【トレチノイン・ハイドロキノン】わかりやすく解説!②
前回のハイドロキノンのお話に続いて、今回はトレチノインについてです。
トレチノインは、レチノイドというビタミンA誘導体で、日本では化粧品への配合は認められていないので医療機関での処方のみになります。
身近なものでは《レチノール》という成分もあります。レチノールはシワ改善化粧品に入っている成分ですが、これはビタミンAのことです。
トレチノインもレチノールも同じ種類の仲間ですが、我々の体への作用の強さが違います。
なんと、トレチノインはレチノールの100倍ほどらしいです。
どんな作用があるためにハイドロキノンと合わせて使用されるか、レチノールがシワ改善に効果があるとされているならば、トレチノインも効果があるのか、そのあたりも詳しくお話ししていきます。
●トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)
早速ですがズバリ、トレチノインがハイドロキノンと合わせて使われる理由は、ターンオーバーを早める効果があるためです。
前回お話したように、メラニンによって色のついた細胞は早く追い出してしまって、あとはハイドロキノンの効果で綺麗になった細胞でいっぱいにしたいのです。
ターンオーバーが整っているお肌でも1ヶ月くらい、通常加齢と共に時間がかかるようになってきているため2ヶ月くらいかかるものです。
それをトレチノインは数週間分早める力があります。すごい!
どうやって早めるかと言うと、表皮細胞が分裂するのを促進させます。ターンオーバーというのは、表皮にある細胞が分裂・増殖することで、表面に上がってきて垢になります。つまり、トレチノインはそれを早送りする、ということです。
そうすることで、古い細胞はどんどん垢となって落ちていき、新しくてピチピチな細胞でいっぱいになります。
レチノイド反応(A反応)とは
なのでトレチノインを使い始めて2〜3日後くらいから皮(古い細胞)がむけてきます。これがレチノイド反応(A反応)と言われるものです。
ピチピチな細胞でお肌が整ってくると、A反応もなくなります。
このA反応が「辛い!」「私の肌には強すぎたからやめた!」と、脱落者が多発します。笑
皮が剥けてくるだけならまだしも、赤みやかゆみも伴うことがあるからです。
ただ、濃度や頻度をかえることでも十分効果は得られるので医師にしっかり相談すると、上手にトレチノインを使うことができるようになってくると思います。
A反応ではなく、アレルギー反応を起こす方もいます。
ただ、トレチノインはもともと血液中にあるものなのでそれ自体にアレルギー反応を起こしていると言うより、それ以外の成分にアレルギー反応を起こしている可能性が高いです。
不安があれば医師に症状を伝えてA反応なのかアレルギー反応なのかは診てもらったほうがいいです。
塗った範囲を明らかに超えて赤みが出てくるようであれば即座に中止してくださいね。
トレチノインで肌が薄くなる、は嘘!
「トレチノインはピーリング作用が強いから、皮膚が薄くなる」
こう思っている人、多いです。
実はむしろ逆で、トレチノインによって細胞が増えるので、表皮は厚くなります。
ただ、表皮の一番外側である角層はトレチノインを使う前より、薄くなります。
なぜか?
通常加齢とともに細胞は元気がなくなってバリア機能が落ちてしまいます。
そんな状況で、古い細胞だからといって垢となって次から次へと剥がれ落ちてしまうと、バリア機能の戦力が減ってしまうため、古いとは言え、溜め込むことでバリアを補います。だからターンオーバーが遅くなってゴワゴワとした肌になるのです。体を守るための防御反応です。
なので、トレチノインを使うことで中から強いバリアを張ることができるようになるので、わざわざ古い細胞を角層にとどめておく必要がないのです。つまり、理想のバリア機能の形です。
そうするといいことがたくさんあります。
・水分をしっかりため込むことができるので、ハリのあるお肌に。
・表皮のヒアルロン酸も、真皮のコラーゲンも増えて、小じわが減る。
・ゴワゴワ肌から、みっちり細胞の詰まったきめ細かい肌に。
ちなみに皮脂腺の働きを抑えるのでニキビの改善にも効果が高いです。
トレチノインを使用している人の肌は、やっぱりとっても綺麗な人が多いです。
凹凸がなくて内側からハリのあるお肌というか、50代、60代でもタマゴ肌!って感じです。
トレチノイン・ハイドロキノン療法を乗り切るコツ
どちらも赤くなったりしやすい成分なので、「これって通常の反応なのかな…。」と不安になりやすい治療です。
妊婦さんや授乳婦さんは控えた方がいいですが、それ以外の方は使用できます。
気になる方は医師からの説明をしっかり受けて、納得がいってから治療を行ったほうがいいと思います。不安があればすぐきけるような信頼できるクリニックをぜひ探してみてください。
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