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【書評】好きな打ち切りマンガ3選
惜しくも打ち切りになってしまったが、何度も読み返している3作品を紹介したい。
どの作品も4巻以内で完結しているため、興味があったら読んで欲しい。
1.腹腹先生
ジャンプ+で連載されていた作品。
全4巻の任侠モノ。
化学の女教師がヤクザの抗争に巻き込まれると言うストーリー。
恐らく海外映画の『ブレイキング・バッド』に触発されて書かれていると思う。1話目から科学知識を活かした展開が繰り広げられる。
とにかく頭脳派の女教師と狂犬キャラのヤクザのコンビ感が良い。
話の展開もしっかりしているし、コマの魅せ方も上手い。
残念な点は、途中で非現実的な中学生キャラが出てきたところ。
リアル路線で進むのか、作品の軸がブレてしまった。
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このキャラはコンバットナイフでヤクザの頭を刎ねまくるのだが、無邪気なサイコパスと言った味付けが薄っぺらく感じた。
ヤンデレ暗殺者JCは属性を盛り込み過ぎだと思う。
自分は読んでいてツラかった。
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気になる点はここくらいで、魅せるコマに関しては表情の描き方が本当に上手い。
啖呵を切る場面はしっかりと大ゴマで決めてくれる。
何といっても、おとなしい教師だった先生の覚悟完了してからの成長っぷりが良い。
内面も掘り下げてくれるので、読んでいるコチラも応援する気になる。
そして、後半になるにつれて話のスケールが大きくなり、主人公コンビが過去の因縁と向き合っていく王道展開も燃える。
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この辺りの覚悟の決め方には惚れる。
最初は妹を助けるために科学知識で戦う爆弾魔だったのに、信念を持って行動するようになってからはスゴみがある。
『ジョジョの奇妙な冒険』の徐倫に通じる芯の強さだ。
最後まで推せる主人公だった。
2.爬虫類ちゃんは懐かない
爬虫類の擬人化ギャグ漫画。
キャラの個性と、ギャグの切れ味が良い。
擬人化キャラがほぼ全裸だったため、絵面としてセンシティブ過ぎたのが打ち切りの原因かもしれない。
また、主人公たちの餌がコオロギだったりと、虫が苦手な人は受け付けない部分もあったと思う。
ある意味コオロギ食を推奨している現代を先取りしている。
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ギャグだけでなく話の途中に爬虫類の解説も挟まれているので、勉強になることも多い。
(活かす機会はなさそうだが)
口の悪い爬虫類達と飼い主の掛け合いが面白いので、ギャグ漫画が好きな人にはオススメしたい。
3.テレキネシス 山手テレビキネマ室
マンガ内で映画を紹介する、映画マンガ。
マンガ内でマンガを紹介する『金魚屋古書店』の映画版。
金魚屋が10巻以上続いたのに対して、こちらは4巻で完結。
お仕事マンガとしての名言が豊富で、時折読み返している。
紹介されてる映画が古典作品ばかりなので、映画鑑賞まで繋がりにくいのがマイナスポイント。
最近の作品が良いという人には『木根さんの1人でキネマ』『おやすみシェヘラザード』がオススメ。
どちらも読んで損はない。
この作品の魅力は、仕事に対する鋭いセリフ。
話の展開自体は凡庸だけれども、刺さる言葉が多い。
社会人になる前に読んだ作品だが、今読むと当時より胸にグサっと来る。
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「滑稽な発想と傑作は紙一重なの」
小さな一コマだが、この言葉は強く印象に残っている。
ワイルダー監督は、試写会で笑われた映画の冒頭にひねりを加えることで名作を作り上げた。
名作映画に関わるエピソードを端的に表した言葉だと思う。
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「孤独を背負えない奴は、絶対仕事ができない」
信頼する上司に裏切られた新人に対して投げかけた言葉。
サラリーマンである以上、いくら同僚であっても他人の人生を背負える人間はいない。
甘い言葉をそのまま受け止めるなよ、という意味でインパクトがあった。
社会に出る前に読めて良かった回。
以上である。
『腹腹先生』に関しては、後日ネタバレありの記事を書きたいと思っている。
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