見出し画像

【‘‘2022年に読んだ上半期の本ベスト約10冊’’紹介】

まえがき


前回のつぶやきに2022年に読んだ上半期の本ベスト10冊をセレクトしたつぶやきを投稿しましたが、今回の記事では、そのセレクトしました本の感想を簡潔にまとめ記してみました。
どの本も、とても面白い本でしたので、ぜひとも感想から興味を惹かれた本がありましたら、手に取って読んで頂けたら幸いです。
下半期も、良い本に巡り合えるように日頃から、この調子で色んな本を読んでいきたいなと思います。


【前回に投稿しました、つぶやきより】


1冊目

天地創造の姿を自らの作品に描くことを目的とした七つの巻。
スペンサーは、六巻までで人間の公私双方の姿を描いており、七巻目で結びとしての休息の巻として終止符としての姿を示していることが理解できる。
八面玲瓏な長編叙事詩はまさに感服しました。
構成・主題と共に、各巻で描かれたそれぞれの徳である神聖、節制、貞節、友情、正義、礼節などは見事に叙事詩に浄化され、一つの物語として具現化されたと言っても過言ではないと感じました。
寓意的でありながらも物語自体は複雑ではなく、明快であり気宇壮大な素晴らしい物語で感動的でありました。

2冊目

最新技術による、VFにより転生された母。朔也は‘‘自由死’’というものが合法化された近未来を舞台に自ら死を選択した母の‘‘本心’’を巡る。
母と交友のあった人たちから、ぼくは本当の母の存在を知る。‘‘死の一瞬前’’、‘‘自己決定’’、そして、‘‘最愛の人の他者性’’について。
本作で印象的な一文があります。「僕は母の人生を、一人の女性の人生として見つめ直していた。その心の色合いは、僕がずっと見定めたいと願っていたよりも、遥かに複雑に混ざり合っていた。」(P.427より引用)
確かに、一人の人間が形成された人格、心というものは非常に複雑な仕組みであると思う。
現代社会の大きな問題意識としてある、‘‘経済格差にみる貧困’’、‘‘幸福とは何かについて’’など、あらゆるテーマがこの物語には内包されていると感じました。‘‘自由死’’を巡っての論考は極めて難しいものではありますが、‘‘生と死’’に対しての魂の遍歴を辿ることで私たちは‘‘本心’’の意味を知ると思う。

3冊目

第二次大戦における、独ソ戦を舞台にドイツ兵に家族と故郷を失い、復讐を誓い、イリーナが教官を務める訓練学校で仲間と出会い、セラフィマは一流の狙撃手として成長していく。悲惨な戦争から、憎しみや悲しみを体感して本作の‘‘敵’’について考えさせられる。‘‘真の敵’’というワードを念頭に置きながら、戦場での描写はとても緻密でリアリティがあり、カタストロフィを通して人間のエゴイズムというものも色濃く描かれており、最初から最後まで引き込まれる作品でありました。私は本作から、戦火を交えた戦争の悲惨を語り継ぐ為には貴重な作品だと感じました。

4冊目

台湾の台北で暮らす緑という少女は、バンドを熱心に取り組む南峻に出会い、触れたことのない日本文化を通じて音楽の魅力や彼に対する恋心へと思いを募らせていく。音楽から、彼女は彼との間に言葉はいらないことを理解する。言語的な‘‘共鳴’’によるものとは、形のあるもの、たとえ形のないものであっても‘‘心にとても深い穴を残していく’’この感覚というものは、若さによる特有な感性であることを痛感させられました。この類い稀な表現様式は芸術性の可能性を凌駕させた素晴らしい完璧とも呼べる漫画作品でとても感動させられた稀有な才能の表現者だと感じた。

5冊目

今年に入って読んだ本で今のところ、断定1位であるとても、素晴らしくて面白い本でした。本書の帯にも書かれている通り、会社での企画書、プレゼン、大学での卒論、SNSにおいて、‘‘自分の<ことば>をつくる’’こと表現の技術を磨くことはとても大切だと思う。‘‘自分のことば’’というものは、その人にでしか表現出来ないものが必ずあります。‘‘ことば’’を作っていく為には、自分という存在を俯瞰して、自分を理解し表現のプロセスを積んでいかなければいけません。これは日本の伝統芸能、武芸を習得する考え方である‘‘守破離’’に近い考え方だと実感しました。
オリジナリティを生み出す上で興味や関心、経験というものは自己表現をする上で極めて重要な要素であります。表現活動のプロセスに関して本書で取り上げられている様々な論考は‘‘自分のことばをつくる’’上でどの内容も役立つものであると痛感させられました。何度も再読し表現力を磨いていきたいです。

6冊目

サブスクの普及により映画作品を倍速、ながら見、短尺化をして映像作品に触れる機会が近年増加している。映像作品における供給過多、タイムパフォーマンス、ダイアローグによる増加傾向など。時代背景に伴い、私たちのコンテンツの概念は激変しました。
映像コンテンツに向ける概念というのは‘‘経過を知る為のコンテンツ’’として概念が変わってしまったことにあると痛感しました。こうしたサブスクの普及によって、SNSに触れる情報洪水との因果関係としても捉えることが出来ます。Z世代である、私自身にとっては理解出来るものの納得し難く感じました。
倍速によって、映像作品というものは作品に見られる余白を強制的に埋めてしまい変容させてしまう恐れがあると考えられます。映像作品や小説などでしか味わえない楽しむ為の喜びを黙殺することはタブーであると捉えられる。映像作品における、価値変遷を求めていくことが今後の課題であると感じました。

7冊目

読むことの目的において、大切なこととは多様な視点を獲得することにあります。その為に必要なことは、自分の為の‘‘知肉’’を育てることで集中力がなくても、知的創造、生産に結びつけることは可能であることが紹介されています。本書で紹介されていることについて、SNSを駆使した情報ツールの使いこなし方の秘訣や紙媒体・電子媒体の書籍を読む上での読書の方法、そして集中力がいらない独自の仕事術である‘‘マルチタスクワーキング’’はあらゆる場面で知力を磨いていく上ではとても勉強になりました。
集中力がいらない‘‘散漫力’’を武器に、新しい読みがここにある。

8冊目

何故、私たちは文章を書く上で時間がこれほどまでにかかってしまうのだろうか?それは、文章を上手く書こうと思っていることや文章を組立てる前に素材というものが揃っていない理由が考えられます。実践的な‘‘ふせん素材管理法’’はとても参考に、勉強になりました。 

9冊目

感情ジャーナルという、書くメソッドには即ち、書く瞑想・片付け・習慣化の3つのステップに分けられる。自己対話から‘‘自己認識力’’としての価値を得られ書くことの役割というのは極めて素晴らしいものを自分へもたらしてくれる。ジャーナリングについての効用について、放電・充電、セルフトークによる、デイリー・ジャーナリング、マンスリー・ジャーナリング、クォーター・ジャーナリングによる書く習慣による、それぞれのプロセスを踏むことで思考・行動・感情を統合的に自己認識力を高めてくれるものがある。
ぜひとも、このメソッドを習慣化していきたいと感じた。

10冊目


タイムマネジメントやライフハックによる技術は、大事な真実を見落としており、すなわち‘‘生産性’’は罠であることが述べられている。限りある時間の中で、私たちは多くの選択に迫られる。
時間管理の固定観念を覆した賢明な時間論。 


よろしければ、サポートお願い致します。 頂きましたサポート資金は、クリエイターとしての活動資金として使わさせて頂きます。これからも、宜しくお願い致します。