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3月20日 アイヌの展示とめっちゃ剥製見に行った

 国立近現代建築資料館でやってたアイヌの展示と、科博でやってた大哺乳類展に行ってきた。国立近現代建築資料館と同じ敷地内にある旧岩崎邸庭園にも行った。

 まずアイヌ展だけど、めちゃくちゃ良かった……。名前の通りチセ(家屋)マキリ(刀)アットゥシ(木綿衣)は勿論のこと、それ以外にもちゃんとアイヌ文化を知る上で重要な概念や、儀礼に使われる道具、食文化や植生に関わるものもシンプルにしっかりまとめられていて、中学生で習うアイヌに対するミリしらな知識でも十分理解出来ると思った。しかも展示はひとつのフロアのみなので、最初にテキストをじっくり読んで、次に展示品を見て回る、っていう見方も全然できる。こういうのでいいんだよこういうので……。
 某作品がめちゃくちゃ人気になってからアイヌに対する世間の関心もかなり深まったと思うんだけど、実在する文化や国家や民族やらは一つの作品の主題にするにはいろいろと難しいので、文化や背景を踏襲しつつ史実通りには書かないという、学ぶ上での障壁を緩和し、モデルとなった分野について読者に興味を持たせるというのが、こういう作品の最終的な姿というか、なんというか……アイヌの展示を東京で見れるという機会もなかなか無いもので、いい相乗効果が乗ったな〜と思いました。
 とくに、やはり建築資料館なので建築についての展示もありまして、その中で家屋の構造や家族配置ができるものがあり、そういう展示はオタク大歓喜だろうな〜と…、そういう展示って諸問題のせいで最近減ってきているような気がするので、ちょっと楽しかったです。童心くすぐるもの程よいものは無いね。
 で、アイヌの展示の話に戻るんですが、まず面白いな〜と思ったのが、展示で一番最初に見るものが、アイヌについての日本語の解説と、アイヌ語で書かれた解説なんです。わかるか!って感じでしたが、ちゃっかり写真に収めちゃうんですよね。日本語と内容は同じなのかもしれませんが、とはいえ自分には未知の言語で、アイヌ語が日本語にそこまで適応するのか?というのも気になり……、これが好奇心!と胸が踊りました。そして奥に進み、実物の展示を見るのですが、これまた面白く……最初に見るのは漆器なんです。
 アイヌと言えばアットゥシやマキリなどの木製の道具と思っている方が結構多いのですが、結構早めに漆器もアイヌに渡りました。擦文時代という、アイヌの文化の土台が作られた時代ですね。
 ただ、それでもアイヌについてあまり知らない人はアイヌと漆器がイコールで繋がらないと思うんです。興味を引く良い配置だな、と漆器まっしぐらな母の背中を見て思いました。
 あとは、解説!時系列と必要性のグラデーションがちゃんとしていました。メモがスラスラ取れるし、展示もシンプルで直感的に理解できるので、アイヌに対する復習と観察による新しい知見がポンポン生まれて楽しいです。もうある種の考察ですね。
 アイヌの建築と工芸の世界、全部最高でした!ぜひ見に行ってください(あと数日しかないけど……!)

次に旧岩崎邸庭園!庭園と言ってもほぼ旧岩崎邸です。はっきり言って庭園は岩すげえくらいしか言うことないです。多分東京の景観のせい。あと季節。
 岩崎邸の洋館はイギリス人が設計したルネッサンスな感じの建物です。もう完全にルネッサンス期のイギリス、フルスロットル全開です。日本要素は洋館には皆無です。まず部屋に入ったら壁紙に驚き、天井に驚き、クソデカ暖炉に驚く……そんな家です。
 結構内装は落ち着きがあり(家具が減ったのもあると思います)壁紙も2色ほどで同系色、カーテンは無彩色、床は寄木でジャコビアン様式の家具……、まあつまり落ち着いてます。フランスのような華やかさはあまりありません。
 ただ造形の凝りようがえげつなく、階段前の謎のクソデカ古代ギリシャ様式の柱(1階がドリスで2階がイオニア?)とか、階段の子柱の意味わからん造形、天井の彫刻、天井のペルシャ刺繍、鍵穴の彫刻、彫刻、彫刻、彫刻…………と、とにかく「色は落ち着きがあるけど造形が落ち着かない」なスタイルです。ヒーターもアメリカ社が作ったくせにイタリアのルネッサンスな造形が施されたもので、側面に天使がひょこっといます。可愛いですがコストが全く可愛くありません。これらを施行した職人さん、本当にお疲れ様でした……敬愛。(ヒーターは違うけど!)
 和館にはお茶席があり、抹茶と練り菓子をいただきました。めちゃくちゃ美味しかったです。っぱ抹茶よ……!
 和館もまた凄く、デカデカ三菱型欄間や消えかかっている襖絵、中庭のどこから持ってきたの?ってくらい大きな平たい岩、洋館に合わせてか高い天井など、洋館のテンションをやわらげつつ異変がところどころある、8番出口的な雰囲気を感じました。ほんとに欄間デカかった。
 離れはビリヤードをする専用の場所だったり、地下に繋がる連絡通路があったりで、めちゃくちゃデラシ○感を覚えた。デラ○ネはいいぞ!(流れるような布教)

で最後に剥製!哺乳類がわんさかいる展示に行きました。大哺乳類展……。
 めちゃくちゃ子供が多くてしんどかったけどクソ楽しかった!!!ツチクジラの骨見た時は歓喜の悲鳴あげました。カッコよすぎ…………る……(絶命)イッカクもシャチも最高すぎて昏倒しました。アンテロープも良かったです。
 標本はとにかく動きが凄かったです。ゴリラの悲壮感は相変わらず(三階の常設でも悲しい顔をしている)、ユキヒョウの標本、獲物を口に噛んだ時の頬の膨れ具合があまりにもリアルで良すぎて求婚しました。クソっ! おれがユキヒョウになってアピールしに行くしか……
 骨格標本はとにかく歯。歯。臼歯!!!色んな臼歯が見られて嬉しかったです。猿とか猿とか猿とか。ゾウも良かった!W字の特殊な歯から、同類を感じる人間的な臼歯まで、本当にまじまじと見れます。順番も特にないので好きな動物のところへ駆けまわって大興奮って感じでした。
 やっぱり哺乳類を語る上でクジラは欠かせないもので、もう展示場入った瞬間頭上に見えたツチクジラに釘付けで、ほぼ前半の解説頭に入ってきませんでした。君の上腕骨の全容を見るまで私は止まれなかった…………(戒め)とツチクジラをまるで再会した親友のように眺め、反対側からも見るか……と1度そのフロアから出た瞬間、クジラの上腕骨が単体で展示されてて感動のあまり泣いちゃったんだよね……
 他にもヒョウの剥製の壁に写ったシルエットがライオンに見えたり、スペース足りなくて頭だけログインしてるカバが居たり、貴重なアリクイさんのあんよを360度撮れたり、ラクダの骨はめちゃくちゃカッコイイので、見て。ガチ。
 というか科博まじで1回は行った方がいい。個人的に悲しかったのはカフェのカルボナーラが無くなってしまったこと。それ以外はやはり満点な科博。屋上のハーブ園も良いよ〜!!!常設展にもクジラの骨格標本みたいなのあるから見に行こう!クジラはいいぞ!!!

 余談だけどシルル紀の植物無双時代とかの植物中心の展示とかもっと増えてもいいと思うんだ………


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