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色素沈着を消すためにできること

色素沈着っていわれてどんなものを思い浮かべますか?

ニキビの色素沈着
虫刺されのあと
転んだ傷跡
火傷のあと
切り傷のあと
シミ取りレーザーのあと などなど…

これらで茶色っぽく色がつくことを【炎症後色素沈着】と言います。


実は私が美容医療に興味を持った一番最初のきっかけは、階段で転んでできた、足の傷の色素沈着を消すためにレーザー治療を受けたことでした。

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この左足の色素沈着です。結構目立っていたので気になってました。
(経過の写真を撮っておらず…見えづらくてごめんなさい)


みなさんも体のどこかになかなか消えない色素沈着、ありませんか?

(今回、白くなった〈瘢痕〉や赤く盛り上がったような〈ケロイド〉のお話とはまた別なのでご注意を。)



1.色素沈着における、【絶対NG!5つのポイント】

色素沈着を早く治すためにはまずはNG行動、NG要素を排除するのが第一です。

【絶対NG! 5つのポイント】
①傷や傷痕が気になって触ってしまう(掻く、擦るも同様)
②日光に当てる(UVケアをしない)
③薬などを使わず、炎症を長引かせてしまう
④栄養不足
⑤肌の乾燥など

なぜこの5つがNGか、色素沈着のメカニズムも含めてお話しします。

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2.なぜ色素沈着が起こる?色素沈着のメカニズム

色素沈着でポイントになるのは、メラニンを作り出すメラニン製造機〈メラノサイト(色素細胞)です。


肌の色も、シミも、色素沈着も、茶色っぽい色は〈メラニン〉の色です。
メラニンはメラノサイト(色素細胞)という細胞から生まれた粒です。

なので、炎症が起きたりすることでメラノサイトを刺激してしまうと、メラニンをたくさん作ってしまうために、その部分の肌を茶色〜黒っぽく色がついたようにしてしまいます。

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「なんて厄介なんだろう。」と思うかもしれませんが、紫外線から身体を守るためにとっても重要なものなんです。

白い服より、黒い服の方が日光を吸収するように、メラニンが身代わりになって紫外線を吸収することで、細胞が傷つけられるのを防ぎます。


メラニン自体は小さなつぶつぶで、それが細胞に溜まっているのでシミや色素沈着は茶色っぽく見えます。
その細胞は、ターンオーバーでいずれ垢となって、通常は剥がれ落ちます。


ただ、ターンオーバーで細胞が入れ替わるのは厚さ0.2mmほどの表皮の話です。頻繁に触ったり、掻いたりすることと、メラニンが表皮の下にある真皮まで落ちてしまいます。
そうすると簡単には消えなくなってしまいます…。


3.色素沈着の予防 : 3大原則

なので、色素沈着を防ぐためには、

【色素沈着予防 3大原則】
❶炎症を最小限に止めること
(▶︎メラノサイトの刺激を最小限にして、生まれるメラニンの数を減らす)

❷ターンオーバーを整えること
(▶︎作られたメラニンを早く排出する)

❸刺激を与えない
(▶︎悪化させる要素を作らない)

この3つがとっても重要です。

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ここでさきほどのNGポイントに戻ります。

【絶対NG! 5つのポイント】
①傷や傷痕が気になって触ってしまう(掻く、擦るも同様)
②日光に当てる(UVケアをしない)
③薬などを使わず、炎症を長引かせてしまう
④栄養不足
⑤肌の乾燥 など

なぜこの5つがNGか、理由は以下のようになります。


NG①傷や傷痕が気になって触ってしまう(掻く、擦るも同様)

皮膚自体のダメージを与えるので、余計な炎症を起こしてメラノサイトも余計に刺激してしまう。しかも刺激が続くと真皮までメラニンが落ちちゃうかもしれない。(=色素沈着を長期化させる
ちょうど傷の部分が、洋服や下着で擦れたりするのも同じです。



NG②日光に当てる(UVケアをしない)

正常な皮膚でも紫外線ダメージに対して、メラノサイトは頑張ってメラニンを作り出してしまうのに、炎症が起きているところにさらに紫外線ダメージとなると、メラノサイトはかなり活発に働きます。その部分のメラニンの数はすごいことになります。



NG③薬などを使わず、炎症を長引かせてしまう

傷が治るのを薬で助けてあげると、メラノサイトへの刺激も最小限になります。小さな傷は自分の免疫反応だけで放っておけばほとんど良くなると言えど、色素沈着を起こさせないためにも、皮膚科で適切に治療して早く炎症を落ち着かせる方がオススメです。



④栄養不足⑤肌の乾燥など

メラニンの排出をうながすためにターンオーバーが整っていることが理想的です。栄養不足、乾燥以外にも、睡眠不足、ストレスなどによってターンオーバーは乱れてしまいます。ここらへんも色素沈着ケアでは侮れません。

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4.色素沈着は何日で消える?

結果から言うと、3ヶ月くらいはみた方がいいです。

これは、【3大原則】を頑張って守ってても色素が沈着してしまった場合、最短で3ヶ月、ということです。

なので長いと、半年〜数年単位で色が残ることもあります。


軽症かつ【3大原則】を守れば色素沈着をせず、1ヶ月もあれば綺麗に治ります



5.色素沈着をどうしても治したい!できることは?

赤みがあるうちはまずは炎症を落ち着かせるのが第一優先なために、【3大原則】を徹底するしか方法はありません。

その後は、塗り薬やレーザーなどの治療で色素沈着は改善できます。


塗り薬

一般的に使われる薬はトレチノインと、ハイドロキノンという薬です。

トレチノインはターンオーバーを早める薬です。

ハイドロキノンは〈チロシナーゼ阻害〉という作用と、メラノサイトへの〈細胞毒性〉という2つの作用で、結果的にメラノサイトから生まれるメラニンを少なくするよ、という薬です。

これらの薬は扱いが非常に難しい薬なので、必ず医師に処方してもらって正しく使用する必要があります。

(トレチノインとハイドロキノンについては改めて詳しくかくことにします)


レーザー治療

色素沈着に対してレーザー治療をすることもあります。

強いレーザー(Qスイッチルビーレーザー等)をあてて(ほぼ)1回で治療することもありますが、適応じゃ無い場合も多いので、「色素沈着はレーザーを一回当てれば治るからまあ、いいか!」とはあんまり思わない方がいいかと思います。


少しずつ色素を分解するレーザーをあてることもあります。トーニングと言われる治療です。これは回数が結構かかると思ってた方がいいです。10回前後かそれ以上かな。結構コストはかかります。


あとはターンオーバーを整えてあげるようなレーザーや光治療(フォトフェイシャルなど)、ピーリングを行うこともあります。(じゃあ自分でピーリングしてみよう!なんて怖いこと考えないでくださいね。超危険です)

あとはビタミンCを入れるような治療もあります。


6.私が受けた治療

私の左足の色素沈着は、強いレーザー(Qスイッチアレキサンドライトレーザー)で治療し、そのあとトレチノインとハイドロキノンを使用してほとんど目立たなくなりました。

結果的に気にならなくはなったので成功といえば成功ですが、失敗でもありました。


なぜかと言うと、レーザーを強くあてたことで白抜けしたのです。

メラニンだけじゃなく、メラノサイトもダメージを受けてしまい、肌の色も作れなくなってしまった状態が白抜け(白斑)です。

幸いにも骨に沿って縦線状だったのでほとんど白抜けは気づかれない程度ですが…。

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(アザだらけ&毛穴ポツポツでアップはお見苦しかったので同じ感じのアングルで失礼します…。)

あんまり目立たないですよね!

周りの色素沈着は実は当時応急処置!と思って貼ったキズパワーパッドでテープ負けしてしまったものです。(自己判断で解決しようとして皮膚科受診しなかったことを悔みます…。)


こんな感じの状態だと、トーニングをしたら綺麗になりそうかなと思います。(もうほぼ気になってないので放置ですが.笑)


7.結論

まずは皮膚科を受診し、怪我したり、ニキビができたりしたその日から

【色素沈着予防 3大原則】
❶炎症を最小限に止めること
(▶︎メラノサイトの刺激を最小限にして、生まれるメラニンの数を減らす)

❷ターンオーバーを整えること
(▶︎作られたメラニンを早く排出する)

❸刺激を与えない
(▶︎悪化させる要素を作らない)

この3つをベースとしたケアを、長期間(最低でも3ヶ月)徹底的にすること。


これが結果的に綺麗に治すため、コストを抑えるためにもオススメです!

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