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障害者雇用、町役場2日目

さっそく、向かいの席の中年の男性社員に、悪口を言われるようになった。
禿げた中年の男性社員なのに、正職員の女性社員は●
●君と、君付けで呼んでいたので怖かった。
20代の若い男性社員なら分かるが、禿げた中年男性に君付けはないだろう。
私は自分のことを言われてると気づかず、黙々と作業していたのだが、
「本人が目の前にいるのに、言う必要ないじゃないか」
と一緒に話している男性社員が言った。
「だって声小さいし」
その言葉で、私の悪口を言われてることに気づいたが、気づいてない振りをして、顔を上げずに黙々と作業を続けた。
多分、私がいないところでは、もっと悪口を言われてるんだろう。
書類をシュレッダーにかけるように頼まれたとき、作業中に退社した社員の履歴書が混じっているのに気づいて、内容を盗み見した。
どうやら退職した社員は、社労士や保育士や看護師など、国家資格を持った人が多かった。
嫌味を言ってくるベテラン社員に嫌気がさして、辞めて行ったのだろうか。理由は分からないが、気に入っていた職場だったら、わざわざ転職しないだろうし、何か嫌なことがあったのだろう。私もその1人だ。今年退職した社員は、20名位いた。
私も来年の春には、自分の履歴書がシュレッダーにかけられるのかと思うと悲しくなった。
とりあえず1年契約で良かった。馬鹿にされる生活が、定年まで続くかと思ったらぞっとしたからだ。
司法書士になったら、同僚から馬鹿にされることはなくなると思う。難しい国家資格だし、持っている人自体が少ない。司法書士補助という事務員を雇ったりする位だ。
だから、私は今の町役場を退職したら、絶対に司法書士の試験に合格したいです。

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