群馬県・沼田周辺の送電線
群馬県の沼田市や昭和村といえば河岸段丘です。利根川や片品川沿いに美しい河岸段丘が何段もみられます。昭和村のあたりだと赤城山の溶岩が流れた跡が赤城高原として美しい景観を作っています。今回は以前Twitterに投稿した沼田周辺の送電線をまとめてみました。
①のあたり
東群馬幹線は500kVで運転しているが1000kV設計なのでさすがにデカい。碍子も一つ一つが大きくて長く連結されている。
東群馬幹線No.42から老番側をみると、手前のNo.43、関越道の向こう側にある紅白No.44、その先のNo.45から紅白のNo.48までは見える。とにかく巨大なので存在感がある。
②のあたり
東群馬幹線No.43からもう少し関越道の方に寄ると、JR東日本の154kV桃野ー時沢線が通っている。新潟県にある信濃川発電所からの電力を首都圏へ向けて輸送している。福島と新潟の原発からの大電力を1000kVで効率よくじゃばじゃばと流すつもりで作った東群馬幹線と比べたらなんともかわいらしい設備だが、これでも154kVの立派な送電網だ。きょうびのシュッと高い鉄塔ではなくてずんぐりとしたシンプルな鉄塔が多く、上州名物の雷に耐えるため架空地線はしっかり2本ひいてある。
その東群馬幹線も今では東北方面からの火力と再エネ由来の電力を東京多摩エリア・埼玉県南部・山梨県へ流すルートになっているようだ。
③のあたり
赤城高原では赤城山の溶岩由来のなだらかな地形と比較的冷涼な気候を生かして、高原野菜の産地として有名だ。その中をJR桃野ー時沢線が延々と通ってゆく。
東電PG154kV上毛幹線No.136とJR桃野ー時沢線No.37を併架する紅白鉄塔は、最上段が桃野ー時沢線、中段が上毛幹線、下段が線名がわからないが近くの森下変電所につながる66kVの送電線が通っている。
④のあたり
昭和村のメガソーラーといえばいちご昭和村生越ECO発電所だ。不動産ファンドのいちごが運営している。ホームページによると85haもの広大な土地に43.35MWもの太陽光パネルを並べているらしい。パネル出力が発電出力よりも45%も大きいのは、明け方夕方や曇天でも効率よく発電してより多く売電するためにパネルを過積載しているからだ。その代わり晴天の昼間はできた電気をパワコンで捨てていることになるが、FIT制度で契約した以上の出力はどのみち出せないのでそれでいいのだ。
⑤のあたり
上毛幹線も建て替えが進んでいるようでシュッとしたいまどきの背の高い鉄塔ばかりになっている。鉄塔を追いかけている諸先輩方のホームページには昭和初期建築の味のある鉄塔の写真がたくさん掲載されている。今度はこの奥の方にある水力発電所も見に行こうと思う。
⑥のあたり
JR東日本の桃野開閉所はみなかみ町の上越新幹線の線路沿い、上毛高原駅からやや東京寄りにある。新潟の信濃川発電所(千手発電所・小千谷発電所・小千谷第二発電所)からの電気はこのルートを通ってくるものだけでなく、Googleの航空写真で見る限りは小千谷第二発電所からの送電線は新潟県長岡市付近の山中で中東京幹線に合流しているし(ということは275kV)、北は信越線の宮内駅付近まで、南は上越線のいくつかの変電所に電力を供給しながら土樽駅付近まで送電線が来ているようだ。
⑦のあたり
玉原線は新榛名変電所から純揚水式発電所である玉原発電所をつないでいる。途中、高山村付近の山中で中東京幹線とも交差・合流している。
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