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タイパに追われる現代人


1.金魚以下の集中力

最近、会社の後輩に『SAMANSA』というショート映画アプリを教えてもらった。
このアプリは動画の長さでカテゴリーが分けられており、5分~10分のショート作品が人気を博している。

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作品の中身は熟成されていないのだが、短い動画には需要があると思う。
自分は生活の中でYouTubeを1番多く利用しているのだが、最近は再生前に再生時間を見て「10分以上の動画は長いからパスしよう」と思うことが増えてきた。
現代人の集中力は金魚以下と言われるように、最近は娯楽に関しても飽きる時間が短くなったと感じる。

2.短くなるコンテンツ

  • 映画(〜2時間)

  • ドラマ(〜1時間)

  • アニメ(〜30分)

  • YouTube(〜20分)

  • TikTok(〜1分)

1本辺りの消費時間

ざっくりと各コンテンツの1本あたりの再生時間を並べてみた。
昔は覇権を握っていたコンテンツ(映画・ドラマ)の消費時間が長いのが分かる。
1本の消化スピードを考えると圧倒的にタイパ(タイムパフォーマンス)が悪い。
動画コンテンツでもコレなのだから、読むのに時間がかかる活字メディアが衰退する理由も分かる。
(周りでも本を読む人は殆どいない)

しかし、TikTokを使ってみて思ったのだが、短い動画は頭に何も残らない。
見ている最中は時間を潰せるのだが、何を見たのか後から思い出せない。
時間だけを食い潰している状態で、栄養にならないスナック菓子をながら食いしているのと同じだ。
やはり、面倒であっても役に立つ情報には時間をかけなければいけないと思う。

岡田斗司夫の動画でも触れていたが、ファスト教養のような動画では頭はよくならないので、読書は脳みその筋トレとして必要だと思う。
人間のハード(脳)としての仕様上、知識を体系的に脳みそに入れるには読書が1番最適だからだ。

また、最近の時短文化を意識するようになってから、星新一の先見性を再認識した。
1本辺り10分程度で読めるショートショートというジャンルは、TikTokに似ていると感じるからだ。
(実際は落語から影響されたらしい)
もしかすると、星新一は現代人の時間的余裕がなくなるのを見通して、短い小説を執筆したのかもしれない。
技術の発展によって暇になるどころか、スマフォに時間を奪われている現代も彼だったら予見していそうだ。
便利な物によって新しい問題が生まれるのは、いつの世も避けられない道なのだろう。

3.追記

2023.09.03 追記
予想通りドラマや音楽の分野でも時短化は起きているらしい。

短尺ドラマは『世にも奇妙な物語』のような気軽な見方ができて良い。
拘束時間が1時間近いドラマは時代にあっていないのかもしれない。

K-POPも2分半の曲が増えているようだ。
TikTokと合わせるのにサビがすぐに来る曲の方が良いのだろう。
ただ、時短化が進むと『ボヘミアン・ラプソディ』のような6分近い名曲が生まれないので、少し残念である。

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