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ポケモンレンジャーの三次創作をしていた話

最終決戦災害の芽

こんにちは、今回は過去絵のお話です。自分の絵柄について考えるという意味でもnoteにまとめてみることにしました。

過去絵を久しぶりに探ってたら、個人的にいいなと思う絵をたくさん見つけました。その大半が高校終盤~大学生当時、ほとんどの人に見せることなく、見せたとしても絵のコンセプト、概要を誰にも明かすことなく進めていた「ポケモンレンジャー」の三次創作でした。

密かにやってたポケモンレンジャーの三次創作

ゼラン コンセプトのコピー

当然一次創作でも二次創作でもないので、ポートフォリオとかにも載せられず、自分のイラスト制作活動としては作業量の割に人に知られていない活動だと思います。

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ゼラン 村人

キャラクター、ストーリーはオリジナルですが、ポケモンが出てきて、そのポケモンをキャプチャスタイラーという道具を使ってキャプチャして、ポケモンと心を通わせて問題解決し世界の平和を守る、といったポケモンレンジャーの根幹部分は変えていません。

シレネ コンセプトアート

ポケモンレンジャーの続編が見たくて始めた三次創作

2011年に発売された光の軌跡以降、ポケモンレンジャーが大好きで、その前からある無印、バトナージを遊びつつ、続編をずっと待っていました。

そんな中、自分の中で「新作が出ないなら自分で新作のようなものを描いてしまえば良い」と思い立ち、自分だけの楽しみとして初め、そしていずれ漫画表現とかの形にできたら、人に見てもらおうとコツコツその設定画を描いてきました。

アゼナ 海賊

中学生〜高校1年生くらいまでは、ポケモンレンジャーシリーズの延長線をイメージした明るくて楽しい雰囲気かつややシリアスな物語、というものを考えてきまいましたが、高校の最後の年あたりに魔法少女まどか☆マギカを一気見してその影響か、「大災害と戦うリアルみを帯びた、ダーク雰囲気なポケモンレンジャーが描きたい」と思い立ち、その後ゼルダや、FF10、ベヨネッタのコンセプトアートにふれてだんだんダークかつ雰囲気のある絵になっていきました。

ミンストイメージ

どんなポケモンレンジャーにしたかったか

心の光

先述した「大災害と戦うリアルみを帯びた、ダーク雰囲気なポケモンレンジャーが描きたい」というコンセプトとともに「ポケモンと昔ながらの民族の生活」を描きたいと思っていました。

かげろうの砂漠

モンゴルの遊牧民族とか、砂漠の民族とか、民族特有の宗教施設とか、荒野の民族が住まう景色の中にポケモンがいたら良いな、という(この辺はゼルダの世界観の影響があったと思います。)ことをテーマに、民族とポケモンの生活、多数の民族の協調、最終的な共闘をイメージして世界観を描いていました。

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モデルにしているのは主にアジアの民族で、シルクロード周辺と、トルコ、ブルガリア、ウクライナ、ベトナムあたりの文化を研究しつつ描いていました。

シレネレンジャー服

_1_ゼランシレネ異邦人

こう言った民族や宗教の表現は、そもそもポケモンシリーズにおいて避けられている気がするのですが(デリケートな問題ですからね・・)人間とともに民族的な生活をしているポケモンの姿が魅力的でそこは3次創作だしと割り切って描いています。

ミンスト、ミゼル夕食

あと、やりたかったのが実在するポケモンレンジャーシリーズとの繋がりを持たせることです。

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私の描いていた世界は初代ポケモンレンジャーの10年前くらいの世界を想定しています。ポケモンレンジャーシリーズにおいてポケモンと心を通わせるための重要なキャプチャスタイラーがどういう仕組みで、いかにしてポケモンと心を通わせる道具として安全に運用ができるようになったのかをテーマにしていました。

ポケレンラフ集

ポケモンと「心を通わせるということと洗脳の違い」は、ポケモンレンジャーシリーズでも良く取り沙汰されますが、キャプチャスタイラーの開発段階においてもその差は曖昧だったと思います。

カヅキ1

キャプチャ時にポケモンが苦しみを感じていたら、キャプチャをする人間もその苦しみを受けてしまい、とてもまともな気持ちでいることもできないだろうとか、逆に人間側が怒りの気持ちを持ってキャプチャしたらポケモンにも怒りの気持ちがうつってしまうだろうとか、ポケモンが前述した大災害の起こる世界の中で災害等にあい重いトラウマを抱えていた場合、キャプチャできるのかとか、そう言ったキャプチャに関する一連の危険そうな実験で失ったものもあるのではないかとか、そういう実験においてちょっとダークな、危ない面をどう乗り越えてキャプチャスタイラーが純粋にポケモンと心を通わせる道具になったのか、その一連をストーリーの根幹としてお話を構想していました。

スプラトゥーンブラシ試し

あと、当時これまたポケモンと心を通わさないとできないとされるメガ進化の話があったので、うまいことポケモンレンジャーのシステムと協調させてメガ進化を出すことを想定していました。

ゼラン

遊牧民族のおしゃれなアクセサリーのようにメガストーンを衣装に纏わせたり、ロザリオのような形にして祈ることでメガ進化させたりしていました。

クレオメとの出会い

そして、ポケモンレンジャーシリーズの10年前とはいえ繋がりを持たせるという意味として、各シリーズの主人公、主要キャラの「そっくりさん」にあたる人物を登場させています。元のポケモンレンジャーシリーズでも他作品との繋がりを感じさせる表現が結構あるため、これはどうしてもやりたかったんです。

ウィンベルノーザ

サーニャ

ウンディーネ

なぜ誰にも見せなかったのか

今まで、この絵を見せなかったのは一次創作ではないので、版権的にも見せづらいし、二次創作でもないから元のポケモンレンジャーファンにもきっと受け入れてもらえないだろう、さらに、これを見せてしまうことで自分がどう見られるのかという評価が怖くて見せる勇気がなかったからです。
自分が真に好きなものを正直に伝えるのが単に怖かっただけだったと思います。

陽炎の姫君イメージ

そして、多くの人がポケモンレンジャーを知っているわけではない上三次創作なので、ポケモンレンジャーをそもそも説明できるよう作品化しなければ、誰にも理解してもらえないだろうという思いがあり、どうしても漫画化なりなんなりストーリーがわかる形で作品かしないといけないという思いがあったからです。そのストーリーのネタバレを避けてなかなか表に出すことができませんでした。

エメラ谷の果て

まずいきなり漫画は描けなくてもコンセプトアートなりプロットなりできることを増やしつついつか漫画にして、認められる形にして、世に出すぞ!と息巻いていたのですが、結局今日まで漫画にできずろくに人にも見せることができず眠っていたわけです。

行政区

あと、単純に完成までいかず没にしてしまったイラストが多いということもあります。なぜ完成までいかなかったかというと、描いている途中にライトなりデッサンなり、そのバラバラさに気がついて、かといって大幅な修正ができないくらいまで描き込んでしまい、修正できなくなって没みたいな流れが多かったのを覚えています。(と、当時は思ってたけど、完成ラインまで行っている作品も結構ありました。)後単純に描けないものに直面して諦めたり、飽きたりもしてました。

アゼナ船1

アゼナ船2

(奇跡的に2pつなげられた漫画↑)その時思ったことをそのまま表現するという形で、思いの強さによって描き込みが変わったり、作業工程の進め方が非常に雑然としていたという技術的な問題もありました。

10年間構想し続けたその先は?

シレネ運命に抗う

今回見せようと思ったのは、拙い面はあるとはいえ、雰囲気が良い絵が多く自分の絵柄の研究のためにまとめようと思ったからです。(時間経過によって人に見せる恐怖が薄れたということもあると思います。)
枚数もあるので、まとめて紹介したくなりこの記事を描きました。

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正直今後も、この作品が長編の漫画になることは難しいと思います。そもそも漫画という形にすることができた試しがないし、小説にした後もありましたが、やっぱりそれも続きませんでした。

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でも、もし自分がいつか死ぬとして、最後まで世に出せず心に引っかかってそうなのはこの一連、10年間考え続けたポケモンレンジャーの三次創作だろうなという思いはありますので、どうにかしていきたいなと常々考えていました。

マドレーヌ布教2

現状私にできるのは、物語のワンシーンを途切れ途切れに想起してそれをひたすら絵に残すだけのことです。イラストレーターの仕事もしつつ、今ハマっている二次創作も楽しみつつ、また何かいいシーンが思いついたらイラストを描いて行けたらいいなと思います。

もしそんなことが今後あれば、今度は「これはポケモンレンジャーの三次創作です。」と胸を張って見せたいと思います。

コンセプト1途中経過._1jpg




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