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書籍レビュー

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本を読んで学んだ知識や、普段思ったことをまとめます。
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#映画

今こそビジネスマンは『おぢいさんのランプ』を読むべきかもしれない

『ごんぎつね』『手袋を買いに』で有名な新美南吉の作品。 多くの人は教科書でしか読む機会のない作家だと思う。 (自分もそうだった) 自分はたまたまSNS上でこの作品を知り、読むに至った。 80年前の作品だが、物事の本質を突いた作品なので紹介したい。 この先はネタバレありで書評をしてきたいと思う。 1.未知との遭遇この話は、技術の進歩によって職を失う人間の心情をリアルに描いている。 巳之助(主人公)は、町でランプの存在を知り、行燈の時代が終わることを知る。 文明開花を肌で感

観たもの、聴いたもの、読んだもの(2023.05)

01.書籍01.ゾンビ3.0 国産ゾンビ小説という珍しいジャンル。 世界中が同時多発的にゾンビパンデミックに襲われた世界。 ただし、舞台は予防感染研究所内を中心に展開される。 ゾンビというとB級映画の代名詞のような存在だが、この作品は感染症に重点を置いており、科学的な側面が強かった。 他の方のレビューにも書かれているが、日本版『ワールド・ウォーZ』と呼べると思う。 映像化向きなので、是非とも邦画でお願いしたい。 (日韓同時刊行なので、韓国の方が上手く映画化しそうだけど)

観たもの、聴いたもの、読んだもの(2023.01~05)

01.小説01.方舟 SNSで推されていた推理小説。 カウントダウン付きの密室殺人なのだが、オチが凄い。 設定はツッコミどころも多いのだが、最後まで読めば無問題。 映画で言ったら『SAW』の1作目を観た時の衝撃。 終盤は布団の中でプルプル震えて、読み終えたあとは興奮して眠れなかった。 とりあえず気になったら読むべきである。 2,000円分の価値はある。 映画化を是非ともお願いしたい。 問題は、舞台が地下の施設なので絵面がかなり地味なこと。 (『CUBE』みたいに低予算でも