとり眺めましたが、そのとき「てぶくろ」が目に入った彼は、グリグリと体をいれてみました。まずは脚から。すでに中にいたもぐらは、二人分には狭いよ、と思いましたが、野うさぎの立派な蹴り足を見ると、黙って場所をつくりました。

先の二つの絵本で説明したとおり、「動き」が多様な動詞で説明されているのがわかりますね。hop(ぴょんぴょん跳んで動く)、admire(感心してうっとりして仰ぎ見て見る)、wiggle(くねくね、グリグリ動く

room  その人が入るためのスペース

move over "room"を作るために寄ってあげる


ここまで見てきて、「英語には覚えるべき動詞が多すぎる・・・・!!」と思っている方、いらっしゃるのではないでしょうか?本当ですね。でも、それには理由があります。

日本語では、副詞(素早く、ゆっくり、など)やオノマトペ(パタパタ、しとしと、などの音を表す表現)を使って「どんなふうに」するか、という部分を表します。一方、英語では「どんなふうに」するか、という表現は、その部分を含めた異なる動詞で表現するのです。

日本語を学ぶとしたら、動作をどんなふうにするかの副詞やオノマトペをたくさん覚えなくてはいけませんから、どちらが大変ということもないかもしれません。英語では、動詞にそれらの表現が含まれる、ということを意識するだけで、英語を使いこなす能力は変わってくると思います。


同じ単語(特に動詞)の繰り返しは好まれない

つまり、文章の中で同じ動詞を繰り返していると、同じオノマトペや副詞を使って話しているような感じで、とにかく、とても、、、、つまらない、あるいは子どもっぽい文章に感じられてしまいます。洗練されている、大人な文章を書くには、様々な動詞を使い分けることが重要なのです。


英語は言い代え力遊びをしている言語だと思うとよいかもしれませんね。

例えば、本を読んでいる中で、知らないなと思って辞書を引いたとします。

murmurd..(つぶやいた、要は「言った」ってことね)  granted... (認めた、これも「言った」)mumbled.. (もごもご言った、なんだこれも「言った」)・・・・yelled.  (叫んだ… なんだ!全部saidで置き換えられるわけね!!)

ということです。ですから、年齢にもよりますが、「言う」や「笑う」「動く」など頻繁に使う動詞は、3パターンくらいお気に入りの言い方を使えるように覚えてしまいましょう。あとは、勘で「またこれは言い代えてるだけだろうな」くらいの認識で、いつのまにかPassiveには(聞いたり読んだりする分には)なんどなくわかる単語がどんどん増えていくのです。


授業では習わない日常の動作の言い方を知ろう

日常の動作は、学校で習うことのない反面、いざネイティブと話をしようとすると、言いたい場面がよくでてきます。これらを効率よく眺めて学ぶことのできる本がありましたので、ご紹介します。

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『イラストだから覚えられる会話で必ず使う英単語1100』石井辰哉(クロスメディア・ランゲージ)より

rub my eye (目をこする)、sit cross-legged (あぐらで座る: 小さい子はcriss-cross-apple sauseと言います^^)、blush(顔を赤らめる)、fold my arms(腕を組む、ママが怒っている時もね)、lie on my back(仰向けに横たわる)、sigh(音はサイ。はあ・・・ため息をつく)、whisper(ささやく)、pinch (つまむ、はさむ)、fidget(そわそわする)、cross legs(脚を組む、leg crossedという言い方も)


英語教室OECでは、日常に出てくるオノマトペを使うような表現(ビュンビュン飛ぶ、とか、ピューっと飛ぶ、とか、フワフワ〜、とか・・・)は、歌でたくさん聴いて覚えてもらっていました。

いつか追って記事で紹介したいと思いますが、英語表現は子ども向けの歌でたくさんたくさん学べます。それも楽しく!それも、意識せずに!(動画を見ていればわかるので)


とても長くなりました!

こんな日常に直結した動詞の言い方などをたくさん知ることで、いつの間にか、読んでも聴いても「わかる!」英語が増えてくると思います。


長い記事におつきあいいただきありがとうございました!




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