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死に触れるとは、死を内包して生きること〜死生リンクカフェに参加して〜

※これは過去の書きかけの記事に手を加えて公開したものです。

2月15日(土)、豊前市で開催された幸せおひさまカフェに参加しました。
主催の方3名はそれぞれ大切な方との死別体験がある方。緩和ケアからしばらく離れている私にとっては久しぶりに「死」に触れる時間でした。

息子連れのため、集中して聴くこと叶わず・・・(涙)

会場であった幸せおひさまカフェは元小学校だった建物を利用した素敵な空間。日々動きが激しくなる息子の好奇心を刺激しない訳がなかった・・・。

結果、動き回る息子に付き合いほとんど部屋の中にいれず。テレビの撮影もしていたため、部屋の外から漏れ聞く声をひろうのが精一杯・・・(涙)
しかし、せっかく頑張って参加したので、感じたことを記録しておこうと思います。

お一人は友人を。
お一人は20代でお母さんを。
お一人は5歳の息子さんを。
それぞれ、順にご自身の体験と、今回の企画への思いをシェアしてくださいました。

育児中で世代も近いということもあり、最後のご長男を亡くされた方の話が最も心に刺さりました。

「一生懸命生きたら、息子に会えた時、よく頑張ったねと言ってもらえる気がする。そのために頑張っている」と。

その後、「もしばなゲーム」というアドバンスケアプランニング(避けられない死を前にして、大切にしたい、もしくはして欲しくないケアについて話し合うプロセス:ACP)をテーマにしたカードゲームを各テーブルで実施しました。

実はこのゲーム持ってるので、何度もやったことありましたが、初めましての方とするのは楽しいですね。同じテーブル、お二人はご夫婦、もう一人は息子さんを亡くされた年配の女性の方でした。

大分県はこのゲーム、行政が10個持っていて、自由に住民がワークショップ開いたりできるそうです。全国初のACPの条例ができるかもしれないとか・・・。
ACPの普及については前職場で、所属しているチームが助成金とって地域へ啓発活動などをしていたから、進めることの難しさは知ってるつもり。
あの頃からだいぶ、社会も進んできてはいると思うけど、まだまだセンシティブな話題ですよね。なんだかすごいぞ、大分。

私はなぜ「死」に惹かれるのか

私はなぜ「死」に惹かれるのか、と考えてみました。

同じテーブルの息子さんを亡くされた年配の女性は、息子を連れていた私をあまり好意的な目で見れなかったのかもしれないと感じました。

「あなた若いから死なんて見たことないでしょう?いいわね。せめて動物とか買った方がいいわよ。そうじゃないと、死を経験することなんてないんでしょうから」と割と、強い口調で言われたので。

「そうですねー」と答えながら、私の世代は一般的に死に触れることがないというのが普通なのかもしれないと思った。遺族でもあるし、友人を亡くしてるし、300人ほどの看取りに割と日常的に関わってきたと言ったらびっくりされるだろうなーと思いながら言えなかった。なんでだろう?

私の仮説だけれど、一度でも「死」に触れたことのある人はその体験を心の中に、身体の中に、内包して生きていくのではないでしょうか。心の、身体の、そして、いつか自分にも訪れる、自分の一部だから、惹かれるのではないか、そんな風に感じました。

死生リンクカフェは今後も活動を継続されていくそうです。楽しみですね。

余談ですが・・・

会の終了後、私の数少ないママ友さんが豊前にきてるんだったらと声をかけてくださり、畑のどんど焼きに参加してきました。

手作りで組んだ小屋の中でシシ鍋を振る舞ってもらい、縮こまった身体がゆっくり溶けていきました。惹かれるとはいえ、やはり死に触れると心も身体も緊張しますよね。

最後は火をつけるところも参加させてもらいました!子ども連れの特権。
集落の大切な行事だろうに、ポッと参加の私にも優しくしてくださるなんて、本当、畑の方達は良い人ばかりです。

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この小屋が、火をつけてあっという間に

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こうなって

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こうなりました。

なんだか象徴的な1日だったので記録してみました。

ちなみに、消火のためにちゃんと消防車きてました。